調査概要

昨今の世界情勢やサステナビリティに関する議論の進展に鑑みて、皆様の取り組み状況を調査・分析し、 それらの情報を共有すること、企業が向かうべき方向性について互いに議論するための情報整理を目的として、特に重要性が増している「気候変動・責任ある調達」をテーマにサーベイを実施しました。

実施期間:2025年4月1日(火) ~ 4月30日(水)

質問項目

質問ジャンル・配点

本調査は、「気候変動」と「責任ある調達」という二大トピックを中心に構成されています。これらのテーマは、現代のビジネス環境において企業の持続可能性と社会的責任を評価するうえで極めて重要な指標となっています。
気候変動は仕組み・運用・サプライチェーン・開示・実務融合の5ジャンル、調達は仕組み・運用・開示・実務融合の4ジャンルを小項目として設定し、合計45問の質問を策定しました。この質問数は、各カテゴリーを十分に網羅しつつ、回答者の負担を考慮したバランスの取れた設計となっています。
また、重要性を考慮しジャンルごとに傾斜配点を行い、合計で100点満点になるように設定しました。

実態調査:質問ジャンル・配点

 

回答者の属性

回答総数:307社

属性別の分布

企業別、売上規模別、人員規模別の分布は以下の図のとおりです。
業界別では、製造業(金属・機械・電機電子)が過半数を占めており、売上規模別・人員規模別では50億円規模、500名以下の比較的小規模事業者の回答が過半数を占めました。

実態調査:属性別の分布

 

認証別の分布

主要なISO別の分布は以下の図に示しています。
87%の回答者がISO9001ISO14001ISO45001ISO27001を取得していることがわかります。

実態調査:認証別の分布

 

集計結果(事業規模別)

全体の傾向

詳細な得点結果は以下のチャートと表に示されているとおり、気候変動と調達の両分野において、企業規模が大きいほど得点率が高い傾向が顕著に表れています。

特筆すべきは開示に関する項目で、小規模企業と大規模企業間の得点率の乖離が著しく、これは両者に求められる要求や必要性の差異を反映していると推察されます。
一方で、気候変動の仕組み、調達の仕組み、および調達の実務融合に関しては、企業規模による得点率の差が比較的小さく、多くの企業が共通の課題に直面していることが明らかとなりました。この傾向の主な要因として、サプライチェーン全体の管理やリスク評価において、企業規模を問わず低い得点率が見られることが挙げられます。
これらの結果は、企業規模や業種を超えて、サプライチェーンの包括的管理と効果的なリスク評価の重要性が高まっていることを示唆しています。同時に、開示に関しては企業規模に応じたアプローチの必要性が浮き彫りとなり、今後の持続可能性戦略において、これらの点を考慮した取り組みが求められることを示しています。

人員規模別の平均得点率

実態調査:人員規模別の平均得点率 円グラフ実態調査:人員規模別の平均得点率 表

 

集計結果(業種別)

業種別分析において、顕著な全体傾向は観察されないものの、製造業、特に金属、機械、電気電子セクター、および化学、医薬品、ゴム・プラスチック産業において、平均を上回る得点率が確認されました。

この結果の背景には、重要な要因として海外拠点の有無があります。具体的には、海外拠点を有する企業ほど高得点を示す傾向が顕著であり、上記の高得点業種は海外拠点を保有する割合が相対的に高いことが、この現象を説明する主要な要因であると推察されます。
グローバルな事業展開を行う企業は、必然的に多様な国際的環境基準や持続可能性に関する要求に直面するため、取り組みが進んでいると考えられます。

産業別の平均得点率

実態調査:産業別の平均得点率 表

 

集計結果(認証別)

取得認証数の増加に伴い、企業の総合的な得点率が上昇する傾向が顕著に観察されます。
特筆すべきは、ISO14001(環境マネジメントシステム)およびISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)を含む認証の組み合わせが、気候変動対策と持続可能な調達の両分野において卓越した成果を示していることです。

この分析結果は、企業が環境・社会パフォーマンスを向上させるうえで、複数の国際認証の戦略的な組み合わせが効果的なアプローチとなり得ることを示唆しています。特に、環境マネジメントと労働安全衛生マネジメントの統合は、気候変動対策と持続可能な調達実践の両面で相乗効果を生み出す可能性が高いです。
したがって、企業は自社の事業特性や戦略目標に応じて、適切な認証の組み合わせを検討し、それらを効果的に活用することで、環境・社会面での競争力強化と持続可能な成長を実現できる可能性があります。同時に、これらの認証取得を単なる形式的なプロセスではなく、実質的な組織変革と継続的改善の機会として捉えることが重要です。

実態調査:集計結果(認証別)

 

全体コメント

今回の調査では、回答の半数以上を占める中小規模の企業の点数が大企業と比較し点数が低い結果となっているのは、サステナビリティ関連の活動に割くことができる人員に制限があり、品質面や通常業務を重視することなど、優先順位が高くないことが伺えます。
しかし、今後の経営においてこれらの項目は、ますます企業評価やビジネス取引の判断基準の一つとなり得ます。

また、人権や児童労働等について日本では法令で定められているため、方針やコミットメントが必要ないという考え方は国際標準に合致していないと判断され、今回の点数のように“できていない”と評価されてしまいます。改めてサステナビリティへの取り組みの重要性を認識して、自社の事業特性や利害関係者の期待から優先順位を明確にして説明責任を果たすことができる体制、取り組みへとステップアップされることが望まれます。

システム認証事業本部 田城 慶樹

 

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