ISO20121:イベントサステナビリティ認証
~持続可能なイベント企画、運営のために~
1.ISO20121発行の背景
世界中で大小さまざまなイベントが開催されるなか、環境負荷の軽減が求められています。特にオリンピックやワールドカップなどの大規模イベントでは、温室効果ガスの排出量、廃棄物、リサイクル、周辺環境への影響など、持続可能性が重要視されています。
ISO20121は、これらの課題に対応するために2012年に発行されました。これに伴い大規模イベントの認証取得が相次ぎ、代表的なところではリオデジャネイロ、ロンドンに続き東京オリンピックでも認証が達成され、最近では大阪万博で認証が取得されました。
2024年に改訂されたISO20121:2024では、「気候変動」「人権」「レガシー」の3つの重要テーマが強調されています。特に二酸化炭素排出削減や人権保護に関する取り組みが強化され、イベントの持続可能性をさらに高めるための具体的なガイドラインが追加されました。
ビューローベリタスのサービス:ISO20121(イベントサステナビリティ)
2.規格の構造
規格の構造として共通テキストが採用されており、PDCAサイクルおよび箇条の順番は他のマネジメントシステム規格に共通しています。ただし、イベントサステナビリティの場合にはさまざまな利害関係者が存在します。行政、地域、顧客、来場者、サプライヤーなど多岐にわたるため、それぞれの利害関係者のニーズや期待を整理し、優先順位をつけて対応すること、また、双方向のコミュニケーションによって計画を共有しながらプロジェクトを進めることが重要です。

ISO20121規格より:ビューローベリタス和訳・抜粋
3.ISO20121の特徴と要求事項のポイント
ISO20121は、イベント運営会社や特定のイベントに対する認証を提供します。イベント運営会社は、持続可能なマネジメントシステムを導入し、定期的な審査を受けることで認証を維持します。特定のイベントに対する認証では、イベントの設計・計画段階から持続可能性を考慮し、認証を取得することで、内外にその取り組みをPRすることができます。
当規格では、イベントを運営する組織が、イベントを開催する都度、開催前だけでなく、開催後を含めた「イベントの価値」をどのようにとらえ、“イベント関連活動の提供についてより創造的であることを組織に柔軟に認め”、“イベントのマネジメント・サイクル全体を通じて、持続可能性の向上に取り組むこと“を趣旨としています。
イベントは永続的ではなく、ある期間に開催されるために、準備、実施、終了の期限があります。他の規格では、組織は永続的に存在し、組織のなかで事業が継続しますが、イベントマネジメントシステムは個々のイベントに焦点を絞っていることに注目が必要です。
イベントには趣旨に合わせた利害関係者がいます。個々のイベントに対して主催者だけでなく運営側、施工業者、演者、観客、地元住民、行政などのさまざまな思いを一つにするために、また全員が成功を喜び、環境、社会、経済的な負荷をかけるのでなく、良い影響を与える仕組みが体系的に機能し、継続的な成果を出せるように、ISO20121を利用することを意図しています。
ISO20121は、比較すると利害関係者の広がりが他の規格より多い傾向にあります(4.2)。それらの意見をどのように収集し、期待値として明確にし、応えられるか、体系的に検討する必要があるでしょう。
また、PDCAの原則は他規格と変わりませんが、下記の項目では他の規格より範囲が広くとらえられています。
- 持続可能な開発の原則︓価値向上、持続的成長、尊重、誠実さ、透明性を基にした活動の目的、便益、リスク、および特にイベントに関連する活動、製品、サービスに関する価値を定義し、文書化する。(4.1/4.2/4.5)
- 課題の特定︓組織内外の関係者から意図/期待される気候変動への影響を含む環境的負荷、社会的、経済的な問題についてコントロールが可能なものおよび影響を及ぼすものを特定する。(4.1/4.2/6.1)
- 関連するサプライチェーンとともに計画的に工程を進め、変化点管理を行う。(8)
- モニタリングと評価︓進捗状況を把握し、持続可能な開発の原則に対するアプローチの実績を評価、検討し、改善変更する必要があるか検討する。(9.3)
組織が対象とするイベントが、社会や地球に負荷をかけず、永続的な価値を生み出すために、マネジメントシステムを活用することが期待されています。
4.ISO20121認証取得のメリット
- 持続可能なマネジメントの促進︓イベントの持続可能性を高めるための体系的なアプローチを提供します。
- ステークホルダーへのアピール︓持続可能性に関する取り組みを証明し、信頼性を向上させます。
- グローバルプロセスの改善︓国際的な基準に基づく運営を行うことで、イベントマネジメントの質を向上させます。
- 人材の養成︓持続可能性を理解し、実践する人材を育成します。
5.まとめ
ISO20121は、持続可能なイベント運営を実現するための国際標準規格です。最新の改訂により、気候変動や人権保護に関する取り組みが強化され、イベントの持続可能性をさらに高めることが期待されています。認証取得により、イベント運営の質を向上させ、ステークホルダーからの信頼を得ることができます。
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