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IBR 1950に基づく溶接士技量認定を受ける際の注意点

インド向けのボイラー本体および部品の溶接は、IBR 1950 に基づき認定された溶接士が行う必要があります。インドボイラー法(The INDIA BOILER ACT 1923)によると、IBR 1950 溶接士の認定業務は、CBB(Central Boilers Board:インド中央ボイラー委員会)に登録されたCompetent Authority が行うよう規定されています。

ビューローベリタスはCBB に登録したCompetent Authority であるため、インド国内およびインド国外のすべての領域でIBR 1950 溶接士の認定が可能です。

関連記事:Indian Boiler Regulation 1950(IBR 1950)に基づく溶接士認定の概要

IBR 1950 に定める溶接士技量認定方法はスペシャル規定が多いため、本記事では、IBR 1950 溶接士技量認定とASME セクションIX による溶接士技量認定の主な相違点についてご紹介します。

※ASME︓American Society of Mechanical Engineers

適用規格

  • IBR 1950︓Indian Boiler Regulations 2023(以下「IBR 1950」という。)
  • ASME Section IX︓ASME Boiler and Pressure Vessel Code 2023(以下「ASME IX」という。)

 

主要相違点

1. 溶接方法

ASME IXには、オキシ燃料ガス溶接(OFW:Oxy-Fuel Welding)、被覆アーク溶接(SMAW:Shielded Metal Arc Welding)、半自動サブマージアーク溶接(SAW:Submerged Arc Welding)、半自動ガスメタルアーク溶接(GMAW:Gas shielded Metal Arc Welding)、手動および半自動ガスタングステンアーク溶接(GTAW:Gas Tungsten Arc Welding)、手動および半自動プラズマアーク溶接(PAW:Plasma Arc Welding)等の手動溶接および半自動溶接方法の技量認定が規定されています。

一方、IBR 1950 では、「“Welder” means a person engaged in manual welding (gas or electric).」(訳文:“Welder”とは手動溶接(ガスまたは電気)を行う者を意味する)との記載により、手動溶接のみが規定されています。

 

2. 溶接施工法確認試験

ASME に基づいて、ボイラーまたは圧力容器を溶接するには、溶接施工法確認試験および溶接士技量認定の両方が要求されます。

一方、IBR 1950 に基づいてボイラー等を溶接する場合は、溶接施工法確認試験は要求されず、溶接士技量認定のみが要求されます。ただし、溶接士技量認定試験を実施するには、IBR 1950 Chapter XIIIに従って作成した溶接施工要領書(WPS)をIBR Competent Authority に事前に提出し、承認を得る必要があります。

 

3. 溶接姿勢

板の突合せ溶接(BW:Butt Weld)および隅肉溶接(FW:Fillet Weld)の溶接姿勢については、ASME とIBR 1950でほぼ同じ定義が規定されています。ただし、管の突合せ溶接では、ASME とIBR 1950 の溶接姿勢の定義が異なります。ASME IXの管の突合せ溶接の溶接姿勢は1G、2G、5G、6Gと規定されていますが、IBR 1950 では、Horizontal Rolled(1G 相当)、Horizontal Turned(ASME IX に定義なし)、Vertical Fixed(2G 相当)、Horizontal Fixed(5G 相当)の4 種類の溶接姿勢が定義されており、ASME IX の6Gの定義がなく、更にHorizontal Turned がスペシャル規定であるため注意が必要です。

また、管の突合せ溶接では、IBR 1950の“Horizontal”の表現は管の軸方向が横向きになるような意味であり、“Vertical”の表現は管の軸方向が鉛直方向になるような意味です。ASME IXの表現とは異なるので、ご留意ください。

 

4. 筆記試験

ASMEに基づいて溶接士技量認定を行う場合、所定の溶接方法による実技試験と機械試験または非破壊検査が要求されますが、筆記試験は要求されません。
一方、IBR 1950に基づいて溶接士技量認定を実施する場合は、筆記試験および溶接実技試験の両方が要求されており、筆記試験の合格点は60%以上となります。

以上のように、IBR 1950に基づいて溶接士技量認定を行う際にはASME IXと相違点が多く、特に溶接姿勢についてスペシャルな定義があるため、溶接認定を受ける際に十分注意する必要があります。

ビューローベリタス 産業事業本部では、IBR 1950溶接士技量認定業務を含め、IBR全般の検査に対応しています。ご不明点等ございましたら、お気軽にご相談ください。

産業事業本部 黄 永剛

 

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