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日本の電波法 基準認証制度: 技術基準適合証明と工事設計認証

2020年6月号で日本の電波の免許制度と登録検査等(登録点検と登録検査)を取り上げましたが、今回は無線設備に対する基準認証制度、技術基準適合証明と工事設計認証についてご紹介します。

無線局の利用、つまり無線局の開設には、原則総務大臣の免許が必要と電波法で定められていることは、6月号の記事で述べました。しかしながら、電波を発する製品すべてに対し、煩雑な手続きを経て免許を取得するのは効率が悪いため、免許の取得が免除される制度が、近年いくつか登場しました。そのうち、発射する電波が著しく弱い無線局や、総務省が求める技術要件を満たした無線局は、免許不要とされています。

無線局の種類ごとに、免許・登録点検・技術基準適合証明、それぞれの要・不要は表1のとおりです。

 

表1

  免許技術基準適合証明登録点検 (電気的特性の点検)
微弱無線局 問われない不要不要
市民ラジオ 問われない必須不要
小電力無線局「コードレス電話の無線局」(第1号)問われない必須不要
 

「特定小電力無線局」(第2号)

  • テレメーター用、テレコントロール用及びデータ伝送用
  • 医療用テレメーター用
  • 体内植込型医療用データ伝送用及び体内植込型医療用遠隔計測用
  • 国際輸送用データ伝送用
  • 無線呼出用
  • ラジオマイク用
  • 補聴援助用ラジオマイク用
  • 無線電話用(ラジオマイクに使用するものを除く。)
  • 音声アシスト用無線電話用
  • 移動体識別用
  • ミリ波レーダー用
  • 移動体検知センサー用
  • 人・動物検知通報システム用

「小電力セキュリティシステムの無線局」(第3号)
「小電力データ通信システムの無線局」(第4号)

「デジタルコードレス電話の無線局」(第5号)
「PHSの陸上移動局」(第6号)
「狭域通信システムの陸上移動局」(第7号)
「5GHz帯無線アクセスシステムの陸上移動局」(第8号)

「超広帯域無線システムの無線局」(第9号)
「700MHz帯高度道路交通システムの陸上移動局」(第10号)

問われない必須不要
登録局5GHz帯無線アクセスシステムの基地局
5.2GHz帯高出力データ通信システムの基地局及び陸上移動中継局
陸上移動中継局及び陸上移動局
空中線電力が10mw以下のPHSの基地局
周波数ホッピング方式の2.4GHz帯構内無線局
920MHz帯構内無線局
デジタル簡易無線局 など
問われない
(ただし登録に係る届出が必要)
必須不要
包括免許局携帯電話端末 など必須必須不要
上記以外の特定無線局携帯電話基地局 など必須適用可能不要
検査・点検が必要な無線局

基幹放送局(衛星基幹放送局及び衛星基幹放送試験局を除く。)
地上一般放送局、非常局、気象援助局、標準周波数局、特別業務の局、海岸局、基地局、携帯基地局、無線呼出局、陸上移動中継局、陸上局、移動局、特定実験試験局及び実験試験局
固定局
航空局、無線標識局、無線航行陸上局、無線標定陸上局、無線標定移動局及び無線測位局
海岸地球局、航空地球局、携帯基地地球局、携帯移動地球局及び地球局
船舶局(特定船舶局を除く。
船舶地球局(電気通信業務を行うことを目的とするものに限る。)
航空機局
航空機地球局
衛星基幹放送局、衛星基幹放送試験局、人工衛星局及び宇宙局
簡易無線局、構内無線局、陸上移動局、携帯局、遭難自動通報局(携帯用位置指示無線標識のみを設置するものに限る。)及び船上通信局

(携帯用位置指示無線標識のみを設置するものを除く。)及び無線航行移動局

必須適用外必須

 

 

微弱無線局

無線設備から3mの距離の電界強度が、規定レベル以下のものは微弱無線局と定義され、技術適合試験も免許も受けることなく、そのまま利用できます(図1)。ただし、当局から電界強度が基準以下であることの証明を求められる可能性があります。

図1

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図:微弱無線の3mの距離における電界強度の許容値


出典: 総務省「電波利用ホームページ」 微弱無線局の規定

微弱無線局の製品例には自動車のキーレスエントリーや盗難防止装置などがあります。

 

無線設備に関する基準認証制度

私たちに身近な無線機器、IoT製品の多くは、小電力無線局に使用するための無線設備(特定無線設備)として、登録証明機関や承認証明機関が総務省の定める技術基準への適合を証明する基準認証制度の対象となっており、この証明を受けて技術基準適合表示マーク(技適マーク)が表示されていれば、免許は不要です。

無線設備に関する基準認証制度には、技術基準適合証明と工事設計認証があります。

技術基準適合証明:
製品1台ごとに試験(特性試験)と書類審査を行い、技術基準に適合しているかどうかを判定します。証明番号も1台ごとに付与されるため、少量生産や試作機の適合に向いています。

工事設計認証:
技術基準適合証明が、製品そのものに対して適合性が証明されるのに対し、工事設計認証は、設計(工事設計)および製造等の取り扱いの段階における品質管理方法(確認方法書)を対象に製品の適合性が判定されます。試験・審査ともに機種ごとに実施され、認証番号が付与されます。「確認方法書」に基づき生産されるものであれば、台数に制限がなく、大量生産時に向いていますが、ISO9001に準じる品質管理体制が求められます。

技術基準適合証明と工事設計認証の流れ

  1. 申請者は、登録証明機関等に申請対象製品のサンプルと必要書類を提出します。
  2. 登録証明機関等は、サンプルに対して特性試験と必要書類の審査を行い、製品の技術基準への適合性を判定します。
  3. 2の結果、適合していると判定された場合、登録証明機関等は認証書と認証番号を発行し、申請者に通知、総務大臣にその旨報告します。
  4. 3で報告された内容が総務省のウェブサイトにて、後日公示されます。

 

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技術基準適合証明と工事設計認証の流れ 説明画像

 

なお、携帯電話やモデム、ファックスなど、公衆回線すなわち電気通信事業者のネットワークに接続する製品には電気通信事業法の定める電気通信端末機器の技術基準適合証明もあわせて受ける必要があります(こちらについては別の機会にご説明いたします)。

ビューローベリタスは、総務省に認められた登録証明機関として技術基準適合証明と工事設計認証に係る各種試験、認証書の発行を行なっています。ご要望に応じて申請書類の作成サポートや海外メーカーとのコミュニケーションを承っているほか、お客様の社内試験所で測定した試験レポートの受け入れにも対応しております。

消費財検査部門 スマートワールド事業部

 

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