令和7年4月1日施行 建築基準法 構造耐力規定の改正
1.4号特例の対象を縮小
これまで4号特例として、階数が2以下で延べ面積が500㎡以下の木造建築物は、建築士による設計の場合、確認申請書に構造図書の添付を省略できましたが、改正後は新2号と新3号のいずれかに位置づけが変更されます。新3号はこれまでどおり構造図書の添付省略が適用されますが、新2号は添付省略が不可です。
ただし、新2号のうち構造計算を要しない木造建築物(階数2以下かつ300㎡以下、平屋かつ200㎡超300㎡以下)については、仕様表を添付することにより基礎伏図、各階伏図、小屋伏図および軸組図の添付を省略できるよう合理化が図られます(以下③で説明しますが、延べ面積が300㎡を超える木造建築物は、構造計算が義務付けられるという改正も併せて施行されます)。

2.木造建築物の壁量計算、柱の小径等に関する基準の見直し
木造建築物について、現行の令第46条第4項表2によるいわゆる「軽い屋根」「重い屋根」の区分により、必要な壁量や柱の小径を算定する基準は廃止されます。改正後、壁量計算は床面積あたりの必要壁量について各階の建築物に生じる地震力から算出する式によって、柱の小径は床の荷重によって求めることになります。
そのほか、存在壁量への準耐力壁等の算入、壁倍率の上限(5倍から7倍に)、軸組の高さが3.2mを超える場合の壁倍率の低減などの改正が施行されます。
詳細は、過去の記事「木造建築物における必要な壁量等の基準の見直しについて」をご参照ください。
3.階高の高い3階建て木造建築物等の構造計算の合理化、構造計算が必要な木造建築物の規模の引下げ
高さ13mまたは軒高9mを超える木造建築物を建築する場合、高度な構造計算(許容応力度等計算等)により、構造安全性を確認する必要がありましたが、4階建て以上または高さ16m超に見直されます。一方、2階以下の木造建築物で構造計算が必要となる規模は延べ面積500㎡超でしたが、延べ面積300㎡超に引き下げられます。

4.鉄骨造の高さ制限の合理化、構造計算ルート1-3の創設
現行では、高さ13m超または軒高9m超の鉄骨造は高度な構造計算(ルート2以上)が必要でしたが、高さ13m超または軒高9m超の鉄骨造でも、高さ16m以下等の基準を満たす場合は簡易な構造計算のひとつとして、今回創設されるルート1-3の適用が可能となります。
鉄骨造ルート1-3の基準は、高さ≦16m、階数≦3、延べ面積≦500㎡、筋かい端部等の破断防止、特定天井を有する場合は基準への適合、偏心率≦0.15、柱・梁・アンカーボルト等の急激な耐力低下の防止、Co≧0.3、ブレースの変形能に応じた応力割増し、冷間成形角形鋼管柱の地震時応力割増し、層間変形角≦1/200(Co=0.2でもよいですが、1/120までの緩和は不可)、幅厚比の制限(柱はFA、梁はFC)となります。
5.その他の改正
ほかにも、小規模伝統的木造建築物等に係る構造計算適合性判定の特例、無筋コンクリート基礎の廃止、鋼材のボルト接合の適用範囲の拡大、伝統的工法に関する基準の見直し、ルート2の構造計算を要する組積造等の規定、枠組み壁工法に関する基準の見直し、アルミニウム合金造に関する基準の見直し、軽微な変更の対象の拡大などについての改正がなされます。
詳しくは、以下国土交通省ウェブサイトに掲載の資料や動画等をご確認ください
参考:国土交通省「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について」
6.経過措置
以上の改正は令和7年4月1日に施行されますが、地階を除く階数が2以下、高さが13m以下および軒の高さが9m以下である延べ面積が300㎡以内の木造建築物については、以下の基準について新基準の円滑施行の観点から1年間、現行の基準での検証も可能とする経過措置が設けられます。
- 壁量に関する基準
- 柱の小径に関する基準
なお、両基準のうち一方を現行の基準、一方を新基準とすることはできません。また、確認申請書(第三面18.)と建築計画概要書(第二面20.)に経過措置の適用有無について、記載欄が設けられます。
経過措置は令和8年3月31日までの措置のため、新基準に適合しない建築物は令和8年4月1日に既存不適格建築物となり、以降の増改築等の工事の際に制限が生じる可能性があることに留意してください。
参考:国土交通省「建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料」
建築認証事業本部 丹波 利一
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