主要な変更点と移行のロードマップに関する実務ガイド
FSSC財団は、2026年5月1日にFSSC 22000 Version 7 を正式に発行しました。
本改訂はVersion 6以来、最も重要な変更であり、新しいISO前提条件プログラム規格、GFSI 2024ベンチマーク要件との整合、ならびにサステナビリティ、データ品質、人工知能(AI)などの新興技術に関する要求事項の強化が反映されています。
本記事では、理解すべき実務上の変更点と、円滑な移行に向けた準備ステップを解説します。
なぜVersion 7なのか
今回の改訂は、以下の5つの要因により実施されました。
- 新しいPRP規格への対応
ISO/TS 22002-x 技術仕様に代わり、ISO 22002-x:2025シリーズを採用 - GFSIとの整合
Global Food Safety Initiative(GFSI)Benchmarking Requirements v2024への適合 - サステナビリティの統合
国連の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を支援する要求事項の強化 - フードチェーンカテゴリーの明確化
より詳細かつ明確なサブカテゴリー構造の導入 - 継続的改善
業界からのフィードバックを反映した編集上の改善・明確化
主な変更点
1. 前提条件プログラム(PRP:Prerequisite Programs)規格
従来のISO/TS 22002-xに代わり、ISO 22002-x:2025シリーズの適用が求められます。
- ISO 22002-100:2025
食品・飼料・包装分野共通の基準として新規導入 - 分野別規格(ISO 22002-1、-2、-4、-5、-6)
内容が更新 - ISO 22002-7:2025
小売・卸売向けにPAS 221を置き換え
2. フードチェーンカテゴリーと適用範囲
カテゴリーはより細分化され、例えば旧カテゴリーCIVはCIV-1~CIV-6に分割されました。
3. 製品表示および版下管理
これまで包装製造業者のみが対象でしたが、
ラベルや各種印刷物を作成するすべての組織に適用されるようになりました。
4. 脅威・脆弱性評価における要求
ISO 22002-100:2025の条項16.2および16.3と連動し、以下が強化されています。
- 脅威評価
- 脆弱性評価
- 緩和計画
特に担当者の力量(コンピテンシー)がより重視されます。
5. アレルゲン管理
適用範囲が拡大され、以下が明確に含まれます。
- カテゴリーD(飼料)
- カテゴリーCのペットフード
食品製造においては引き続き重要な項目です。
6. 経営層および組織全体の関与
新たに以下の要求が追加されました。
- 経営層による十分なリソース確保
- 全従業員によるコミットメントの実証(経営層だけでなく)
7. PRP検証
PRP検証の適用範囲が拡張され、以下が対象となります。
- カテゴリーE(ケータリング)
- カテゴリーFI(小売・卸売)
8. 製品設計および開発
包装設計に関する以下の要求が新設されました。
- 食品保護
- 保存期間の維持
- 食品ロス・廃棄の最小化
- 消費者への明確な情報提供
9. 食品ロスおよび廃棄
方針・目標には以下が必須となります。
- 測定可能な目標
- 具体的な期限
単なる方針表明では不十分となります。
10. マルチサイト認証
適用対象が拡大されました。
- カテゴリーBIIIが新たに追加(従来のE・F・Gに加えて)
また、内部監査員の教育要件はISO 22002-xシリーズに更新されています。
11. 認証プロセスおよび人工知能(AI)
食品安全マネジメントにAIを利用する組織に対し、新たに以下の要求が導入されました。
- ガバナンスおよび倫理
- リスク評価
- 妥当性確認(バリデーション)
- 人による監督
- 透明性
12. 保証プラットフォームとデータ品質
FSSC Assurance Platformに提出するデータについて、以下が強化されました。
- 完全性
- 適時性
- 妥当性
- 正確性
- 一貫性
移行スケジュール
| マイルストーン | 日付 |
|---|---|
| Version 7発行 | 2026年5月1日 |
| Version 6審査の実施期限 | 2027年4月30日まで |
| Version 7移行審査期間 | 2027年5月1日~2028年4月30日 |
| Version 7のみ適用 | 2028年5月1日以降 |
組織には、2027年5月の移行審査開始までに12か月の移行期間が与えられています。
推奨される準備ステップ
- 新文書の取得
FSSC 22000 Version 7および関連附属書を入手 - ギャップ分析の実施
現行システムとVersion 7要求事項を比較 (PRP、食品ロス目標、組織文化、AI活用など重点確認) - PRP参照規格の更新
ISO/TS 22002-xからISO 22002-x:2025へ移行 - 教育・訓練の実施
内部監査員および関係者への変更点周知 - 適用範囲の見直し
フードチェーンカテゴリーおよびサブカテゴリーを認証機関と再確認 - 移行審査の計画
十分な準備期間を確保し、認証機関とスケジュール調整
参考資料
- FSSC 22000 Version 7 スキーム文書
- Version 6からVersion 7への変更点サマリー
- Version 7に関するウェビナー(近日公開)
ビューローベリタスのサポート
ビューローベリタスは認証パートナーとして、FSSC22000 Version7への移行を支援します。
- Version 7に対するギャップ分析
- スキーム改訂およびISO 22002-x:2025に関する研修(IRCA認定主任審査員研修を含む)
- 移行審査の計画支援(円滑な認証継続の確保)