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機械指令(2006/42/EC)から機械規則(EU)2023/1230へ~第2章:スケジュールと内容~
2025-03-18
前回のコラムでは、「機械指令(2006/42/EC)から機械規則(EU)2023/1230へ~第1章:変更概要~」を解説しました。
第2章では、機械規則の変更に関して、位置づけ、スケジュール、変更された内容を解説します。
EU法における“機械指令2006/42/EC”と“機械規則2023/1230/EU”の位置づけ
EUにおける法律の位置づけでは、「指令(Directive)」よりも「規則(Regulation)」が強制力をもちます(表1)。規則は、すべてのEU加盟国に直接適用され、加盟国の国内法と同じ拘束力をもち、指令は、EUから加盟国に宛てた“指令”、いわば指示のような意味合いとなります。よってEU加盟国は、各指令に基づいて国内法を制定することになります。

表1:EU法 - 第2次法の位置づけ
変更スケジュール
第1章で解説したとおり、2023年6月29日付けのEU官報にて機械指令から機械規則へ変更することを公示しました。その後のスケジュールは以下のとおりです(表2)。大きな特徴は、2023年7月19日の発効日に一斉変更ではなく、順次、運用開始となる点です。

表2:変更スケジュール予定表
変更内容
機械指令から機械規則への変更について、以下11項目のMajor changes and other contents(大きな変更内容およびその他の変更内容)をご紹介します。
■Major changes(大きな変更内容)
機会に関する法律が「指令」から「規則」へ変更となった
機械指令とは異なり、機械規則はすべてのEU加盟国に“直接、法として適用”され、加盟国で異なる規定はない
「条文」が増加し、「具体的な要求事項」が大きく増加
条文の増加:29条→54条
- 機械の製造業者、輸入業者、販売業者に対する「新しい要件」を追加
- 機械指令より「具体的な規定」を追加
「高リスク品カテゴリ規定」と「NB(Notified Body)認証(適合性モジュール)」の見直し
● 「サイバーレジリエンス法(EU Cyber Resilience Act:CRA)※」
サイバーセキュリティ要件の追加
※ 欧州連合(EU)が提案したデジタル製品のサイバーセキュリティを確保するための法律● デジタル文書化の認可
● 適合性評価手順の更新
● 市場監視(サーベイランス)の改善
● 緊急時対応手続きの導入
■Other changes(その他の変更内容)
名称変更
● 機械“指令”→機械および関連製品“規則”
● 危険“指令”→リスク“規則”
● 技術ファイル“指令”→技術文書“規則”
適用範囲の追加
適用範囲(機械/関連機器/部分完成機械の3つと定義)
● 機械:
・人、動物の力を使わず電気、⽕⼒、油圧、空圧などをエネルギーとし、
かつ駆動部分がある製品を指す● 関連製品:
・安全部品
・機械の安全関連ソフトウェア
・交換可能な装置
・揚重具(荷物を持ち上げるための機械やリフト関連)
・チェーン、ロープ、ウェンビング・取り外し可能な機会伝達装置
・安全機能を確保する人工知能(AI)を組み込んだ機械など
● 部分完成機械:
・部分完成機械とは、そのもの自体では特定の機能を実行できない組み立て品を指す
(機械、部分完成機械または装置に組み込まれ、組み立てられ機械を形成するもの)
- ロボットや製造用3Dプリンターなどの高度にデジタル化された製品を追加
- 高リスク機械(パートA等)の明確化と特定適合評価(欧州NBの関与)の特定の記述
- 製造業者の義務:具体的な要求を大幅追加
- 適合性評価手順の決定:決定方法の変更
- 必須健康&安全要件の「附属書のNo.変更」と「要件の追加」
- 「サイバーレジリエンス要求(1.1.9項)などの要件」が追加
第3章以降では、機械指令と機械規則の構造比較、機械指令と機械規則の詳細変更内容、機械の製造業者/半完成機械の製造業者の義務、などを解説します。
注)原文は英語であり、上記日本語との間に不一致がある場合は原文を優先するものとします。また、本文中の日時は現地時間です。

