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確認申請が必要な大規模の修繕・模様替えとは~申請不要なケースや注意点を解説~

2026-08-05

既存建物で大規模の修繕・模様替えを実施する場合、建物の規模や構造によっては工事前に建築確認申請が必要となることがあります。申請にあたり、建物全体が現行法に適合しているかが審査対象となるため、不適合箇所の有無を工事前に確認しておく必要があります。

物件が既存不適格だと判明した場合、原則としてリフォームと合わせて不適合箇所の是正を求められることがあるため、注意しましょう。

本記事では、確認申請が必要な大規模の修繕・模様替えについて、範囲や申請不要なケース、遵法性調査の必要性などを詳しく解説します。

確認申請が必要な大規模の修繕・大規模の模様替えとは

修繕と模様替えの違いは以下のとおりです。

  • 修繕:既存のものとおおむね同じ材料や形状、寸法のものを使って復旧すること
  • 模様替え:既存とは異なる新たな材料を使って作り直すこと

確認申請の要否を判断するうえで重要なのは、工事が「大規模」に該当するかどうかです。この場合の大規模とは、主要構造部の1種以上において、過半におよぶ修繕・模様替えを行なうことを指します。主要構造部については、建築基準法で次のように定義されています。

建築基準法第2条第1項5号

主要構造部
壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。

引用:e-Gov法令検索「建築基準法

大規模の修繕・模様替えに該当する場合、原則として建築確認申請が必要です。申請を怠ると行政指導の対象になる可能性があります。また、指導を受けたにもかかわらず是正措置を講じない場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰則の対象となるため、注意しましょう。

大規模の修繕・模様替えでも確認申請が不要なケース

大規模の修繕・模様替えを行なう場合でも、建物の構造や床面積によっては確認申請を省略できるケースがあります。

具体的には、平屋建てかつ延べ面積200㎡以下の建築物で実施する大規模の修繕・模様替えについては、確認申請が不要です。こうした建築物は、建築基準法第6条第1項3号に規定されていることから、通称「3号建築物」と呼ばれます。

ただし、3号建築物はあくまでも審査を省略できるだけであり、リフォームした部分の遵法性は当然確保する必要があります。

関連記事:用途変更や増改築時に確認申請や遵法性調査が必要なケースとは

既存不適格物件で大規模の修繕・模様替えが問題になる背景

確認申請が必要な大規模の修繕・模様替えは、特に既存不適格物件で問題になりやすい傾向にあります。本章では、その背景を解説します。

■確認申請時に求められる建物全体の現行法への適合

大規模の修繕・模様替えにともなう確認申請では、工事箇所だけでなく、リフォームする建物全体が現行法に適合しているかどうかも審査の対象となります。ここで問題になるのが、既存不適格物件であっても、あらためて現行法の内容に合わせることが求められる点です。これを「遡及適用」といいます。

既存不適格物件はそもそも、新築時は法令に則っていたものの、その後の法改正などにより、現行法の基準を満たさなくなった建築物です。既存不適格物件で大規模の修繕・模様替えを行なう場合、ケースによっては現行法に適さない部分について是正を求められる可能性があります。

既存不適格物件の大規模の修繕・模様替えには緩和措置が設けられており、必ずしも建物全体を現在の基準に合わせなければならないわけではありません。しかしながら、緩和措置の適用には一定の安全性や建築物としての独立性などが求められるため、遡及適用を受ける前提で考えたほうがよいでしょう。

■2025年の法改正による影響

既存不適格物件で大規模の修繕・模様替えが問題になりやすくなった背景には、2025年4月に施行された建築基準法改正の影響があります。この法改正により、従来大規模の修繕・模様替えにおける審査が省略されていた木造2階建ても、確認申請の対象に追加されました(4号特例の縮小)。

その結果、既存不適格の築古中古住宅の多くで、大規模リフォーム時の遡及適用への対応を求められるようになりました。改修したい箇所に加え、現行法の不適合箇所の改善が必要になることもあり、大規模リフォームやリノベーションのハードルが上がったといえるでしょう。

■再建築不可物件における改修工事のハードルの高さ

既存不適格物件のなかでも、特に注意が必要なのが「再建築不可物件」です。再建築不可物件とは、建築基準法や都市計画区域が定められる前に建てられた古い物件でみられるもので、その後の法整備や都市計画変更等により接道義務を満たさなくなり、原則として建て替えができなくなった不動産を指します。

大規模の修繕・模様替えを行なう際には原則、確認申請が必要ですが、接道義務も原則として現行法への適合が求められるため、再建築不可物件では大規模の修繕・模様替えが難しいケースが少なくありません。

ただし、用途変更を伴わず、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生上支障がないと認める場合にかぎり、接道の状態が既存不適格のままでも、大規模の修繕・模様替えを可能とする緩和措置が設けられています。緩和が認められるかどうかは特定行政庁の基準によるうえ、一定の火災対策や地震対策を講じることが求められるため、ハードルが高い場合があります。

【箇所別】大規模の修繕・模様替えに該当するかどうかの具体例

屋根や外壁、床、階段などの主要構造部をリフォームする場合、大規模の修繕・模様替えに該当する可能性があります。ここでは、おもな改修箇所別に、どのような工事が大規模の修繕・模様替えに該当するのかを紹介します。

■屋根の改修

屋根を改修する場合、瓦やスレートなど屋根の葺き材のみを新しく交換する工事であれば、大規模の修繕・模様替えには該当しません。また、既存の屋根の上から新たな屋根材を被せる「カバー工法」で施工するケースも、大規模の修繕・模様替えには該当しないとされています。

一方で、屋根を支える野地板などの下地材(構造部)を含めて修繕する場合は注意が必要です。改修範囲が屋根全体の過半以上におよぶと、大規模の修繕・模様替えに該当する可能性があります。

当初は屋根の葺き材のみを交換する予定であっても、工事開始後に下地材の劣化が見つかり、結果として屋根の過半にわたって交換が必要になるケースがあります。この場合、大規模の修繕・模様替えと判断されて確認申請が必要になることがあるため、注意しましょう。

■外壁の改修

外壁の改修でも、表面の外壁材のみを交換する場合は大規模の修繕・模様替えには該当しません。建物全体の外壁の張り替えは、工事範囲が仕上げ材の交換にとどまる場合、大規模の修繕・模様替えとは判断されにくい傾向にあります。既存の外壁材の上から、新たな仕上げ材を被せるケースも同様です。また、外壁の内側から断熱材を補充するなどの断熱改修を施す場合も、大規模の修繕・模様替えには該当しません。

一方で、外壁を構成するすべての材の改修範囲が外壁の総面積の過半を超える場合は、大規模の修繕・模様替えに該当します。外壁材の張り替えのみを予定していたものの、解体後に構造材を含めた大がかりな交換が必要と判明した場合、確認申請が必要になる可能性があるため、注意が必要です。

■床や階段の改修

床の改修でまず押さえておきたいのは、最下階(1階)の床はそもそも主要構造部に含まれないケースが多い点です。そのため、最下階の床組自体を全体的に改修したとしても、原則として大規模の修繕・模様替えには該当しないとされています。また、階層に関係なく、フローリングなどの仕上げ材の交換(重ね張りを含む)も大規模の修繕・模様替えには該当しません。

床の改修が大規模の修繕・模様替えに該当するのは、最下階以外で根太など構造部の過半を改修するケースです。

階段の場合、既存の踏み板に仕上げ材を被せる改修、総段数の半分に至らない範囲での段数などの改修は大規模の修繕・模様替えには該当しません。一方で、階段の過半を造り替えるケースなどでは大規模の修繕・模様替えに該当するため、確認申請が必要です。

■水まわりの交換やバリアフリーリフォーム

住宅の改修でよく行なわれるのが、キッチンやバス・トイレといった水まわり設備の交換です。これらの設備は主要構造部に含まれないため、新しいものに交換するだけであれば、大規模の修繕・模様替えに該当しません。また、手すりやスロープの設置といったバリアフリーリフォームも、確認申請の手続きは通常不要です。

なお、大規模の修繕・模様替えに該当せず確認申請が不要なケースでも、リフォーム後の建築物は現行法に適合していなければならないため注意しましょう。

大規模の修繕・模様替えの前に行なうべき遵法性調査と不具合箇所の是正

築年数が経過した建物では、法改正などの影響で既存不適格状態となっている可能性があります。既存不適格物件の場合、大規模の修繕・模様替えの際の確認申請で遡及適用を受け、計画段階では想定していなかった是正工事が発生するケースもあるでしょう。

そのため、大規模の修繕・模様替えを検討する際は、工事前に遵法性調査を実施し、現行法に適合していない箇所がないか確認しておくことが大切です。

また、大規模の修繕・模様替えと併せて法令上の不適合箇所や劣化・不具合箇所の是正工事を同時に行なうことで、建物の安全性を高められるだけでなく、将来的な資産価値の維持にもつながります。

工事への影響を事前にチェックするためだけでなく、建物を長く安全に使い続けるためにも、大規模の修繕・模様替えを行なう前には遵法性調査を実施しておくと安心です。

まとめ

壁、柱、床、はり、屋根または階段の主要構造部において、いずれか1種の過半にわたって改修工事を行なう場合、大規模の修繕・模様替えに該当し、原則確認申請が必要となります。2025年4月の法改正により、従来申請が省略されていた木造2階建ても申請対象となりました。確認申請では、現行法の不適合箇所の是正が求められるため、工事前に遵法性調査を実施し、不適合箇所を洗い出すことをおすすめします。

遵法性調査を実施し、大規模の修繕・模様替えと併せて不適合箇所を是正することで、現行法に適合した建物だと客観的に証明でき、資産価値を守ることにつながるでしょう。

築年数が経過した建物の大規模の修繕・模様替えを検討されている方は、ビューローベリタスの遵法性調査をご活用ください。既存建物調査の豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合わせた的確で信頼性の高い調査を実施します。

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