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BIM図面審査の本格開始(確認申請)~デジタル化がもたらす確認審査プロセスの転換~

2026-06-02

1.はじめに

建設業界において、BIM(Building Information Modeling)の活用が設計・施工・維持管理にわたり着実に拡大しています。特に、建築物の情報を3次元モデルとして一元管理するBIMは、業務効率化や品質確保の観点から重要な基盤技術と位置づけられています。

こうした背景のもと、国土交通省は建築確認申請分野へのBIM活用を推進しており、「BIM図面審査の本格運用が2026年4月より始まりました。  
本制度は単なるデジタル化ではなく、確認審査の前提を大きく変えるものになると考えます。

本記事では、BIM図面審査の概要と従来手法との違い、実務上のポイントおよび今後の展望について、図解を交えて整理します。

2.BIM図面審査の概要

2-1. 基本構成と全体像

BIM図面審査とは、従来の2次元図面のみを対象とした確認審査に対し、BIMモデル(IFCデータ)とそこから生成された図面(PDF)を併用して行う審査手法です。

BIM図面審査の基本構成

出典:国土交通省「第18回建築BIM環境整備部会 参考資料2 BIM図面審査(チラシ)」

上記図が示すとおり、本制度は以下の3要素で構成されています。

  • BIMモデル(IFC形式)
  • モデルから出力される図面(PDF)
  • 確認申請用CDE(共通データ環境)

従来の申請が図面単体で完結していたことに対し、「モデル+図面+クラウド」を前提とした審査体系への転換が最大の特徴です。

2-2. 運用と審査の考え方

BIM図面審査は、BIMデータより出力された図面を審査の対象にすることで、図面間の整合チェックを不要とする制度です。審査は図面の他に、同じBIMデータから出力されたIFCデータが参照され、構造の把握に活用できます。
また、2029年春より始まるBIMデータ審査では、IFCデータ自体が審査対象となり、さらなる審査の効率化が図られる見込みです。

出典:国土交通省「建築BIM推進会議 建築BIMの将来像と工程表(増補版)」

BIM図面審査では、単一のBIMモデルから切り出した平面図、立面図、断面図等の図面を建築確認図書として使用します。これにより、図面間等の整合性が確保され、審査の効率化(審査期間の短縮等)が期待できます。
BIMモデル(IFCデータ)は参考扱いになりますが、審査者の空間把握が容易になるほか、完了検査での利用によるさらなる効率化が期待できます。
こうしたメリットを享受するためには、入出力基準に従ったBIMモデルの作成が必要になります。

出典:一般財団法人建築行政情報センター
「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会(令和7年11月27日)説明会配付資料」

BIM図面審査は従来審査に比べ、設計ツールの制限や提出物の数は増えますが、審査の効率化・迅速化が可能となるメリットの大きい制度です。

BIM図面審査における必要書類

出典:一般財団法人建築行政情報センター
「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会(令和7年11月27日)説明会配付資料」

BIM図面審査では「確認申請用CDE」上で、関与者全員が同一のデータを参照して建築確認を行います。確認申請用CDE上に申請者、指定確認検査機関・特定行政庁、消防、構造適判機関、省エネ適判機関が参加し、同一環境のなかでやり取りが可能になります。図面やIFCデータの閲覧、補正指示などの審査業務はすべて確認申請用CDE上で実施します。

出典:一般財団法人建築行政情報センター
「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会(令和7年11月27日)説明会配付資料」

BIM図面審査における確認申請用CDE、建築行政情報センターが提供するシステム「ArchSync」です。ArchSyncでは、審査機関がサイトという審査環境をもち、フォルダごとに関連メンバーを招待して審査を実施します。
消防機関についても審査機関がプロジェクト内に作成した消防同意用のフォルダに招待され、審査を行います。

参考:ArchSyncへの参加表明をしている特定行政庁・消防機関一覧

出典:一般財団法人建築行政情報センター
「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会(令和7年11月27日)説明会配付資料」

3. BIM図面審査のメリット

■図面の他に、BIMデータ(IFCデータ)が閲覧でき、建物形状の伝達がスムーズに

出典:一般財団法人建築行政情報センター
「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会(令和7年11月27日)説明会配付資料」

■審査が電子化されることで手間やコスト削減が期待でき、多様な働き方(フレックスタイム制や在宅勤務など)への対応が可能

出典:一般財団法人建築行政情報センター
「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会(令和7年11月27日)説明会配付資料」

■確認申請用CDE上のPDFビューワ機能でPDFを表示し、マークアップでの指摘や差分チェックによる図面の変更点把握が可能に

出典:一般財団法人建築行政情報センター
「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会(令和7年11月27日)説明会配付資料」

4. 申請・審査フロー

ビューローベリタスジャパンにおいては、ビューローベリタスジャパンにて運用している電子申請受付システム「Libra」と確認申請用CDE「ArchSync」の併用利用となります。

BIM図面審査のフロー

出典:一般財団法人建築行政情報センター
「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会(令和7年11月27日)説明会配付資料」

申請者(建築主/設計者)は、まずLibra上でBIM図面審査の希望を審査員に伝え、審査員が申請者をArchSyncに招待することから始まります。

出典:国土交通省「BIM図面審査 申請・審査マニュアル(初版 令和8年3月24日版)」

■確認申請用CDE上での基本的な流れ

  1. BIMモデル作成(基準適合)
  2. IFC・PDF図面出力
  3. CDEへアップロード(申請)
  4. 審査・指摘対応
  5. 適合判定・確認済証交付

5.今後の展開 2026年以降

国土交通省は段階的な展開を想定しています。

  • 2026年:BIM図面審査(図面主体)
  • 2029年:BIMデータ審査(モデル主体)

※現在は移行期(過渡期)に位置づけられる

出典:国土交通省 「建築分野のDX政策に関する最近の動向(令和6年4月17日)」

将来的には、自動法規チェックやAI審査支援、維持管理情報との連携、といった高度活用が見込まれています。

6. まとめ

BIM図面審査の本格開始は、建築確認申請における重要な転換点です。従来の図面中心の審査から、データ中心の審査へと移行することで、効率性と精度の両立が可能となります。

一方で、その実現には以下が不可欠です

  • BIMモデル品質の確保
  • 標準化への適合
  • CDE運用の確立

ビューローベリタスは、この変革に対応し、第三者検査機関としての知見を活かしながら、今後の審査品質向上に貢献してまいります。

 

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