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ISO 22716(化粧品GMP)最新動向と認証審査のポイント

2026-02-03

はじめに

品質保証は企業価値を左右する重要な要素です。化粧品業界では、国内外で規制強化や市場拡大が進み、競争が激化するなか、品質管理の重要性は一層高まっています。特に、国際的な信頼性を確保するためにISO 22716(化粧品GMP)認証を取得する企業が増加しています。

本記事では、最新の業界動向とISO 22716の特徴、さらに認証審査で押さえるべきポイントを解説します。

業界動向:規制強化と市場トレンド

■国内規制

日本では“医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)”に基づき、化粧品製造販売業者は品質・安全管理体制の整備が義務付けられています。訪日外国人観光客は2025年に過去最多の4,268万人を記録し、日本製化粧品の需要は急増しました。さらに、男性化粧品市場の拡大やサステナブル製品への関心の高まりが、国際基準への対応を急務にしています。

■国外規制

EUの化粧品規則、米国のMoCRA(Modernization of Cosmetics Regulation Act of 2022:化粧品現代化規制法)、中国NMPA(National Medical Products Administration:国家薬品監督管理局)など、各国では規制が強化されています。このような背景から、ISO 22716認証は国内外で競争力を維持するための信頼の証として注目されています。

ISO22716とは:特徴と位置づけ

  • 化粧品GMPの国際規格
    ISO 22716は、化粧品製造における「適正製造基準(GMP:Good Manufacturing Practice)」を定めた国際規格。
  • プライベート認証
    ISO 9001などのマネジメントシステム規格とは異なり、ISO 22716はガイダンス規格であり、第三者による適合性評価(いわゆるプライベート認証/適合証明)が広く用いられている。
  • 対象範囲
    製造、品質管理、保管、輸送までをカバーし、最終消費者への安全性確保を目的としている。製造現場での手順書整備や教育訓練の記録は、審査で必ず確認される重要項目。

認証取得のメリット

  • 信頼性の向上
    GMP適合を第三者認証で証明することで、消費者や取引先への信頼性が高まる。
  • 法令遵守の裏付け
    薬機法など国内外の規制対応を強化できる。
  • 競争力の強化
    国外市場への展開やインバウンド需要への対応に有効。

審査で押さえるべき重要ポイント

  1. 文書化の徹底(必須)
    製造手順、清掃方法、教育訓練記録など詳細な文書化が必須。記録は耐久性のあるインクで残すなど、改ざん防止策が重要。
  2. 教育訓練と人材管理(重要)
    GMPに関する教育を全従業員に実施。派遣社員や外部業者への対応も手順化が求められる。
  3. ハード面の確認(要注意)
    設備の衛生管理、動線設計、廃棄物管理など。水質管理や配管の殺菌システムの有無もチェックポイント。
  4. ソフト面の運用(重要)
    委託製造や外部検査の管理手順、逸脱管理、苦情対応、回収シミュレーションの仕組みなど。これらは企業の品質文化を示す指標となる。

業界での認証取得事例

  • 充填・包装に特化した製造所
    中間バルクを受け入れて充填・包装のみを行う拠点が認証。トレーサビリティと異物管理、清掃・点検記録の整備が審査の焦点。
  • OEM/ODM(Original Equipment Manufacturing/Original Design Manufacturing)事業者
    多数のブランドを扱う受託製造企業が認証。委託契約の明確化、原料・包装材の入出庫管理、再評価手順が審査の焦点。
  • 多拠点体制
    開発拠点は対象外としつつ、製造・保管・輸送の実運用に絞って認証。拠点間の文書管理の整合性と回収シミュレーションの実効性がポイント。

今後の展望:品質保証の“次の一手”

  • デジタル化の深化
    原料・資材のバーコード/QR管理、電子記録・電子署名の活用など、ヒューマンエラー低減と監査証跡の強化が進む見込み。
  • 水系・衛生管理の高度化
    配管の殺菌性確認や環境モニタリングのルーチン化など、微生物リスク低減策が一段と重視。
  • グローバル規制との整合
    MoCRAや各国規制の更新に合わせ、ISO 22716の運用手順を見直す動きが続く可能性。
  • サプライチェーン全体での適合性
    委託製造・外部検査・物流(保管・輸送)まで含めた一体的なGMP運用が、取引先要求の標準となる展望。

まとめ

ISO 22716認証は、単なるラベルではなく、企業の品質保証体制を国際水準へと引き上げるための有効な手段です。市場競争が激化するなか、認証取得は信頼性とブランド価値を高める重要な投資といえます。今こそ、ISO 22716認証取得を戦略的に検討すべき時期です。
品質管理担当者は、文書化・教育・設備管理の3本柱を軸に、審査に備えた体制整備を進めることが求められます。

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