2026年4月開始「BIM図面審査」最新情報
国土交通省では令和元年に建築BIM推進会議を設置し、建築BIMの普及、推進について取り組んでおり、将来的には建築業界全体の生産性向上を実現すべく、BIMデータが広く活用される社会を目指しています。
2025年3月、最初の段階である「BIM図面審査」の実運用に向けて、建築基準法施行規則、建築確認等に関する指針(平成19年告示835号)が改正され、また「建築確認におけるBIM図面審査ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)」が公表されました。
また2025年夏から秋にかけて、設計者向け、確認機関向け、消防向けの具体的な「BIM図面審査」の説明会が随時開催されています。
本記事では、2025年11月時点でのBIM図面審査に関する最新情報をご紹介します。
1. BIM(Building Information Modelling)とは
BIM(Building Information Modelling)とは、コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ「建物情報モデル」を構築するシステムです。
3次元の形状情報、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建物の属性情報を登録することで、1つの3次元形状モデルで建物をわかりやすく「見える化」し、コミュニケーションや理解度を向上させ、各モデルに属性情報を付加することで、建物のライフサイクルを通じた情報利用/IoTとの連携が可能になります。

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出典:国土交通省「建築BIMの取組状況について」
■BIM活用の目指す姿
BIM活用を段階的に推し進めるために、建築確認において2026年4月から「BIM図面審査」を開始、2029年春の「BIMデータ審査」実現に向けて取り組んでいます。

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出典:国土交通省「建築BIMの取組状況について」
2. 2026年4月開始:BIM図面審査の概要
BIM図面審査は、BIMデータより出力された図面を審査の対象にすることで、図面間の整合チェックを不要とする制度です。審査は図面の他に同じBIMデータから出力されたIFC※データも参照され、構造の把握に役立てられます。
※IFC(Industry Foundation Classes):BIMの共通ファイルフォーマット
BIMデータから出力されたIFCデータとPDF形式の図書の提出により、図面間の整合チェックが不要となり、審査期間の短縮に寄与します。

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出典:国土交通省「建築BIMの取組状況について」
BIM図面審査とは、BIMデータから書き出された図書を活用した建築確認における申請および審査の方法です。
入出力基準に従い作成されたBIMデータから書き出された図書を活用することにより、図書の整合性確認を一部省略するほか、審査の参考としてIFCデータを活用することにより、建築確認のための申請・審査を効率的に行うことができます。
■BIMによる確認申請(BIM図面審査)のメリット
① 図面の作成に使用した3Dモデルを申請時に提出することで建物の形状把握が容易に
- 3Dデータを用いることで、図面だけではわかりにくい建物の形状を理解しやすくなる
- 法規上条件の厳しい箇所を特定しやすくなる
② BIMにより図面作成を行った範囲は、審査における整合性の確認を省略できる
- 図面作成の方法(入出力基準)を遵守する必要がある
- 該当する項目は設計者が申告する(申告書による)
- 申告書に基づき対象となる図面・項目は整合性確認を省略することができる
③ 3Dモデルの閲覧と、図面データの管理ができる申請・審査用のプラットフォーム(確認申請用CDE)を利用
- 3Dデータ閲覧にかかる負担(BIMソフトごとの環境を用意するコストや操作方法)が軽減される
- 図面のステータス(審査中、指摘回答待ちなど)管理や指摘事項送付機能等による効率化
確認申請用CDEとは、関与者全員が同一のデータを参照して建築確認を行うための、共通データ環境です。
指定確認検査機関、構造・省エネ適合性判定機関、消防機関が、CDE上で図面やIFCデータの閲覧、補正指示等のやり取り、消防同意事務を行います。

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
3. BIM図面審査 申請の流れ
申請者は、一定のルール(入出力基準)に従いBIMデータを作成し、これを活用してPDF形式の図書とIFCデータを書き出します。また、入出力基準に従っている旨の申告書や、その他必要な図書等を準備し、確認申請用CDEへアップロードし、確認申請を行います。
審査者は、確認申請用CDEにアップロードされた申請図書により審査※を行います。
※IFCデータは審査対象ではなく、形状理解のための参考として活用

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出典:国土交通省「BIM図面審査制度説明会」
確認済交付までの流れ

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
設計者は、入出力基準に従い入力・出力(表示・表記)を行い、書き出したデータであることを申告します。
審査者は、設計者の入出力基準への適合の申告に基づき、当該事項について整合性確認を省略することができます。

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
4. 設計者による申請準備
4-1. 入出力基準
BIM図面審査で用いる入出力基準に基づいて、設計者はBIMデータを作成する必要があります。
① BIMデータから書き出された図書の「形状」「属性」「計算」に関して、記載事項との整合性を確保するための入出力の方法に関する基準
② BIMデータを用いたPDF形式の図書およびIFCデータの書き出し方法に関する基準
<「形状」「属性」「計算」に関する基準>
- 「形状」に関する基準
BIMの機能でオブジェクトを入力し、同一のオブジェクトから複数の図で示すことで、形状の整合性を確保するための基準 - 「属性」に関する基準
BIMの機能でオブジェクトに入力した同一の属性情報を複数個所に図示することで、属性情報の整合性を確保するための基準 - 「計算」に関する基準
BIMの機能でオブジェクトの長さや領域の面積を自動で算出すること、および四則計算を自動計算し、結果を複数の図表で表示することで、計算結果の整合性を確保するとともに、表示された計算式と計算結果の整合性を確保するための基準
分野ごとの入出力基準の項目は、BIM 図面審査で用いる入出力基準を満たすよう設定された参考テンプレートが提供されています。テンプレートの使用は、入出力基準を満たすことができるものであれば、任意のテンプレートを使用することができます。
また、BIM図面審査では、確認申請図書 表現標準が定められています。共通ルールは、審査の円滑な実施や設計者の作業手間の削減等を目的に定められています。記号や略語を用いて法令で求められる部分を明示する凡例と、計画建築物の各部分で法適合を満たしていることを箇条書きにまとめた特記事項があります。
4-2. PDF図書/IFCデータ書き出し、入出力基準適合申告書
入出力基準に従ってBIMデータを作成し、PDF図書とIFCデータを書き出します。また、入出力基準適合申告書を作成します。入出力基準適合申告書は、意匠・構造・設備それぞれの分野単独でBIM 図面審査として申請することが可能です。 入出力基準に一部適合しているだけでメリットを享受することができます。

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
入出力基準適合申告書は、(第二面)で以下記載をします。
- 基準に従い作成した場合は当該図書の欄に○を、一部において基準に従い作成した場合は、当該図書の欄に△を付し、備考欄に記載
- 入出力基準の欄は基準の番号、事項、細目と同一のものとし、改変や追加は不可
- ただし、申請する図書において該当する基準項目がない場合は、当該項目の削除(行削除)が可能
プロジェクトに応じて図書名を変更したり、非該当の図面を削除したりすることは可能

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
入力例
一部CADを使って申告する場合

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
構造分野における意匠図との整合性に関しては、次のいずれかの方法により、整合性確認の省略ができます。
① 意匠モデルと構造モデルを同一ファイルとし、単一のモデルで作成する場合
② 意匠モデルと構造モデルを別のファイルとし、構造モデルを参照して意匠モデルを作成する場合
設備分野における意匠図との整合性に関しては、次のいずれかの方法により、整合性確認の省略ができます。
1) BIMソフトウェアが意匠と設備で同一の場合
①意匠モデルと設備モデルを同一ファイルとし、単一のモデルで作成する場合
②意匠モデルと設備モデルを別のファイルとし、意匠モデルを参照し設備モデルを作成する場合
2) BIMソフトウェアが意匠と設備で異なる場合
①意匠 BIM データから書き出されたデータを下図(したず)に用いて設備モデルを作成する場合
5. 申請~審査完了までの流れ
審査機関ごとに、確認申請の受付に用いるシステムが異なります。 確認申請用CDEと連携している「ICBA電子申請受付システム」を利用する場合と、「各審査機関独自の受付システム」と確認申請用CDEを連携して利用する場合が想定されています。

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
審査機関の受付システムとCDEとの連携に関するフロー図

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
BIM図面審査を利用する場合は、受付情報(1面~6面の内容)を電子申請受付システム(Libra)のフォームへ入力し、審査に必要なデータはCDEへアップロードする形を想定しています。

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出典:一般社団法人建築行政情報センター「BIM図面審査 確認申請用CDE説明会資料」
CDEでIFCデータを閲覧し、建造物の全体像を把握しながら図面を確認することができます。
6. 今後のスケジュール
2026年4月1日の「BIM図面審査」開始に向けて、12月までに審査ガイドラインや入出力基準、入出力基準適合申告書、確認申請図書表現基準、BIM図面審査マニュアルの事前公表版が発表となる予定です。
BIM図面審査の提出データは入出力基準に沿った設計が必要となるため、設計開始前の案件から申請対象の選定をする必要があります。

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国土交通省「BIM図面審査制度説明会」の資料を参考にビューローベリタスにて作成
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