連結送水管の耐圧試験の重要性・手順を解説
連結送水管は、地上7階以上の建築物や1,000㎡以上の地下街などへの設置が義務付けられている消火設備です。連結送水管を有する建築物の管理者は、有事の際に問題なく設備を活用できるよう、法律に基づき、定期的に耐圧試験を実施して結果を報告しなければなりません。滞りなく耐圧試験を実施できるよう、事前に流れを把握しておきましょう。
本記事では、連結送水管耐圧試験の概要や重要性、手順、実施時の注意点について解説します。
関連サービス:防災・防火・消防設備・消防点検報告
連結送水管とは
連結送水管は、火災時に消防ポンプ車を通じて建物外から建物の各階へ消火用の水を送り込むための重要な配管設備です。送水口、配管、放水口、バルブ類、加圧送水装置などにより構成されています。
連結送水管には、乾式(平常時は配管内が空)と湿式(常時配管内が水で満たされている)の2種類があります。11階以上の高層建物では加圧送水装置(ブースターポンプ)が設置されている点が特徴です。
連結送水管の設置が義務付けられているのは、以下の条件を一つでも満たす防火対象物です。設置場所なども消防法により細かく設定されています。
- 地上7階以上
- 地上5階以上で延べ面積が6,000㎡以上
- 地下街で延べ面積が1,000㎡以上
- 道路の用に供する部分(駐車場など)がある建築物
- 延長50m以上のアーケード
また、連結送水管に関しては平成14年7月1日から耐圧性能点検が義務付けられています。定期的な検査・報告が必須であるため、設備と検査の概要を知っておくことが重要です。
連結送水管耐圧試験の概要
消防法第17条3の3の規定に基づき、連結送水管の設置対象となる建築物の管理者は定期的に耐圧試験を実施しなければなりません。
具体的には、竣工前の消防検査にて初回の耐圧試験を実施し、10年経過後に竣工後の初回点検を実施します。初回点検以降は、3年ごとの点検が必要です。なお、通常の消防点検には耐圧試験は含まれていません。
試験では、まず避難階(通常は地上階の1階)にある送水口から動力ポンプまたはそれと同等の試験を行える機械を用いて送水。設計送水圧力の1.5倍の圧力をかけた状態を3分間保持した際における圧力低下の有無、管や管継手、バルブ類に亀裂や変形、漏水などがないかを確認します。圧力が低下した際は漏水の恐れがあるため、専門業者への調査の依頼が必要です。
検査を行うことができるのは消防設備士または消防設備点検資格者等を保有する有資格者のみとなります。
連結送水管耐圧試験の重要性
連結送水管の耐圧試験は、消防法で定められた重要な試験です。
仮に耐圧試験が実施されない状態が続いた場合、配管設備の腐食や劣化などに気付けず、有事の際大きな障害になる可能性があります。例えば火災が発生した際に連結送水管を使用できないと、消防隊による消火活動に支障をきたし、被害が拡大してしまいかねません。
実際、耐圧試験未実施のまま火災が発生した際、破損した配管が原因で送水ができずに被害が拡大したケースがあります。
耐圧試験を定期的に実施することで建物の消防安全レベルを維持できるだけでなく、火災保険の適用条件を満たすことができます。テナントや入居者からの信頼が向上し、建物の資産価値の維持にもつながるでしょう。
そのため、連結送水管の設置対象となる建築物の管理者は、法令に基づいた点検を定期的に実施して結果を管轄の消防署に点検結果報告書を提出し、記録を保存するようにしてください。
連結送水管耐圧試験の手順
連結送水管の耐圧試験は「1.現場調査」「2.試験機器の設置」「3.漏水チェック」「4.結果の記録と報告」の手順で行います。各手順を簡潔に解説します。
現場調査
耐圧試験前に目視による連結送水管の点検を行います。送水口や配管、止水弁、パッキン、放水口、設計送水圧などに異常がないかを確認し、問題なく試験が行えるか判断します。
試験機器の設置
送水口、最上部にある放水口または試験弁に計器を取り付けます。乾式の連結送水管の場合は、安全対策としてまずエアー試験を実施します。エアーが漏れている箇所が見つかった場合は、専門の業者による配管の修繕工事が必要です。
漏水チェック
エアー試験に問題がなければ、送水機器を接続して配管内に送水し、管内に水が充填されたことを確認してから圧力をかけます。規定圧力まで至ったあとに仕切弁を閉め、3分間圧力が低下しないかどうかを確認します。
結果の記録と報告
点検結果をもとに写真や計測データを含めた報告書を作成して消防署へ提出します。報告書の作成は点検業者に委託できる場合があるため、報告の手間を省きたい場合は報告書の作成も併せて依頼するとよいでしょう。
点検により問題が発見された場合は、速やかな改善が必要です。火災時の安全性を高めるためにも、専門の業者に修繕などを依頼してください。
連結送水管耐圧試験実施の際の注意点
連結送水管の耐圧試験を実施する際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。
- 試験車(ポンプ車)を駐車できるスペースを確保しておく
- 乾式の場合は水抜き栓の場所を確認しておく
- 関連点検を併せて行う
試験車(ポンプ車)を駐車できるスペースを確保しておく
試験には水圧をかけるための試験車(ポンプ車)が必要です。検査機関と相談しながら、試験車(ポンプ車)を駐車できるスペースを確保しておきましょう。
乾式の場合は水抜き栓の場所を確認しておく
乾式の連結送水管の場合、耐圧試験後に配管の水抜きが必要です。作業をスムーズに進められるよう、あらかじめ水抜き栓の場所を確認しておきましょう。
水抜き栓が地下ピットの奥や花壇内ハンドホールなど、見つかりにくい場所に設置されているケースがあります。試験当日に探すと時間がかかるため、事前に確認しておくことが重要です。
関連点検を併せて行う
連結送水管につなぐ消防用ホースは製造後10年を経過したときと、以後3年ごとの耐圧試験の実施が必要です。
消防用ホースの点検では、規定の水圧を5分間かけて圧力が低下しないか、管の変形や漏水がないかなどを確認します。場合によっては新品のホースに交換する選択肢もあるため、状況に合わせて対応しましょう。
まとめ
連結送水管は、建物の防災に欠かせない消防設備です。連結送水管の耐圧試験は法律で義務付けられており、試験を適切に実施することで火災による被害を最小限に留められ、建物の資産価値を維持できます。
ビューローベリタスでは、連結送水管を含めた消防関連点検を承っています。
ビューローベリタスジャパンが実施する防災・防火・消防設備・消防点検報告
- 防災管理点検報告制度(消防法第36条)
- 防火対象物点検報告制度(消防法第8条の2の2)
- 消防用設備点検報告制度(消防法第17条の3の3)
また、消防以外の法定点検にも包括的にご依頼いただくことで、オーナー・管理会社様の生産性の向上にもつながります。ぜひお気軽にご相談ください。
インサービス検査事業本部
【お問い合わせ】
ビューローベリタスジャパン(株) インサービス検査事業本部
TEL:0120-719-904 東京都港区新橋4-11-1 A-PLACE新橋5F
ウェブサイト
お問い合わせフォーム
【ビューローベリタスのサービス】
防災・防火・消防設備・消防点検報告