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カバー画像:casestudy 2025.10

Case Study:株式会社WiseVine(ISO27001)

行政の予算編成システムを提供するベンチャー企業が
3種の情報セキュリティ認証を一度に取得

株式会社WiseVineのロゴ

株式会社WiseVine(愛媛県松山市)

■自治体を予算編成でサポート

愛媛県松山市に本社を置く株式会社WiseVineは、「行政の予算編成」に特化したシステムを開発、提供するベンチャー企業だ。
そのパッケージには、予算編成(重点課題・枠配分・予算要求・予算査定・予算議案作成・予算分析)、執行データ管理、行政評価、決算統計といった機能がある。

これらの機能は他社が開発したシステムにも見られるが、同社のシステムには他にはない大きな特徴がある。それは「予算を管理する」だけでなく、「予算に優先順位を付けて、財源の最適配分を支援する」という機能を備えていることだ。

いま、日本の多くの自治体が人口減少や財政制約の現実を突きつけられている。その実情のなかで事業の成果を客観的に把握し、限られた資源を効果的に活用することは大きな課題となっている。

その課題に対して同社のシステムは、予算編成から執行・評価までを一貫して支援することで、業務負担を軽減するとともに、行政サービスの質向上を目指している。

業務の電子化によってペーパーレス化を進めるとともに、データ収集機能を活用して、経験や勘に頼らない、公平性や透明性の高い数字による意思決定が可能になる。
こうした点が評価され、同社のシステムはすでに全庁的な業務改革プロジェクトを進めている愛媛県に採用された。さらに、20年以上利用してきた予算編成システムを刷新し、業務の効率化や職員の負担軽減を図ることが課題となっていた沖縄県でも同社のシステムを採用し、庁内DXや働き方改革を支える基盤にするべく、2026年10月の稼働に向けて準備が進められている。

■3種を同時取得

こうした同社が3種の情報セキュリティ認証(ISO27001、ISO27017、ISO27018)を同時に取得したのは2024年12月のことだ。

3種類の情報セキュリティ認証を同時に取得することは高いハードルだが、それはある案件での入札条件を満たすための必要条件だった。

このことでも分かるように、自治体における調達要件にはISMSやISO27017の取得が推奨されている場合が多く、必須要件となっている自治体も少なからずある。

今後、日本各地の自治体に自社のシステムを導入してもらうことを目指す同社では、この機会に3種の情報セキュリティシステム認証を獲得しようという機運が高まった。

認証取得のきっかけとなった入札案件のタイミングが予定より4カ月早まったこともあり、同社では、認証機関であるビューローベリタスジャパンと綿密でタイトな取得スケジュールを検討し、実行した。

「お互いに細部にわたる綿密な調整を行った結果、3種の情報セキュリティ認証の同時取得が達成できました。それを可能にしてくれたビューローベリタスジャパンと弊社スタッフの協力にはとても感謝しています」とコーポレートITの加賀達也氏は言う。

■社内も自治体も変わる、変える!

ただし、いくら急ぐといっても審査は厳しいものだった。「自分たちが気付かなかった点に指摘を受けました。特にセキュリティに関しては、隅々に至るまでの安全性を確保しているかどうかについて再確認と、見直しをすることへの気付きを与えられました。こうした厳しく、かつ行き届いた指摘によって問題点が浮き彫りになり改善に繋がったこと、さらに今回の認証取得をきっかけに全社一丸となってセキュリティについて考えたことで、また一歩組織として纏まれたことが、取得の大きなメリットの一つでした」と加賀氏は言う。

現在も情報セキュリティの意識を社内により浸透させるために、「セキュリティクイズ」を出して回答してもらう試みをしている。「このクイズによって目覚めたり、意識を高めたりしてくれる社員もいて、結構効果的です」と加賀氏は笑う。

対外的なメリットももちろんあった。自治体(リード顧客)に対して、営業担当者が自社のシステムをすすめる際に、セキュリティに対する同社の意識を、ISMS認証を取得しているというかたちでアピールできるようになった。認証取得によって「安心感」がクライアントだけでなく営業担当者にも付与されたのだ。

同社の今後のビジョンは、このシステムを採用する自治体をどんどん増やし、予算編成を切り口に行政改革をサポートし、その自治体および行政サービスを質的に向上させていくことだ。
大げさに言えば、同社のシステムが「これからの行政と自治体を変える」かもしれない。これこそベンチャー企業の真骨頂ではないだろうか。その使命を支える一つが、3種の情報セキュリティシステムであることは間違いない。 

株式会社WiseVine

 

(2025年8月21日取材)