木造建築物における確認の特例規模縮小、仕様規定による設計の留意事項
令和7年4月1日に施行された改正建築基準法により、木造建築物における確認申請については、確認の特例となる規模が縮小されました。
本記事では、概略と構造計算を要しない木造建築物の確認申請において「審査の際特に指摘が多い事項」を整理し、ご紹介します。設計時にご留意いただくと、確認申請手続きがスムーズになりますのでぜひ最後までご覧ください。
1. 木造建築物における確認の特例規模縮小等の概略
図1の黄色の部分が木造建築物の確認の特例の対象ですが、令和7年4月1日の改正後において、かなり縮小されました。

図1(ビューローベリタスにて作成)
2. 偏心率の計算をした場合
いわゆる四分割法に代えて偏心率≦0.3の確認をした場合は、令和6年国土交通省告示第973号に定めるもの以外の構造計算のため特定木造建築物から外れ、基礎伏図等の添付省略ができません。
3. 階高が3.2mを超える場合
階高(各階の横架材の上端の相互間の垂直距離)が3.2mを超える場合は、筋かいの壁倍率の低減が必要になります(昭和56年建設省告示第1100号別表第1参照)。
また、N値計算による柱頭柱脚の引抜力の算出において高さによる割増しの考慮が必要になります(2025年版建築物の構造関係技術基準解説書p.151~154)。
4. N値計算における1階の柱の柱頭柱脚金物の仕様
N値計算により2階建ての1階部分の柱の仕様を検討する場合においては、その直上にある2階部分の柱の仕口の仕様と同等以上の仕様とする必要があります(2025年版建築物の構造関係技術基準解説書p.151)。
5. 実際の倍率が7倍を超える軸組
例えば、3.7倍の壁を両面に張った壁の倍率は、昭和56年建設省告示第1100号第2第13号の規定により7倍となりますが、四分割法または偏心率による壁の釣り合いの検証の際には、7倍とした場合と実際の倍率である7.4倍とした場合の両方の場合について検証する必要があります。
また、柱の柱頭柱脚の引抜金物の検証の際には、実際の倍率である7.4倍とした場合について検証する必要があります(2025年版建築物の構造関係技術基準解説書p.143)。
6. 経過措置
令第43条第1項の基準(柱の小径)および令第46条第4項の基準(壁量)については令和7年4月1日に改正施行されましたが、地階を除く階数が2以下、高さが13m以下および軒の高さが9m以下である延べ面積が300㎡以内の木造建築物については、新基準の円滑施行の観点から1年間、改正前の基準での検証も可能とする経過措置が設けられています。
ただし、令和8年4月1日以降の工事の着手となる場合は経過措置の対象外となりますので、新基準への適合を確認する必要が生じます。場合によっては、計画変更確認申請が必要となりますので、ご注意ください。
建築認証事業本部 丹波 利一
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