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株式会社タンガロイ外観

Case Study:株式会社タンガロイ(ISO50001)

ISO50001を指標にエネルギー課題に取り組む
東北のグローバル企業

株式会社タンガロイのロゴ

株式会社タンガロイ(福島県いわき市)

グローバル企業としての姿勢

株式会社タンガロイのいわき工場
本社/いわき工場

福島県いわき市に本社を置く株式会社タンガロイは、切削工具メーカーだ。
金属を切削するための工具や部品を製造し、取引先は自動車、航空機、石油・ガス、発電産業などの重工業メーカーを主な取引先に持つ。

そのような同社が2024年8月に新たに取得したのが、エネルギー課題に特化したマネジメントシステムISO50001認証だ。ISO50001は組織のすべての活動におけるエネルギー消費を監視・抑制するためのマネジメントシステムで、環境マネジメントシステムのISO14001と同様の構造にある。
ISO50001は国内では認証取得例がまだ少ないが、同認証を取得した背景には同社の置かれているグローバルなポジションが大きく影響している。

まず同社は、世界30ヶ国に及ぶ主要な工業国に販売・製造ネットワークを広げていること、加えて、世界15社以上の切削工具メーカーによって構成される国際企業集団「IMCグループ(International Metalworking Companies, Inc.)」の一員であるという点。大きくこの2点において、世界的に注目されているエネルギー課題に取り組む企業姿勢を見せること、そして実際にエネルギー削減に取り組むことが求められているからだ。

タンガロイ社製造の工具類
同社が製造する工具の一例

「実際、お客様からの定期調査の際、エネルギー対策、なかでも脱炭素に対する取り組みについての質問が増えているという現状があります。具体的にCO2の削減量を指定してくる場合もあり、エネルギー課題に従来よりも深く取り組むことが必要であると年々感じていました」と品質保証部環境グループの吉川展和課長は言う。
グローバル企業としての安定や成長を目指すうえで、ISO50001認証取得は必要かつ有効な企業活動だったといえるだろう。

 

ISO50001ならではの視点

同社では、早くに認証取得していたISO9001(品質)とISO14001(環境)に続き、労働安全衛生のマネジメントシステムであるISO45001とエネルギーマネジメントシステムであるISO50001の取得が検討されていた。ひと足先にISO45001の取得を済ませ、最後の課題だったISO50001の取得に取り組んだという背景もあり、担当者にも現場にも、マネジメントシステムに対する理解や取得のプロセスには一日の長があったようだ。

「特にISO14001とは同様の構造だったので、その点では準備も構築も比較的スムーズでした」と品質保証部環境グループの羽成美澄主務は言う。「ただし、エネルギー課題に特化していることによって、同じ集計データでも読み方や見方を変える必要があり、その結果、ISO14001によるマネジメントでは気付けていなかった点があることが分かりました。それは新鮮であり、勉強になりました」とも。

特に、ISO14001でも定めていた目標を、ISO50001においてはより具体的で詳細な数値目標としたり、明文化したりしなくてはならず、担当者にはそれを詰めることが求められた。
「そのため、どういう数値目標を立てるべきかを現場に取材したりもしました」(羽成主務)。すると現場は、「そういうことなら、こういうデータもある」と協力してくれたり「やるならこういう風にしたい」と提案してくれたりしたという。そうしたやり取りを通して、事務方と現場がお互いの仕事に理解を深め合えたことも、取得の貴重な副産物だったようだ。

審査においても、ISO50001ならではの指摘を受けた。
つまり、「エネルギー目標を明確にせよ」「ISO50001ならではの目標設定をせよ」という指摘だ。「エネルギー課題に特化したマネジメントシステムであるという点を重視し、意識させてくれる審査と指摘でした」と吉川課長は審査を振り返る。

社内外に生まれた認証取得効果

ISO50001認証取得後、同社にはどのような変化があったのだろう。
「社内と社外の両方において変化と効果がありました」と羽成主務は言う。
まず社内では、現場から、「何をやらなくてはいけないかがはっきりした、分かりやすくなった」という声が聞かれた。数値目標を達成するために、何をどう運用するかの考察がクリアになり、効率的に作業するための知恵や工夫が各部門から出されたという。

社外に対しては、ISO50001認証の取得の有無を聞いてくる海外の顧客(特にヨーロッパの顧客)に対しての回答がスムーズになったという。
「製品については、作るとき、使うとき、捨てるときの環境負荷に着目し、お客様のコストとCO2排出量、どちらも下げることができる高効率工具をアピールしてきました。ISO50001認証の取得と運用は作るときの負荷低減につながります。企業価値や製品の環境価値の向上を目指します」(吉川課長)。

この目標に加えて、同社ではもう一つ目指していることがある。それは複数取得している認証のより効率的な管理・維持・運用だ。そのこともあって、今回ISO50001認証の取得に際して、グローバルな認証機関であるビューローベリタスを選んだという。
ISO50001が、東北の地で「ものづくりニッポン」のチカラと姿勢を見せる同社を支える力強いツールになってほしいと思う。

旋削工具イメージ画像

 

(2025年5月28日取材)

 

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