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カバー画像(モルタル)

モルタルの浮き~原因と必要な調査~

2025-04-01

モルタルは、セメントと砂(細骨材)、水を混ぜ合わせて作られる建築材料です。外壁の仕上げや、タイルの下地などに使用され、劣化するとしばしば「浮く」現象が発生することがあります。

本記事では、モルタルが浮く原因と必要な調査を解説します。建物を所有または管理している方は、参考にしてください。

 

建物の外壁で発生するモルタルの浮き

「モルタルの浮き」とは、モルタルが下地(躯体コンクリートなど)からはがれた状態を指します。

この状態を放置すると、下の写真のようにタイルが脱落し、人身・物損事故につながる恐れがあります。過去には外壁の一部が落下し、死傷者が出たケースも報告されているため、外壁を安全な状態に保つために適切な調査と修繕が必要です。

 

モルタルが浮く3つの原因

モルタルが浮く原因には「経年劣化」「躯体のひび割れ」「施工不良」の3つが挙げられます。ここからは、この3つの原因を解説します。

◇経年劣化による浮き

風雨や日射の影響によりモルタルが経年劣化すると、接着力が低下し浮きが発生します。
また、外壁の各材料は、外気温の変化によって異なる伸縮を繰り返します。この動きが長期間続くことで、モルタルの浮きを引き起こす要因となります。

◇躯体のひび割れによる浮き

建物の躯体として使用されるコンクリートは、乾燥による収縮や地震の影響などによって、ひび割れが生じ、モルタルの浮きが発生することがあります。
躯体のひび割れによるモルタルの浮きは、特に建物の梁や柱などで発生しやすく、ひび割れとタイルの浮きが重複して生じるのが特徴です。
また、ひび割れからコンクリート内部に水が入り込むと、内部の金属部材がさびて膨張するケースが見られます。これにより、モルタルのさらなる浮きや剥落につながる恐れがあるため、ひび割れ自体にも注意が必要です。

◇施工不良による浮き

外壁の施工は手作業で行なわれるため、職人の技術によって仕上がりに差が出ます。不適切な下地処理やプライマーの未施工、施工後の管理不足などの施工不良があると、モルタルの浮きが発生しやすくなります。

 

モルタルの浮きは早期発見が重要:必要な2つの調査

外壁の調査には「外壁打診等調査」と「劣化診断調査」の2種があります。それぞれの概要を解説します。

◇外壁打診等調査(義務)

建築基準法第12条に基づき、建物の所有者または管理者には、有資格者に依頼して定期的に建築物の状況を調査・検査し、その結果を特定行政庁に報告する義務があります。この建築物の状況を確認するために実施されるのが「外壁打診等調査」です。

外壁打診等調査は、おおむね6か月から3年以内に一度の頻度で定期的に実施するよう、2008年に法制化されました。手の届く範囲の打診や双眼鏡などによる目視を行なうほか、竣工後おおむね10年ごとには全面打診も必要です。

外壁打診等調査

調査対象・不特定多数の者が利用する建築物(劇場、物販店舗など)
・自力避難困難者が就寝利用する建築物(病院、老人ホーム)
・特定行政庁が指定する建築物(共同住宅など)
調査項目・外壁、天井、防火設備、避難施設等の確認
・外壁のタイル等については、タイルの剥落の有無等を確認
調査頻度おおむね6ヵ月~3年に一度
調査範囲調査方法
手の届く範囲打診等
その他の部分双眼鏡等による目視
<落下により歩行者等に危害を加える恐れのある部分>
全面的な打診など
※おおむね10年に一度実施

参考:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について

 

ビューローベリタスでは、定期報告制度に定められた外壁打診等調査を実施しています。打診等調査の実施フローは以下、図のとおりです。

外壁打診等調査の実施フロー

外壁打診等調査の実施フロー図で解説

外壁打診等調査イメージ画像

 

◇劣化診断調査(任意)

「劣化診断調査」は、ライフサイクルコストの低減を目的とした任意の基礎調査です。目視調査に加え、機械などの設置後の経過年数や保守状況を現場で確認し、評価します。
法定点検に加えて劣化診断調査を実施することで、修繕や更新の時期を適切に判断しやすくなります。劣化に対して早めに対応することでさらなる悪化を防げれば、結果として全体の修繕費を抑えることにつながるでしょう。
ビューローベリタスが実施する劣化診断調査では、外壁だけでなく、躯体や屋上防水、鉄部塗装、シーリング、外構、電気設備なども調査しています。

 

まとめ

モルタルの浮きは、経年劣化やコンクリート躯体のひび割れなどが要因となり発生します。放置するとタイルが落下する恐れがあるため、定期的な調査と補修が不可欠です。建物の安全性を保つために、検査機関などに定期的な調査を依頼してください。
外壁打診等調査は、建築基準法に基づき建物の所有者や管理者に義務付けられています。加えて、任意の劣化診断を行なうことで、より正確に修繕や更新するべき時期を把握しやすくなります。

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