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非常用発電機の定期点検~法定点検の主な項目や周期、費用目安を解説~

2025-02-04

建物に非常用発電機を導入すれば、停電時でも電力を供給できます。いざというタイミングで正常に稼働させるには定期的な点検や保守が欠かせません。

本記事では、非常用発電機の定期点検に関する基礎知識を踏まえつつ、法定点検の主な検査項目や周期、費用目安について解説します。

 

非常用発電機の定期点検は、法令によって定められている

非常用発電機とは、何らかのトラブルで電力会社から建物への電力供給がストップした際、代わりに各種設備に電力の供給を行なう電源装置です。特に台風や地震といった自然災害が起こりやすい日本では、人命や事業を守るバックアップ電源として、重要な役割を担います。

非常用発電機を建物に導入した場合、電気主任技術者や消防設備士などの有資格者が定期的に点検・保守を行なう必要があります。これは「電気事業法」「建築基準法」「消防法」によって定められた義務です。

定期点検を怠った場合、義務違反として上記3つの法律に基づく罰則を科される可能性があります。また、緊急時にきちんと稼働しなかったり、発火や漏電による二次災害を引き起こしたりするケースも考えられます。
したがって、非常用発電機を有する建物の所有者・管理者は、法律に基づいて定期点検を確実に実施しなければなりません。

参照:
e-Gov 法令検索:電気事業法(第四十二条)
e-Gov 法令検索:建築基準法(第十二条)
e-Gov 法令検索:消防法(第十七条の三の三)

 

法律別︓非常用発電機の定期点検の内容と主な検査項目

先述したように、非常用発電機の定期点検は3つの法律に則って実施する必要があります。
ここでは定期点検の内容と主な検査項目を法律別に解説します。

 

◇電気事業法

電気事業法に基づく定期点検は、出力10kWA以上のディーゼルエンジン式非常用発電機、およびすべてのガスタービン式非常用発電機(出力を問わず)が対象です。
また、電気事業法では、常用・非常用にかかわらずすべての発電機を「電気工作物」として扱うとともに、いつでも正常に稼働できるよう、設備の維持・管理に努めることを義務付けています。

点検内容に関しては、発電機や励磁装置の外観をチェックする「月次点検」と、細かい箇所も含めてチェックする「年次点検」の2種類があります。

年次点検における主な検査項目は以下のとおりです。

  • 自動起動・自動停止の機能は正常に動作するか
  • 内部蓄電池からの漏れは発生していないか
  • 部品の接続箇所や設備と地面の設置面などに問題はないか
  • 接続と絶縁抵抗値の測定結果に問題はないか
  • 約5分間の空ぶかしによるエンジン試運転に問題はないか

電気事業法に基づく点検は、保安規程に従い、設置者が電気主任技術者の監督下で実施する。

 

◇建築基準法

建築基準法では、建築物や付帯する建築設備が常に適法かつ正常な状態を維持できるよう、所有者・管理者に対して定期点検を義務付けています。非常用発電機も建築設備の一つに含まれているため、建築基準法に基づく定期点検が欠かせません。
また、非常用発電機を通じて電力を供給する非常用の照明装置・排煙設備も検査する必要があります。

主な検査項目は、以下のとおりです。

  • 建築物・建築設備・敷地などに違法性はないか
  • 非常用発電機の蓄電池触媒栓の有効期限は切れていないか
  • 非常用発電機の蓄電池から液漏れは発生していないか
  • 非常用の照明装置・排煙設備が正常に動作するか

非常用発電機が非常用の照明装置・排煙設備と併用の場合は、電球や蛍光灯・排煙設備などを取り付けた状態で実施する必要があります。
また、点検終了後、非常用発電機や蓄電池の検査結果を記した「検査結果表」を作成し、建築設備定期検査の一部として行政に報告しなくてはなりません。

なお、建築基準法に基づく定期検査は「一級・二級建築士」「建築設備検査員」などの有資格者が実施可能です。

 

◇消防法

消防法では、同法が規定する「特定防火対象物」に該当し、延べ面積が1,000㎡以上の建物に対し、消防用設備および動力源となる発電機の定期点検を義務付けています。

※ホテルや百貨店など不特定多数の人が利用する建物、あるいは病院や幼稚園など火災発生時に避難が難しいとされる施設のこと

参照:
総務省消防庁:消防法施行令別表第1

点検内容は6ヵ月ごとに実施する「機器点検」と、1年ごとに実施する「総合点検」の2種類があります。

主な検査項目は、以下のとおりです。

  • 原動機・交流発電機など各種部品の状態に問題はないか
  • 制御装置・始動装置に問題はないか
  • 運転の際の電圧・電流・周波数・回転数などに問題はないか

なお、消防法に基づく定期点検は「自家発電設備専門技術者」「消防設備士」「消防設備点検資格者」の有資格者が実施可能です。

 

法律別:非常用発電機の定期点検の周期

非常用発電機の定期点検を実施する周期は、以下のとおりです。

種類周期
電気事業法に基づく定期点検月次点検︓1ヵ月に1回
年次点検︓1年に1回
建築基準法に基づく定期点検おおむね6か月~1年に1回
消防法に基づく定期点検機器点検︓6か月に1回
総合点検︓1年に1回(負荷試験・内部観察は特例あり)

消防法での負荷試験・内部観察に関しては、平成30年6月の法改正によって「運動性能の維持にかかる予防的な保全策が講じられている場合」のみ、点検周期が延長されて6年に1回となります。

「予防的な保全策」の主な内容は、以下のとおりです。

  • 予熱栓・点火栓・冷却水ヒーター・潤滑油プライミングポンプが設けられている場合、それぞれ1年ごとに確認
  • 冷却水・冷却水用ゴムホース・潤滑油フィルター・蓄電池などに関しては、各メーカーの推奨交換年数までに部品を交換

予防的な保全策が講じられていない場合、1年ごとに負荷試験もしくは内部観察を実施する必要があります。

 

非常用発電機の定期点検にかかる費用の目安

非常用発電機の定期点検は、特定の資格を持つ方のみが実施できます。したがって、自社に有資格者がいない場合は、専門業者に依頼するケースが一般的です。

定期点検にかかる費用は非常用発電機の容量や設置場所によって変動しますが、15~50万円程度が相場です。基本的に発電機の容量が大きい場合や負荷試験を行う場合等は、費用は高くなります。

 

まとめ

非常用発電機を導入すれば、自然災害や事故による停電が起こっても、建物への電力供給を継続できるようになります。ただし、導入後は「電気事業法」「建築基準法」「消防法」に基づく定期点検を行なわなければなりません。
定期点検を怠ると、罰則を科される恐れがあるだけではなく、設備の維持・管理にも悪影響をもたらす可能性があります。

ビューローベリタスは、経済産業省の関東東北産業保安監督部から「電気保安法人」として承認を受けています。電気事業法に基づく「電気保安点検(自家用電気工作物法定点検)」の外部委託業務を承っており、非常用発電機の定期点検に対応可能です。

非常用発電機の定期点検をご検討の際は、ビューローベリタスへご相談ください。

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