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令和6年度税制改正における住宅関係税制~住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置~

2024-10-01

2023年12月22日、子育て世帯への支援強化の必要性、現下の急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ閣議決定した令和6年度税制改正の大綱に、住宅ローン減税の制度変更等が追加されました。また、関連税制法は2024年3月28日に国会で成立し、内容が確定しました。

今回は、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置についてご紹介します。

 

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置(住宅の新築・取得)

1.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置とは

「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」とは、住宅取得者の初期負担の軽減を通じて、良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図るため、父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得または増改築等のための資金を贈与により受けた場合に、一定額までの贈与につき贈与税が非課税になる制度です。

令和6年度の税制改正において、令和5年12月で終了する予定だった、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について、以下のように改正が行われました。

① 受贈に係る適用期限を3年間(令和6年~8年)延長
② 非課税限度額が1,000万円に上乗せされる「良質な住宅」の要件の変更
新築住宅の省エネ性能要件:ZEH 水準(断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上)

※令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅または令和6年6月30日までに建築された住宅については、以前の基準(断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上)のまま

2.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の要件

非課税限度額の500万円加算の対象となり、非課税限度額が1,000万円に上乗せされる「良質な住宅」の要件については①受贈者、②家屋、③「質の高い住宅」の基準、のそれぞれの要件を満たす必要があります。

贈与年・・・2024年1月~2026年12月
非課税限度額・・・質の高い住宅:1,000万円、左記以外の住宅(一般住宅):500万円

(注)東日本大震災の被害者に適用される非課税限度額は、質の高い住宅:1,500万円、左記以外の住宅(一般住宅):1,000万円
また、床面積の上限要件(240㎡)は引き続き課せられません。

 

【受贈者に係る主な要件】

本措置を申請する受贈者は、次の要件をいずれも満たすことが必要です。

  1. 贈与時に贈与者の直系卑属であること
  2. 贈与年の1月1日において、18歳以上であること
  3. 贈与年の合計所得金額が2,000万円以下※1であること
  4. 贈与年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築※2・取得または増改築等※3をすること
  5. 贈与年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または、同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること(遅くとも同年12月31日までに居住する必要がある)

※1 床面積が40㎡以上50㎡未満の場合、1,000万円以下であること

※2 「新築」には、贈与を受けた年の翌年3月15日において屋根(その骨組みを含みます。)を有し、土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるものが含まれる

※3 「増改築等」には、贈与を受けた年の翌年3月15日において増築または改築部分の屋根(その骨組みを含む) を有し、既存の家屋と一体となって土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるものが含まれる

【家屋の要件 住宅の新築、または取得する場合】

本措置の対象となる家屋は、次の要件をいずれも満たすことが必要です。

  1. その者が主として居住の用に供する家屋であること
  2. 床面積が50㎡以上※4 240㎡以下であること
  3. 店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること

※4 合計所得金額が1,000万円以下の場合、40㎡以上

なお既存住宅を取得した場合は上記の条件に加え、以下のいずれかの条件を満たすものに限られます。

  1. 1982年1月1日以後に建築されたもの
  2. 建築後使用されたことのあるもので、地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして、以下のいずれかにより照明されたもの
  • 耐震基準適合証明書:家屋の取得の日前2年以内にその証明のための家屋の調査が終了したものに限る
  • 建設住宅性能評価書の写し:家屋の取得の日前2年以内に評価されたもので、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2または等級3であるものに限る
  • 既存住宅売買瑕疵保険付保証明書:家屋の取得の日前2年以内に締結されたものに限る

 

【「質の高い住宅」の基準等】

非課税限度額の500万円加算の対象となる「質の高い住宅」とは、次のいずれかの基準に適合する住宅であることにつき、基準に適合することを証明するために必要な書類にて、証明されたものをいいます。

新築住宅

① 断熱等性能等級5以上(結露の発生を防止する対策に関する基準を除く)かつ一次エネルギー消費量等級6以上の住宅

※令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅または令和6年6月30日までに建築された住宅は、断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上

② 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物の住宅

③ 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅

既存住宅増改築① 断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
② 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物の住宅
③ 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の建物

出典:国土交通省「令和6年度住宅税制改正概要

3.基準に適合することを証明するために必要な書類

次のいずれかの書類にて「質の高い住宅」の基準に適合していることを証明する必要があります。

新築住宅の場合※5

  • 住宅省エネルギー性能証明書※6
  • 建設住宅性能評価書の写し
  • 住宅性能証明書
  • 長期優良住宅認定通知書の写し及び住宅用家屋証明書(の写し)若しくは認定長期優良住宅建築証明書※7
  • 低炭素住宅認定通知書の写し及び住宅用家屋証明書(の写し)若しくは認定低炭素住宅建築証明書

※5 令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅(令和6年6月30日までに建築されたものを除く)で、断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上のいずれかに適合することを証明することにより、非課税限度額の500万円加算の適用を受ける場合は、上記の書類に加えて、令和5年12月31日までに建築確認を受けたことを証する確認済証の写しまたは検査済証の写しも提出する必要があります(なお、設計変更等により建築確認が複数回行われている場合は、当初の建築確認に係る確認済証を提出すれば構いません)。

※6 令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅または令和6年6月30日までに建築された住宅でない場合は、租税特別措置法施行令第26条第23項に規定するエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅の用に供する家屋(ZEH水準省エネ住宅)であることを証明するものに限ります。

※7 長期優良住宅維持保全計画の認定(建築行為なし認定)を受けた家屋を取得等する場合には、長期優良住宅認定通知書の写しのみで足ります。

ビューローベリタスジャパンでは、上記証明書のうち「住宅省エネルギー性能証明書」、「建設住宅性能評価書」、「住宅性能証明書(贈与税の非課税措置にかかる住宅性能証明書)」の発行業務を行っております。

長期優良住宅認定通知書や低炭素住宅認定通知書の写しは、各行政から認定を受ける必要があります。また認定長期優良住宅建築証明書、認定低炭素住宅建築証明書の交付業務は行っておりませんのでご注意ください。

4.確定申告時の必要書類について

本制度は、贈与税の申告書の提出期間内に贈与税の申告書および一定の添付書類を提出した場合に限り、その適用を受けることができます。税務署の案内に従って申告書等の作成してください。具体的な申請方 法は、税務署にお問い合わせください。

① 計算明細書
② 受贈者の戸籍謄本等
③ 合計所得金額を明らかにする書類
④ 登記事項証明書
⑤ 請負契約書・売買契約書の写し
⑥ 質の高い住宅の基準に適合することを証する書類

ビューローベリタスジャパンでは、贈与税の非課税措置にかかる住宅性能証明、住宅性能評価、省エネ性能を証明する書類等の発行業務を行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

営業統括部 西日本営業部 井上 卓也