新しいスマートホームに対応した標準規格Matter
世界中でスマートホーム向けにさまざまな製品が販売されており、使用する通信技術がいくつか存在しています。新しいスマートホームの標準規格Matterが定められたことにより、Bluetooth LE/Wi-Fi/Thread等の異なる通信技術を使用したスマ-トホーム製品間での相互接続が実現可能となります。
この新しいMatterの規格は、Connectivity Standards Alliance(CSA、旧ZigBee Alliance)によって管理されています。これはMatter以前、Project CHIP(Connected Home over IP)と呼ばれていたオープンソースのスマートホーム機器向け相互運用規格のワーキンググループの一つでした。
Matterは、スマートホーム機器に対して、信頼性の高い安全な接続性を保証し、現在だけでなく、将来にわたって多様な機器がシームレスに連携できる環境を目指しています。多くの大手IT企業がプロモーターメンバーに名前を連ねているMatterですが、Amazonの「Alexa」やAppleの「HomeKit」、Googleの「Google Home」、Samsungの「SmartThings」といった大手スマートホームのプラットフォームを同じテーブルに載せることは、Matterの大きな功績であるともいわれています。
Matter規格
2022年10月に、Matter規格のバージョン1.0にあたる「Matter 1.0」がリリースされ、以降続々とMatter認証デバイスが増えています。2022年11月時点で190種類だった認証済み最終製品/ソフトウェアコンポーネント/プラットフォームが、2024年4月には7,000種類を超えています。
CSAが挙げるMatterの特徴:
- シンプル:デバイス購入者は簡単に住宅をスマートホーム化
- 相互接続性:メーカに関係なく、スマートホーム製品を連携
- 信頼性:ローカルネットワークにおいても一貫した高い応答性
- セキュリティ:開発者やユーザーに対しても、堅牢で最新の安全な機器間接続
- 柔軟性:複数の異なる機器間でも、簡単な設定と操作を同時に実現
そしてMatter 1.2では以下15種類のデバイスカテゴリを規定しています。ここからMatterによりどのようなことが可能になるかをイメージできます。
- 電球および照明スイッチ
- コンセントおよびスマートプラグ
- 空調機器
- ブラインド
- センサー
- スマートロック
- メディアプレーヤー
- ブリッジ冷蔵庫
- エアコン
- 食器洗浄機
- 洗濯機
- ロボット掃除機
- 煙・一酸化炭素警報器
- 空気質センサー
- 空気清浄機
- 扇風機
Matterはソフトウェア構成のなかで、一般的なインターネットプロトコルのIPv6をベースとして、TCP/UDP上のアプリケーション層の一部に位置しています。以下がMatterを含めたレイヤー構成になります。
Matterを含めたレイヤー構成

Matterのネットワーク構成
Matterではいくつかの通信技術が使用可能になるため、例えばThreadに対応した機器がMatterのネットワークに含まれる場合、Threadのメッシュ型ネットワークトポロジーにより、複数のデバイスを介して遮蔽物を迂回することができ、広範囲なネットワーク構築が可能になります。また、今までのスマートホーム家電はインターネット接続が前提だったため、インターネットがない場所では利用できませんでした。
しかしMatterは、仕様上、インターネット接続が前提ではありませんので、インターネットが利用できない環境でもローカルエリアネットワークで動作することが可能です。
Matterのイメージ図

引用: Nordic semiconductorウェブサイト
また、Matterでは基本機能をClusterというグループに分類し、Clusterにデータや制御コマンドを紐付けています。例えば、照明はON/OFFというClusterとLevel ControlというClusterを持つことで、照明のON/OFFや明るさの変更等の機能を実装することができます。これらのClusterを元にMatterの認証試験仕様は規定されています。
Matter機器の初期登録にはMatterの特徴であるシンプルさがあります。今までのスマートホーム製品の初期設定に対し、多くのユーザーが難しさを感じていましたが、Matterではセキュリティやプライバシーを保ちつつ、シンプルにすることができます。
Matterの初期登録方法の定義:
- QRコード
- NFCタグ
- 数字入力
- 電源投入
Matterはオープンソース規格であるため、仕様を自由に参照して製品を開発することが可能ですが、Matterに準拠した製品としての認証をCSAから取得する必要があります。ビューローベリタスでは、認証試験を含めてこのMatter認証サービスを提供しています。
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