建物定期検査

特定建築物定期報告における、外壁の外装仕上げ材劣化調査について

Aug. 9 2019

定期報告を行う義務のある特定建築物の、外壁の外装仕上げ材劣化状況調査については、2008年4月に施行された「国土交通省告示第282号」に定められています。
昨今、外壁の劣化状況の調査を実施していない建物の定期報告を不受理とする特定行政庁が出てきており、お問い合わせが増加している外壁調査に関して概略を説明いたします。

外壁の外装仕上げ材劣化調査

建築基準法施行規則の改正(2008年4月1日施行) により、定期調査報告における具体的な調査項目、調査方法、および判定基準が「国土交通省告示第282号」に定められ、外壁の全面打診調査が義務付けられました。 その後、当調査について2018年5月23日に国土交通省住宅局建築指導課より、「全面打診に加え、これまで行われている赤外線調査による方法のほか、有機系接着剤張り工法による外壁タイルについては、引張接着試験により確認する方法によっても差し支えない」という技術的助言が出されました。

‐国土交通省告示第282号(抜粋)‐
建築物の定期調査報告における調査の項目、方法及び結果の判定基準並びに調査結果表を定める件 2 建築物の外部 外壁(11)外装仕上げ材等

(い)調査項目
タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く。)、モルタル等の劣化状況及び損傷の状況

(ろ)調査方法
開口隅部、水平打継部、斜壁部等のうち手の届く範囲をテストハンマーによる打診等により確認し、その他の部分は必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認し、異常が認められた場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれの部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する。ただし、竣工後、外壁改修後若しくは落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施した後10年を超え、かつ3年以内に落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する(3年以内に外壁改修等が行われることが確実である場合又は別途歩行者等の安全を確保するための対策を講じている場合を除く。)。

特定建築物定期調査報告で、10年に1度の劣化調査の対象となる外装材には、大きく3つの種類があります。
① タイル貼り(PC・ALC版に貼られる場合や工場で打込まれる場合も含む)
② 石貼り(乾式工法によるものを除く)
③ ラスモルタル(モルタル塗 一般的に20~40mm)

特定建築物定期調査報告で、10年に1度の劣化調査の対象となる外装材には、大きく3つの種類があります

出典:一般社団法人 日本建築防災協会「特定建築物定期調査業務基準(2016年改訂版)」(抜粋)

有機系接着剤張り工法による外壁タイルの劣化等の調査方法の概要

有機系接着剤張り工法による外壁タイル張り工事に用いられる有機系接着剤の劣化および損傷については、定期的に一部の外壁タイルの引張接着試験(試験機を用いて破壊の状況を確認し、引張接着強度を測定する方法)によって経年劣化の有無を調査することで、タイルの剥離、浮き等の劣化および損傷の状況を判定します。
また、有機系接着剤の経年劣化以外の原因で剥離等が生じる可能性があるため、この調査方法では、外壁タイル張り工事の下地調整塗材の塗布状況や施工状況など、外壁タイル張り工事の状況を施工記録により確認をすることが前提となります。

落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分

「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」とは、当該壁面の前面かつ当該壁面高さの概ね2分の1の水平面内に、公道、不特定または多数の人が通行する私道、構内通路、広場を有するものと定められています。
ただし、壁面直下に鉄筋コンクリート造、鉄骨造等の強固な落下物防御施設(屋根、庇等)が設置され、または植込み等により、影響角が完全にさえぎられ、災害の危険がないと判断される部分を除きます。

有機系接着剤張り工法による外壁タイルの劣化等の調査方法の概要

 

築年数や外壁改修工事等による条件

建物が竣工してから10年を超えているものについて
① 外壁改修工事を10年を超えて行なっていない場合
② 歩行者等に危害が加わるおそれのある部分の外壁全面打診調査を10年を超えて行なっていない。

上記①、②に該当する場合、3年以内に外壁の全面打診調査を行う必要があります。
※まだ築年数が浅く、全面打診調査が必要な建物に該当していない場合でも、目視確認および手の届く範囲の打診調査の結果、危険な箇所がある場合はその箇所の全面打診調査が必要になります。

ビューローベリタスの提案

ビューローベリタスでは、外壁の劣化調査業務を含めた建築基準法第12条定期報告業務、防災・消防点検報告業務、電気保安業務等の法定検査をワンストップで実施しており、建築物等の維持保全における法令適合性チェックの負担を軽減いたします。
打診調査や赤外線調査については、10年に1度の定期報告時期に関わらず、予算化のためのお見積作成もしておりますので、お気軽にご用命ください。

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インサービス検査事業本部 出井 紀代子

 


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