2010年、インスペクトレート社(本社UK、1875年創立)をAcquisitionによってビューローベリタスの一事業部門(サービスライン)に組み入れ、以降、グローバルでコモディティ事業の強化を行って参りました。 日本では、2018年1月1日、2010年より8年間運営していたインスペクトレート(シンガポール)日本支社から事業譲渡を受け、ビューローベリタスジャパン株式会社として新たに事業を展開しております。

コモディティとは何か

マーケティングの世界では「日用品のように一般化したため品質での差別化が困難となった製品やサービスのこと」を指すようですが、経済用語で調べてみると、自然の力によって作り出されるもののようです。 例えば、原油・ガスなどのエネルギー、金・銀・プラチナなどの貴金属、小麦・大豆・とうもろこしなどの穀物、銅・アルミといった非鉄金属、鉄鉱石等の鉄金属などの一次産品を示します。加えて、原油精製物やスクラップ、化学生成物、バイオ燃料等、一次産品から派生した二次産品も含まれ近年増加傾向にあります。

コモディティ取引とは

鉱物、農業、エネルギーともに19世紀半ばから現物取引が開始され、まもなく価格変動のリスクヘッジとした先物取引が始まりました。そして、21世紀、中国の急激な需要が取引の構造を変化させました。 例えば、鉱物をサプライヤーが凝縮化(銅ならば、銅精鉱 Copper concentrates)して輸送することで、輸送効率が上がり、また、長期間の輸送にも品質を低減させることなくレシーバーに届けることが可能になったのです。 こうして供給のボトルネックが発生する都度、新たな生産と取引ルートを発展させ、現在ではこれらのコモディティ取引が社会資本(インフラ)の整備及び食生活の基礎をまかなう原材料となっています。

さて、この重要な取引を支えているサプライチェーンを紹介します。

 

このチェーンに対し、ビューローベリタスは次のような付加価値を提供します。

  1. 荷揚げ、船積み立会検査
  2. 荷物及びストックヤード内にあるコモディティの品位分析のためのサンプリング及び
      サンプル調整の立会検査
  3. サンプル品位分析
  4. 触媒等製造における品質チェック立会検査
  5. インベントリーチェック(鉱物等のストックヤードでの重量もしくは在庫チェック)

     

ビューローベリタスのサービス領域

ビューローベリタス グローバルのサイト上には1年間365日、24時間体制で対応しますと記載しています。それを6分野(オイル、鉱物、石炭、鉱山探査、農業飼料肥料、その他化学生成物等)に分け、世界6つのゾーン― ヨーロッパ(UK)、北アメリカ(USA)、南アメリカ(アルゼンチン)、アジア(中国)、東ヨーロッパ(スイス)、中東(UAE) ― でカバーする体制をとっています。
日本は中国(上海にメイン事務所有り)からオペレーション指導を受け、2018年4月にオランダにある技術本部(グローバル サービス オフィス)からLTO(Licence To Operate)を取得しております。 コモディティ事業サービスラインはビューローベリタス全体の主要事業の一つです。

1.コモディティ輸出入における第三者機関の必要性

海上運送に第三者機関が必要となるケースを例に挙げます。

  • 単に荷積みした貨物がそのまま荷揚げされてレシーバーに渡ったか(量、質、湿度、大きさ)を第三者(アンパイヤー)として定性的、定量的な検査によってサプライヤーが把握する
  • サプライチェーンをコントロールしている商社にとって荷揚げの情報は必須であるため、第三者機関から情報を得てサプライヤーに伝達する
  • 荷積みと荷揚げの貨物の状態が異なった場合、サンプル分析を更なる第三者機関に依頼する
  • 事業会社が精製等したサンプルを商品化する前に品位分析するために第三者機関を利用する

基本的に殆どのコモディティは積地ファイナル(荷積のデータが優先)かつ、サプライヤーが第三者機関を決定しています。 日本の場合、品位分析依頼は国内のお客様ですが、荷揚げ検査依頼はUKにあるグローバル アカウント オフィスから届きます。

2.ビューローベリタスジャパンのサービス領域

先に紹介した業務のうち日本で実施しているものは以下のとおりです。

  • 非鉄金属、鉄金属における荷揚立会検査
  • 上記荷物の品位分析のためのサンプリング及びサンプル調整の立会検査
  • サンプル品位分析(Labへの発送のみ)
  • 触媒等製造における品質チェック立会検査
  • インベントリーチェック(鉱物等のストックヤードでの重量もしくは在庫チェック)
  • その他、各種鉱物及び生成物のサンプリング及びサンプル調整サポート
  • BV海外事務所間での荷積み、荷揚げに関する立会検査のコーディネーション(依頼主:日本企業)

 

 

3.ビューローベリタスジャパンの今後のビジネスと優位性

コモディティは種類が多く、現在は鉱物中心に展開しておりますが、オイルや農業、化学関連と進出可能な領域は幅広く分野は広がっています。加えて、ビューローベリタスジャパン内の他ビジネスライン(船級、産業事業、政府指定検査・国際貿易検査)とは船舶を利用した輸出入検査というサービスで共通しています。この優位点を活かし、より効率的なサービス提供を目指します。
さらに、ビューローベリタスグループ全体を見回すと、鉱山の探査分析、鉱区評価、冶金試験を通して、金属・鉱物のバリューチェーンへの付加価値を提供している部署や、石油・ガスにおける抽出、精製、輸送、石油化学製品への加工や売買に至るチェーンへの品質確保、リスクのサポートをしている部署や、海運、特に船舶所有会社へのサービス展開している部署などがあり、部署間の連携を通してより付加価値の高いサービスを提供してまいります。

コモディティ事業部 浅野 聖一

 


【お問い合わせ】
ビューローベリタスジャパン(株) 国際貿易検査事業本部 コモディティ事業部
TEL:06-4790-7045 FAX:06-4790-7050
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