火災報知器

住宅用火災警報器の新たな運用

Aug. 10 2017

2016年12月22日に新潟県糸魚川市において発生した大規模火災を受けて、住宅用火災警報器の設置について新たな動きが出てきています。今回はその住宅用火災警報器について記載します。

住宅用火災警報器設置義務化とその後の火災件数について

2004年6月2日「消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律」により消防法の一部改正が行なわれ、住宅用火災警報器の設置が義務化されました。これは住宅火災による死者数の急増を受けたものです。
消防法改正前の状況として、2002年中の建物火災30,282件中住宅火災は17,274件、そのうちの死者数は建物火災1,129人中住宅火災は992人でした。2017年4月25日消防庁発表の2016年中においては、建物火災20,964件中住宅火災は11,317件、そのうちの死者数は建物火災1,112人中住宅火災は879人でした。
こうして見てみると、住宅火災の件数は年々減少しており、住宅用火災警報器の設置がその大きな要因の一つであると言ってよいでしょう。

新潟県糸魚川市大規模火災の発生

住宅用火災警報器設置により住宅火災減少という結果が出ていた中、2016年12月22日に新潟県糸魚川市での大規模火災が発生しました。
10時20分頃中華料理店厨房から出火、10時35分に消防が到着し懸命な消火活動を行ないましたが、飛火により火災は拡大し、焼損棟数147棟、焼失面積約40,000㎡となり、1976年の酒田市における大火以来の市街地における大規模火災となりました。
出火原因は厨房の大型こんろの消し忘れによるものでしたが、焼失面積の大きさに比べ、負傷者数は17人、死者数が0人だったことは不幸中の幸いではありました(消防庁糸魚川市大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方に関する検討会 資料2参照)。

消防庁通達

この火災を受けて2017年6月21日付で消防庁から通達(依頼)が下記内容(概略)で出されました。
「(上記)検討会を開催した結果今般報告書が取りまとめられました。この報告書において、火災の早期覚知対策として、飲食店で火災が発生した場合、早期に覚知して近隣住民が協力して初期消火を行なうことが出来るように、連動型住宅用火災警報器を活用して小規模飲食店を含む隣接建物間で相互に火災警報を伝達する新たな方式の検証を行なう」との内容でした(消防庁通達 消防予第194号)。

新たな方式による連動型住宅用火災警報器の設置へ

そもそも住宅用火災警報器は、戸建ての住宅や自動火災報知設備の設置義務の無い規模の共同住宅などに設置され、その居室等で煙や熱を感知した場合に音声等を鳴動させ、火災の発生を知らせるもので、いわゆる単独型という形式のものが多い状況です。
これに対して連動型という形式のものもあり、火災を感知した住宅用火災警報器だけでなく、他の部屋のものも連動して鳴動するものです(消防庁 住宅用火災警報器Q&A参照)。
前述の194号通達では、更に新たな方式として、今回の糸魚川市火災の原因になったような飲食店に連動型の住宅用火災警報器を設置し、隣接する住居等にも設置することにより相互に火災警報を伝達し、早期に火災を発見して初期消火に繋げるため、協力者を募り検証事業を行なうとしています(上記194号通達 別添3参照)。

新たな方式による連動型住宅用火災警報器の設置へ

[消防庁通達 消防予第194号 別添3より引用]

ビューローベリタスの提案

消防法の基本理念は火災予防にあります(第一条)。上記のような取り組みは火災予防に資するものと言えます。思わぬ原因により火災が発生し、予想外の損害を受ける可能性はいつでも、いかなる状況でもあります。
その被害を最小限にする手段の一つとして言えるのは、適切な消防設備の維持管理です。また大事なのはそれを継続することです。
ビューローベリタスでは、消防設備点検のほか防火設備定期検査、特定建築物定期調査、建築設備定期検査、および電気保安業務を行なっています。

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インサービス検査事業本部 羽田野 真一

 


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