セクター規格
ASC飼料工場認証
2024-05-21
ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)飼料基準について
ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)飼料基準は、水産養殖が環境および社会に与える可能性のある最大の影響の一つである養殖魚用飼料の生産と供給について取り扱っています。ASC飼料基準は、今後の欧州連合の規制に鑑みて、すべての主要成分群、原料のサプライチェーン全体を通じて生じる影響を考慮した最初の基準です。これには、大豆、パーム油、海洋成分に加えて、小麦、トウモロコシ、菜種など主要な農作物がすべて含まれます。
ASC飼料基準では、飼料工場が厳格な環境的・社会的要件『社会的責任のある供給業者からの原料調達』、『環境に配慮した原材料使用』を満たすことを要求しています。飼料基準は 2021年6月15日に制定され、2023年1月14日に発効しました。
ASC認定農場は、2025年10月までに、飼料基準認定された工場からの供給飼料に変更する必要があります。生産者がASC農場基準を満たし、認証を維持するためには、この飼料供給における変更が必要です。
なぜ、より責任ある飼料が必要なのでしょうか?
- 養殖魚介類(藻類を除く)の70%以上が給餌されています
- ライフサイクル評価では、養殖生産による環境に対する影響のうち最大90%は飼料によるものである可能性があることが示されています(Little et al 2018)
- これらの影響のうち90%以上は、森林伐採、土地転換、漁業管理、農業慣行などにより、飼料原料の生産と収穫中に発生します
- 2020年には、 世界中で5,800万人以上が漁業と水産養殖に従事しました(FAO SOFIAレポート2022)
ASC認定の飼料工場は、次の5分野にわたって良い影響があることを実証
未来の飼料: ASCの飼料に対するビジョン
水産養殖は、世界で最も急速に成長しているタンパク源です。私たちの使命は、サプライチェーン全体で価値を生み出す効率的な市場メカニズムによって、より環境責任・社会的責任のある慣行に向けてこの分野を変革することです。
重要なポイントのひとつは、この成長をサポートするために、責任をもって調達された飼料を十分に確保できるようにすることです。飼料基準は、すべての飼料成分による人や地球に対する影響リスク評価、飼料サプライチェーンのベストプラクティス認知によって、世界中のより責任ある水産養殖実践に貢献します。
飼料成分は、原料の種類、場所、生産方法によって、環境や社会に異なる影響を与える可能性があります。
[例]
- 大豆:森林破壊リスクと土地転用リスク可能性
- その他植物原料:生態系の転換リスク可能性
- 魚粉・魚油:限りある資源の枯渇リスク可能性
リスク評価は、飼料に使用される原料の大部分(含有率1%超)に対して実施されます。
認証取得: 飼料工場
飼料を慎重に生産していることを示します。ASC飼料基準認証取得プロジェクトを開始する方法は、下図のとおりです。
- ASC飼料基準は2023年1月に発効しました。認証取得サイトは、ASC農場基準への適合性継続のために、2025年10月までにASC飼料基準に基づいて生産されたASC準拠飼料に移行する必要があります。
ビューローベリタスが選ばれる理由
ビューローベリタスは、多くの種(類)と飼料の生産に対してASC農場認証を取得しているサイトや、責任ある水産業界関係者と共有した専門知識と経験則をふまえて、さまざまなASC飼料認証に関するベネフィットをご提案します。
ビューローベリタスは、その監査プロセスと、社会的責任、食品安全、品質コンプライアンスなどの複数分野の専門家ネットワークにより、ステークホルダーが持続可能性にコミットするために、最適なパートナーとしてサポートします。
ビューローベリタスは、食品の持続可能性にフォーカスし、食品業界が、現在のニーズを満たすだけでなく将来世代のニーズを満たし、より健康な地球へ貢献できる未来の形成を支えています。企業が地球規模の課題に対して重要な役割を果たし、各々の分野で、持続可能性への責務をイノベーションとリーダーシップの機会に変えられるようにします。