QA/QC

見えないリスクを可視化する~サプライチェーン品質保証の最新ソリューション~

2026-01-21

EPCプロジェクトにおけるサプライチェーン課題の実態

EPC(Engineering:設計、Procurement:調達、Construction:建設)プロジェクトは、エンジニアリング、調達、建設の三つの段階が時系列に沿って進行します。各段階が進むにつれて、関係者間で共有されるデータや情報が次第に分散・複雑化し、プロジェクト全体の可視性が著しく低下するという構造的な課題を抱えています。

ビューローベリタスが複数のお客様から聴取した実態調査によれば、以下の課題が共通して指摘されています:

  • サプライヤーの選定・評価の困難性
    複数の候補企業から最適なサプライヤーを選定する際に、客観的な判断基準が不足し、意思決定が困難になるケースが多発している。
  • プロセス進捗の可視化の難しさ
    プロジェクト開始後、複数国からの並行調達により、進捗状況の一元的な把握が困難になる。特に調達時期がずれ、さらに多様な国から調達が行われる場合、その後の建設段階との連携が複雑化する。
  • 出荷前検査の人員確保
    検査体制の構築において、必要な人的リソースの確保が制約となり、品質検査の実施が困難になるケースが生じている。
  • 横断的な連携の不足
    エンジニアリング、調達、建設の各部門間、さらには複数国の拠点間での情報共有と連携が十分に機能していない。

これらの課題は、サプライチェーン全体の品質管理体制が確立されていないことに起因しています。

予防的品質管理に基づくサプライチェーン品質保証サービス

なぜサプライチェーンの品質管理が重要なのか、その根本的な理由は、「予防的品質管理が事後対応よりも優れている」という原則にあります。

品質不良が発生した場合、社内的には補修や手直しに伴う多大なコストが発生します。一方、社会的レベルでは、顧客への賠償責任の発生、顧客からの信頼喪失による受注機会の喪失、保証期間の延長要求など、企業の経営基盤を揺るがす事態に発展する可能性があります。これに対し、事前に良質なサプライチェーン品質管理体制を構築することで、これらのコストと リスクを未然に防ぐことができるのです。

ビューローベリタスのサプライチェーン品質保証サービスは、プロジェクトライフサイクルの全段階をカバーします:

  • 調達前段階
    サプライヤーの適格性評価、技術資料のデューデリジェンス、HSE(安全衛生環境)体制の監査を実施。
  • 製造段階
    従来の代行検査(ショップインスペクション)に加え、スケジュール管理の監視、サプライチェーンのトレーサビリティ確保、ESGパフォーマンスの確認を実施。これにより、品質基準への適合性を継続的に確保しながら、プロジェクトがオンスケジュールで進行していることを保証。
  • 納入・運用段階
    海上輸送中の検査(マリンワランティサーベイ)、継続的なHSE監査、品質基準への最終確認を行い、納入後も安全性と品質を維持。

当社の人材管理体制は、これらのサービス提供を支える基盤となっています。人材の選定、トレーニング、資格認定、モニタリング、監督を組織的に実施し、月次の力量評価会議を開催して検査員の継続的な改善を図っています。また、製品カテゴリー、分野、市場、セクターごとに人材をマッピングすることで、お客様のニーズに最適な検査員を配置する体制を整えています。

グローバルで統一された品質保証体制

ビューローベリタスは、世界140か国1,600以上の拠点を展開し、84,000名以上の従業員を擁する、試験・検査・認証のグローバルリーダーです。

当社の事業ポートフォリオは、建築・インフラ関連、産業事業関連、農林・食品関連、ISO等認証事業、船級等、多岐にわたっています。地理的には、ヨーロッパが35%、アジアが28%、アメリカが27%とそれぞれ大きな比率を占め、世界中でサービスを展開しています。

ビューローベリタスの最大の強みは、世界中に配置した3,500名以上の検査員・審査員の力量管理にあります。本社部門が各国の検査員の力量評価データを一元管理し、同一基準で評価することで、地域による品質のばらつきをなくしています。すべての報告書は二段階のレビューを経てお客様に提供される仕組みとなっており、140か国のどの国から調達する場合でも、統一された基準に基づいた一定以上の力量を持つ検査員・審査員の派遣が可能です。

グローバルサプライチェーン管理の実践的アプローチ

実際のプロジェクト運営では、複数国での並行調達が一般的です。例えば、A国、B国、C国などの複数国から同時期に調達が行われ、その後に建設段階が開始されるという複雑な状況が生じます。

ビューローベリタスは各国にオペレーティングオフィスを設置しており、お客様が当社に品質管理体制を一括委託した場合、各国のオペレーティングオフィスに対して統一された仕様で注文書を発行することで、各国での検査・監督を実施できます。国ごとに実施内容は異なりますが、ショップインスペクション、サプライチェーン・トレーサビリティ確保、HSE監査、ESGパフォーマンス確認、マリンワランティサーベイなど、必要なサービスを提供します。

さらに、調達開始前の技術的助言として、対象国ごとの注意点、技術監査、バンカビリティ監査、デューデリジェンス、HSE監査などの事前調査も提供可能です。

このように、ビューローベリタスのグローバルネットワークと統一された品質管理体制を活用することで、世界中からの複雑な調達情報を整理し、プロジェクト全体の可視性を確保することができるのです。

デジタルプラットフォーム「Supply-Q」によるサプライチェーン可視化と最適化

ビューローベリタスが提供する「Supply-Q」は、サプライチェーン全体のデータを一元管理・可視化するプラットフォームです。お客様と事前に設定した検査基準・品質基準に基づき、工場別・国別に現場から構造化された検査データを収集し、一つのプラットフォームで集計することで、お客様のどの部署からも同じデータが閲覧可能になります。

  • データガバナンスの適用
    設計段階から統一されたデータ管理ルールを適用し、現場検査データを構造化して取得。
  • 高度な分析機能
    プロジェクト全体の洞察とサプライチェーン全体の傾向に関する分析を実施。例えば、特定の発注先が特定国で出荷した製品の品質不適合発生率が高いといった、多角的な分析が可能。
  • ベンチマーク比較
    同類プロジェクトとの比較により、業界標準や他プロジェクトの傾向を把握できる。ビューローベリタスのデータベースに蓄積された同類プロジェクトの情報を活用することで、現在のプロジェクトの位置づけを客観的に評価することができる。
  • 傾向に基づく改善提案
    データ分析結果に基づいて、サプライチェーン品質監視プロセスの改善提案を実施し、継続的な品質向上を実現。

まとめ

複雑化するグローバルサプライチェーンにおいて、見えないリスクを可視化することは、プロジェクト成功の必須要件です。ビューローベリタスの包括的なサプライチェーン品質保証サービスと、デジタルプラットフォーム「Supply-Q」を活用することで、調達前から納入後までの全段階にわたる統一された品質管理が実現できます。予防的品質管理の実践を通じて、コスト削減と信頼構築を同時に達成し、プロジェクトの確実な成功をもたらすことが、ビューローベリタスの使命です。

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