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MSC 110(第110回 海上安全委員会)主な審議内容について

2025-07-22

2025年6月18日から27日にかけて、MSC 110(第110回 海上安全委員会)が開催され、SDC 11、SSE 11、CCC 10にて決議された内容を中心に審議されました。中心議題のひとつであったIGCコードの全面改正については、さらに複数の修正提案があったため採択は留保され、次回CCC小委員会での再検討が指示されました。改正IGCコードについては今後、MSC 111および112での承認・採択を目指し、発効予定は2028年7月に延期されました。

その他の主な審議内容は以下のとおりです。

<採択された主な内容>

1. SOLAS条約関連

1.1- 条約の改正(2028年1月1日発効)

  • 第II-2章 11規則(構造の保全性)字句の修正
  • 第V/23章(パイロット移乗設備と関連証書)全面改正 - 早期適用奨励

1.2- パイロット移乗設備の性能基準(2028年1月1日発効) - 早期適用奨励

  • パイロット移乗設備の設計・製造・取付・点検保守・訓練・検査に関する項目を含む

1.3- 非常曳航装置関連ガイドライン

  • 非常曳航装置の暫定ガイドライン(タンカーを除く)
  • MSC.1/Circ.1175/Rev.2 - 船上の曳航および係船設備に関する改正されたガイドライン
  • MSC.1/Circ.1255/Rev.1 - 非常用曳航手順書準備のためのガイドライン

1.4- 統一解釈

  • PFOSを含む消火剤の使用および貯蔵の禁止に関する統一解釈(2026年1月1日発効)
  • 2026年1月1日以前に設置され、有効な検査等の証明書を持たない既存揚貨設備に関する統一解釈

2. IMSBC(国際海上固体ばら積み貨物)コード関連

2.1- コードの改正:08-25版(2027年1月1日発効、ただし2026年1月1日以降の早期適用も可能)

  • ばら積み貨物ごとの個別スケジュール(新規追加11貨物、既存スケジュール修正10貨物)
  • 関連サーキュラーのアップデート
  • 9.3.3貨物隔離表のアップデート

2.2- 関連ガイドライン

  • MSC.1/Circ.1264/Rev.1 -貨物倉の燻蒸に使用される殺虫剤の安全使用に関する勧告
  • MSC.1/Circ.1395/Rev.7 -固定式ガス消火装置が免除される、または効果がないと考えられる固体ばら積み貨物のリスト

3. その他

3.1- 国際満載喫水線条約

  • 第25規則(乗組員の保護)の改正

3.2- LSAコード

  • 第4章:自由降下式救命艇で離脱装置の進水を伴わない試験の要件(新造船・既存船とも2031年1月1日より適用予定)
  • 第6章:救助艇の進水における“manual hoisting”に関する統一解釈

3.3- FSSコード

  • 第9章:煙・熱の両方を感知する火災探知器の設置間隔に関する統一解釈(2026年1月1日発効)

3.4- 2011年ESPコードの改正

  • 遠隔検査技術の使用

3.5- IPコード(第IV部、規則2)の改正

  • 復原性計算で参照する乗船人員の重量(75kg→90kg)

3.6- 1994年および2000年HSC(高速船)コードの改正(2028年1月1日発効)

  • 幼児用ライフジャケットの搭載義務および大人用ライフジャケット補助具の据え付け義務
  • 証書に幼児用ライフジャケット搭載数およびパイロット移乗設備に関する項目追加
  • PFOSを含む消火剤の使用および貯蔵の禁止に関する統一解釈案(2026年1月1日発効)

3.7- 2008年SPS(特殊目的船)コードの改正(2028年1月1日発効)

  • 証書にパイロット移乗設備に関する項目追加

<継続審議中の重要テーマ>

1. MASS(自動運航船)コード

2026年5月に作業終了することを目指し、非強制のコード策定作業が進んでいる。策定作業はほぼ終了しているが、定義、オーバーライド、オペレーションなどの章がまだ残っている。この非強制コードが採択され、その後のいくつかのプロジェクトの知見を集積する時期(Experience Building Phase)を経て、次は強制コードの策定作業を進める。強制コードについては2030年7月に承認、2032年1月までの発効を目指している。

2. GHG排出削減に向けた新技術及び代替燃料に関する安全規則の枠組み作り

新燃料・新技術の採用に向けて51の障壁とギャップを特定し、小委員会ごとの作業計画を設定。暫定ガイドラインの準備および条約・コードの改正を進める。

3. サイバーセキュリティ

船舶および港湾をカバーした非強制のサイバーセキュリティコードを策定する。まずは関係国に提案などを求め、2026年のMSC 112からコード策定を開始することを決定。

MSC 110 議事録はこちら(以下URLをリンク)

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