2025年4月7日~11日、MEPC 83(第83回海洋環境保護委員会)が開催されました。
MEPC 83議事録は下記をご覧ください。
83rd session|MARINE ENVIRONMENT PROTECTION COMMITTEE|SUMMARY REPORT
ビューローベリタスが4月16日に開催したMEPC 83審議内容についてのウェビナー録画は、下記よりご視聴できます。
Key outcomes of MEPC 83: the new face of sustainable shipping?(英語)
主要テーマの進展については以下のとおりです。
GHG排出削減のための中期対策について:
GHG排出ネットゼロを目指すIMOの枠組みは、MARPOL附属書VI(船舶からの大気汚染防止)第5章に新たに含まれる予定です。GHG排出量への課金は最終版から削除され合意に至らなかったものの、統合メカニズムとしての経済的アプローチが承認され、2027年3月の発効に向け、今年10月に行われる臨時MEPC会合において正式に採択される見通しとなりました。
採択される見通しの規則案では、2035年までのGHG削減に向けたアプローチとして、well-to-wake手法を用いて計算された2028年から2035年までの年間使用燃料のGFIすなわちGHG強度(GHG Fuel Intensity)の削減率(%)が定められました。GFIは燃料消費量(MJ)あたりのCO2相当排出量(g)で示され、2008年の参考値は93.3gCO2eq/MJです。5,000総トン以上の国際航海をする船舶は、年々増加するGFI削減率への対応が求められます。定められた削減率を達成できない場合、IMOネットゼロ基金への負担金拠出などの対策が求められます。
削減率は①“Direct Compliance Target”(いわゆる「基準値」)および②“Base Target”(いわゆる「規制値」)の二段階で定められ、①は②より意欲的な値が設定されています。たとえば2028年の②は2008年比で4%ですが、同年の①は17%とされています。さらに①を達成できない船舶はTier 1、②を達成できない船舶はTier 2に分類され、それぞれに異なる経済的アプローチが課されます。規則案では、Tier 1船にGHG排出トンあたり100ドルの負担金の支払い、Tier 2船にはGHG排出トンあたり380ドルの負担金の支払いが課されます。ただしTier 2船には負担金の支払いに替え、①を達成した他船の適合余剰部分を融通してもらうことも認められています。
詳細はMEPC83議事録のアイテム7ー“Reduction of GHG emissions from ships”をご参照ください。
その他の主な審議内容は以下のとおりです。
採択された内容:
- 既存エンジンの大規模改造に関する認証と、排ガス試験方案の内容に関する指針案をMEPC Circularとして発行するNOxテクニカルコード2008の改正
- 複数のエンジン運転プロファイル(MEOPs)の使用に関するMARPOL附属書VIおよびNOxテクニカルコード2008の改正
- SCRガイドラインに関するNOxテクニカルコード2008の改正
- 2021年CII削減率に関するガイドライン、G3の改正
- 船舶エネルギー効率管理計画(SEEMP)の作成に関する2024年ガイドラインの改正
- テストベッドおよび船上における舶用ディーゼルエンジンからのCO2以外のGHG(メタンおよび/または一酸化二窒素)排出測定に関するガイドライン
- 2022年エネルギー効率設計指標(EEDI)の検査および認証に関するガイドラインの改正
承認された内容:
- IMO DCSデータベースへのアクセスに関するMARPOL附属書VI規則27の改正(匿名化規定のさらなる強化)
- GHG排出削減のための短期対策レビューの第2フェーズに関する作業計画案
- 北東大西洋をSOx、NOx、PM排出規制海域(ECA)として追加
- 船舶の船底付着生物除去に関する指針および関連MEPCサーキュラー案(新規議題として義務化の検討)
- 従来船によるバイオ燃料とMARPOL附属書I貨物の混合物の運搬に関する暫定指針MEPCサーキュラー案(バイオ燃料30%まで)
- 船舶由来海洋プラスチックごみ対策2025年行動計画案および継続的行動の再グループ化
審議継続中の内容:
- バラスト水管理条約の見直し。条約附属書(規則および付録)の改正案とBWMSコードの最終化を目指すコレスポンデンスグループの再設置。MEPC 84での承認を目標とする。
- OCCS(船上CO2回収・貯蔵装置)の使用に関する規制枠組みの開発に関する作業計画案。