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MSC 109(第109回海上安全委員会)主な審議内容について

2024-12-23

2024年12月2日から6日にかけて、MSC 109(第109回海上安全委員会)が開催されました。主な審議内容は以下のとおりです。

MSC 109議事録
Maritime Safety Committee 109th Session(MSC 109)Summary Report(英語)

 

<MSC 109で採択された主な内容>

  • IGCコード改正(2026年7月1日発効)
    ・第16章(貨物の燃料としての使用)16.9の全面改正が行われ、毒性貨物を燃料として使用する際の要件が定められた。
    なお、上記改正についてはMSC.1/Circ.1565に基づき自主的な早期導入を定めるサーキュラーも承認され、早期導入が推奨されている。
  • IGFコード改正(2028年1月1日発効)
    ・燃料タンク底部の下にサクションウェル(突出可能なウェル深さはIGCコードと同等)を設置してもよい。(新5.3.3.5.1)
    ・5.3.3.1で要求される、船側と燃料タンクの距離の代替え案としてfcnを計算する際、ベースラインからの距離Hはポンプウェルを除いてよい。(改5.3.4.2)
    ・圧力逃し弁からの排出は、燃料タンクまたは液体検知装置を備えたベントシステムに導くことが義務付けられた。(新7.3.1.4)
    ・圧力逃し弁からの排出を燃料タンクに戻す場合には、入口に逆止弁を設ける、またメンテナンス作業中に燃料タンクを安全に隔離できる手段を設けることが義務付けられた。(改9.4.2)
    ・A-60基準と同等の防熱がなされていると認められた場合、A-60以外の仕切りであってもよい。(改11.3.2)
    ・オイルまたはケミカルタンカーが居住区の前方に燃料タンクを設置する場合、SOLASで要求されるA-60防熱が11.3.2で要求される防熱と考えてよい。ただし、居住区保護は要検討。(新11.3.2.1)
    ・燃料タンクからガス放出源がないと考えうる場合(例:タンクコネクションスペース内でタンクと接続するType Cタンク)A-60防熱は要求されない。(新11.3.2.3)
    ・コファダムの代わりに要求される最小距離900㎜は、真空断熱タンクの場合、外側のシェルからA-60防熱までの距離とする。(改11.3.3)
    ・危険区画の定義修正およびガス拡散分析を行った場合の緩和要件が定められた。(改12.5.2.3、新12.5.2.4、新12.5.3.3)
    ・閉囲された危険場所への空気取入要件が改正された。(改13.3.5)
    ・より低い危険区画を通過する気密通風ダクトが完全に溶接されている場合、負圧保持要件が免除された。(新13.3.8)

 

<MSC 109で承認され、次回MSC 110での採択が予定される主な内容>

  • SOLAS改正
    II-1章 A部およびG部における、ガス燃料に対するIGFコードの適用を明確にするための改正
  • IGCコード関連
    CCC 10で決議されたIGCコード1~5章、8~13章、15~19章の改正:外圧に対する座屈基準などタイプCタンク強度要件、貨物配管要件、積み付け制限、ESD要件など
  • IGFコード関連
    CCC 10で決議された「アンモニアを燃料として使用する船舶の安全性に関する暫定ガイドライン」

 

<MSC 109で承認された統一解釈>

  • SOLAS
    ・II-1章/26規則:単一の不可欠な推進機関用部品に関する統一解釈
    ・II-2章/4.5.6.1規則:タンカーの貨物/蒸気配管およびガスフリー配管/ダクトに関する統一解釈
    ・II-2章/11.4.1規則:A類機関区域天井の定義に関する統一解釈
    ・II-2章/4.5.3.2.2規則および11.6.3.2規則:貨物タンクの二次通気手段に関する統一解釈
    ・II-2章/9.7.5.1規則:既存統一解釈への規則言及見落としを修正
    ・III章/20.8.4規則および20.11規則:III章20.11およびMSC.402(96)が膨脹型救助艇へも適用される旨を追加統一解釈
  • IBCコード
    3.1.2規則、3.1.4規則および3.5.3規則:貨物/蒸気配管およびガスフリー配管/ダクトに関する統一解釈

 

<その他の討議内容>

  • 目標指向型新造船構造基準(GBS)
    ・IACS Rec.34/Rev.2「標準波データ」に関するGBS監査チームの勧告を承認。
    ・IACSは2025年中にCSRの更なる議論を深め、2026年の採択を目指す。新しいCSRの発効は2028年と予想される。
  • 自律航行船に関する規則(MASSコード)
    ・非強制のMASSコードの一部が合意に至った。
    ・非強制のMASSコードについて2026年5月のMSC 111での採択を目指すことが合意された。
  • GHG排出量削減のための新技術や代替燃料の使用
    ・再生可能燃料の物理特性に関する情報を標準フォーマットで記録することが合意された。
    ・交換可能なコンテナ型リチウムイオン電池を新技術カテゴリに追加し、この技術に関連する11の既存要件とのギャップを特定した。
    ・既存要件とのギャップの解消に関連するタスクの優先順位付けの基準が作成され、MSC 110で承認を得るために提出予定。
  • サイバーリスクマネジメント
    現サイバーリスクマネジメントに関するガイドラインの改正案(MSC-FAL.1/Circ.3/Rev.3)が承認された。次回MSC会議ではサイバーセキュリティを強化するため船舶および港湾へのサイバー脅威に対する対策が議論される見通し。
  • IMOにおける総合安全性評価(FSA)
    改訂FSAガイドライン(MSC-MEPC.2/Circ.12/Rev.2)の修正案が承認された。
  • A3海域を航行する船舶のGMDSS要件明確化
    二重化されたMF/HF無線設備がプライマリMF無線としても機能できるかどうかの懸念について、単一のMF/HF無線設備が両方の目的に使用できることを確認、COMSAR.1/Circ.32/Rev.2の2.3の表の脚注6を改訂するよう指示。

 

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