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MEPC82(第82回海洋環境保護委員会)主な審議内容

2024-11-01

9月30日から10月4日にかけて、MEPC82(第82回 海洋環境保護委員会)が開催されました。主な審議内容は以下のとおりです。
またその他の主な審議内容は以下よりダウンロードできます。
Marine Environment Protection Committee 82nd session(MEPC 82)Summary Report(英語)

<採択された内容>

  • 新設の排出量規制海域(ECA)

    ・カナダ北極海をNOx、SoxおよびPM(粒子状物質)の排出量規制海域に指定(2026年3月1日適用開始)
    ・ノルウェー海をNOxおよびSOxの排出量規制海域に指定(2026年3月1日適用開始)
    ※NOx Tier IIIの適用時期に関しては、上記の報告書をダウンロードの上、3/13頁を参照ください。
  • IMO DCSとCIIのデータ報告書式の改訂(SEEMPガイドライン Appendix 3)

    ・MARPOL条約Annex VI, Appendix IXの改正と改正2022 年版 SEEMP ガイドラインに合わせて、データ報告書式(SEEMPガイドライン Appendix 3)の改正
  • 生態系保全への配慮が必要な地域(PSSA)の指定

    ・ロンボク海峡(インドネシア)のヌサ・ペニダ島とギリ・ペニダ島をPSSAに指定

 

<承認された内容>

  • バラスト水管理条約関連

    ・(BWM.2/Circ.43/Rev.2)バラスト水処理装置の型式承認プロセスについての主管庁向けガイダンスの改正:バラスト水処理装置を設計変更した場合の承認プロセスの調和について
    ・(BWM.2/Circ.80/Rev.1)バラスト水の記録と報告についてのガイダンスの改正:バラスト水処理装置が正常に作動しない水質(CWQ)で操業する場合のバラスト水記録簿への記録方法について
  • 大気汚染防止関連
    -MARPOL条約 Annex VI 第18.1規則の改正

    ・港での燃料油の利用可能性について、バイオ燃料に関してもGISISで報告するよう改正

    -NOx Technical code 2008の改正

    ・エンジンのテストサイクルの明確化を含む複数の運転モードおよび、大幅な改造を行ったエンジンの認証に関して改正
    ・排ガス試験方案に関する新規ガイダンスの発行(方案は試験の事前に主管庁の同意を得る必要がある)
  • IMO DCSの見直し作業

    ・(MEPC.1/Circ.913)前回の会合で採択されたMARPOL条約Annex VIのAppendix IXの改正(2025年8月適用開始)を2025年1月1日から早期に適用する旗国の船舶は、2025年1月1日までにSEEMPを改訂・検証し、2025年通年および以降、詳細なデータを収集することを求めたガイダンスを承認
    ・(MEPC.1/Circ.914)MARPOL条約Annex VIの26.2規則より、SEEMP PART IIにデータ収集および報告方法を記述することが義務となり、併せて関連するサーキュラーを改正(MEPC.1/Circ.876は廃止)
  • 水中放射騒音(URN)の低減

    ・(MEPC.1/Circ.906/Rev.1)商業海運からの水中放射騒音低減に関するガイドラインの改正:管理計画の参照チャートを差し込み
    ・経験蓄積期間(EPB)におけるURN削減作業は2026年まで延長
  • PPR11からの提出

    ・(MEPC.1/Circ.590/Rev.1)タンク洗浄添加剤についてのガイダンスノートおよび報告フォームを改定
    ・(MEPC.1/Circ.915)北極海における重油の使用または輸送のリスクを低減させるための緩和措置に関するガイドライン案
  • 香港条約

    ・(HKSRC.2/Circ.1)船舶解体のための越境移動に対して、香港条約およびバーゼル条約の暫定実施ガイダンス草案

 

<その他の討議内容>

  • バラスト水管理条約関連
    -管理条約の見直し作業

    ・管理されていない、または部分的に管理されたバラスト水と沈殿物の公海への排出が認められる場合について
    ・バラスト水処理装置の効率的なメンテナンス手順について
    ・バラスト水処理装置のデータログと書き出しファイルの標準化
    ・バラスト水処理装置の試験パラメータ、試験水の条件、その他の試験の条件について
    ・更新検査中のバラスト排出水の分析方法について
  • エネルギー効率
    -CII燃費実績格付け制度の見直し作業

    ・2026年までの見直しは、2027年から2030年の間に適用する削減係数の合意および軽微な修正とする
    ・2026年以降の見直しは、CII評価の結果やGHG削減計画の中期的措置を踏まえて検討する
    -IMO DCSの見直し作業
    ・燃料消費量データに対する、残油およびスラッジの補正の影響を最小にするための計測方法について
    ・より広範な関係者に対するIMO DCSデータへのアクセス拡大について
  • 中長期のGHG削減計画

    ・MEPC83までに2回の作業部会を設け、MEPC 83で中期対策の承認を目指す
    ・GHG排出量の算定方法、課金額の設定水準、未達成船への融通の是非、途上国への支援や優遇措置の是非などが争点
    ・LCAガイドラインの実用化については作業部会ISWG-GHG 18で検討
  • IMOによる第5次GHG調査の方法

    ・2018年から2024年の年間GHG排出量の推定値を算出
    ・これまでのTank-to-Wakeベースでの排出量の算出ではなく、Well-to-Wakeベースでの算出を検討
    ・船舶ベースと航海ベースの算出方法を使用
  • 船舶からの海洋プラスチックごみに対処するための行動計画の進捗案をPPR12で検討
  • NOx規制Tier IIおよびTier III適合船から実際には想定されていたよりもNOxが多く排出されるケースの対応について検討を開始
  • 2023年版有害物質インベントリ(IHM)作成のためのガイドラインにおけるシブトリンの閾値についてPPR12で検討

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