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MSC 108(第108回海上安全委員会)主な審議内容

2024-06-13

5月15日から24日にかけて、MSC 108(第108回海上安全委員会)が開催されました。主な審議内容は以下のとおりです。
またその他の主な審議内容は下記よりダウンロードできます。

MARITIME SAFETY COMMITTEE 108TH SESSION(英語)

<MSC108で採択された内容>

●各条約の主な改正

○SOLAS条約

MSC.549(108)第II-1章第3-4規則新規則:20,000GT以上のタンカーを除く全ての船舶に対し、非常用曳航設備を設置2028年1月1日適用
MSC.550(108)第II-2章第4規則2.1.9規則を新設:供給及び使用する燃料油は船舶、機器、人員に害を与えないものであること2026年1月1日適用
 第II-2章第7規則5.5規則の改正:貨物船のすべての制御場所および貨物制御室に固定式火災探知警報装置を設置2026年1月1日適用
 第II-2章第20規則

RO-RO旅客船の火災安全要件の大幅な変更および追加

  • 個別識別可能な固定式火災探知警報装置の設置
  • ビデオモニタリングの設置
  • 各甲板に要求される耐火性要件
  • 開口部の配置
  • 暴露甲板において、車両積載可能な配置および消火設備(放水モニター)の設置

2026年1月1日適用

  • ビデオモニタリングの設置は、既存船にも適用すること(2028年1月1日以降の最初の検査まで)
  • 車両積載する暴露甲板に対する消火設備(放水モニター)は既存船にも適用すること
 第V章第31、32規則海上でコンテナを紛失した場合や漂流コンテナを発見した場合の報告を義務化2026年1月1日適用

○IGFコード

MSC.551(108)第A-1章全体液化天然ガスを燃料として使用する船舶に関する要件の改正(前回MSC 107で提出された改正案の承認)2026年1月1日適用

○Grainコード

MSC.552(108) 復原性要件について積載条件を踏まえて計算するが、その積載条件に“貨物艙開口部まで部分積載され、トリムされていない積載状態”を追加2026年1月1日適用

○2011ESPコード

MSC.553(108)Annex B part A, Bばら積み貨物船および油タンカーの船体構造の板厚測定に従事するサービスサプライヤーの認証手順において、旗国がサービスサプライヤーを承認または監査する権利を有する2026年1月1日適用

○LSAコード

MSC.554(108)第II章2.2.1大人用ライフジャケットの水中性能試験の際、水中でうつぶせになった人が、口だけでなく鼻も一定時間内に水面以上になるよう反転すること2026年1月1日適用
 第IV章4.4.7救命艇または救助艇の進水用として単一のつり索およびフックが使われる場合も、4.4.7.6.8に規定された偶発的な離脱を防ぐための安全要件が適用される(適用日以降に搭載または製造される品に適用)2026年1月1日適用
 第VI章6.1.2救命艇および救助艇の降下速度は計算により求められるが、少なくとも毎秒1.0m以上とする2026年1月1日適用

○FSSコード

MSC.555(108)第7, 9章

SOLAS条約のRO-RO旅客船の火災安全要件の改正と追加にともなう本コードの改正

  • 車両積載する暴露甲板に対する消火設備(放水モニター)の要件を追加
  • 固定式火災探知警報装置の設置要件および制御要件の改正
2026年1月1日適用

○IMDGコード

MSC.556(108)3.2章
7.4章および7.6章
第42-24改正
-3.2章:危険物リストに新たに記載された物質(リチウムイオン電池駆動の車両、リチウム金属電池駆動の車両、ナトリウムイオン電池駆動の車両、ほか)
-7.4章および7.6章:リチウム電池エネルギー貯蔵キャビネットの収納および分離に関する要件の改正
-起源の異なる“CARBON”の分類に関する特別条項を追加
2026年1月1日適用

○その他の要求事項

MSC.557(108)MSC.215(82)の改正全船のバラストタンクやばら積み船の二重船側内の塗装検査員の資格の名称を変更2026年1月1日適用
MSC.558(108)MSC.288(87)の改正原油タンカーの貨物油タンクの塗装検査員の資格の名称を変更2026年1月1日適用
MSC.559(108)MSC.402(96)の改正救命艇の検査や運転試験、修理に関する要求事項に、MSC107で採択された全閉囲型救命艇に対する換気要件を反映2026年1月1日適用
MSC.530(106)Rev.1MSC.530(106)の改正ECDISの性能基準に関する規定
船舶の航路図のデジタルでの交換の導入
2024年5月24日適用
(2029年1月1日以降に設置される機器)
MSC.565(108)MSC.420(97)の改正液化水素の運搬に関する暫定勧告の改正:貨物格納システム(真空断熱システム、または断熱空間に断熱材と水素ガスを用いるシステム)の種類に基づき構成2024年5月24日適用

<承認された内容>

●統一解釈

MSC.1/Circ.1456/Rev.1
  • SOLAS第II-2/7.5.5規則およびFSSコード、FTPコードへの統一解釈;
    固定式火災探知警報装置の設置要件に関するSOLAS5.5規則の改正に伴う改正
MSC.1/Circ.1572/Rev.2
  • SOLAS第II-1/25規則および第XII/12規則への統一解釈;
    (MSC.188(79)/Rev.2)に伴う水位検知警報装置についての性能基準の改正
  • SOLAS第I-1/3-6規則への統一解釈;
    ばら積み貨物船および油タンカーにおける貨物エリアへの進入手段およびエリア内での通行手段に関し、検査間隔の統一、検査記録の義務化
MSC.1/Circ.1680
  • SOLAS第XV/5.1規則およびIPコードPart1/3.5項への統一解釈;
    SOLAS条約とIPコード間で安全証書の有効期限、検査日、裏書日を調和
MSC.1/Circ.1509/Rev.1
  • 船内騒音コードへの統一解釈;
    騒音計の較正と較正器に関し、同コード(MSC.337(91))の2.1および2.2の解釈
MSC.1/Circ.1511/Rev.1
  • SOLAS第II-2/9および13規則への統一解釈;
    機関区域から操舵機室へ向かう脱出経路も「安全な位置」とみなす

●ガイドライン

MSC-MEPC.2/Circ.18MARPOL Annex VI およびSOLAS chapter II-2に適合する燃料油のサンプリング方法のガイドラインを策定
MSC.1/Circ.1599/Rev.3
MSC.1/Circ.1622/Rev.1

高マンガンオーステナイト鋼タンクにアンモニアを積載することに関して

  • 極低温輸送のための高マンガンオーステナイト鋼の適用に関するガイドライン(MSC.1/Cir.1599/Rev.2)を改定
  • 液化ガスばら積み船または低引火燃料を使用する船舶における極低温輸送のための代替金属材料に関するガイドライン(MSC.1/Cir.1622)の改定
MSC.1/Circ.1679LPG貨物を燃料として使用する場合に関する暫定ガイドライン
MSC.1/Circ.1212/Rev.2

代替設計および代替措置に関するガイドラインの改定案

  • SOLASII-1章 パートC(機関)、パートD(電気設備)、パートE(定期的に無人となるスペース)の目標、機能要件および期待される性能を決定
MSC-FAL.1/Circ.3/Rev.3

船上におけるサイバーセキュリティの管理に関するガイドラインの改定案

  • 新しい定義
  • 「効果的なサイバーリスク管理」と「リスク管理フレームワーク」の各段階の定義を強化
  • 「サイバー回復力のあるセキュリティ機能」の組み込み
  • 既存の業界標準への追加参照(サイバー回復力に関するIACS UR E26およびE27)
  • 上級管理職および従業員に対するサイバーセキュリティトレーニングに関する推奨事項を明確化
  • サイバーインシデントを報告および記録するための推奨事項を明確化

<その他の討議内容>

  • 自律航行船に関する規則(MASSコード)の開発
    -非強制のMASSコードのドラフト案を策定中:考慮すべき事項の一覧については本議事録P4を参照
    -非強制のMASSコードは2025年5月の採択を目指す
    -その後、強制MASSコードへの移行は2030年7月の採択を目指す
  • 新技術や代替燃料を使用して船舶からのGHG排出量削減を支援するための安全に関する規制の枠組みの開発
    -新技術や代替燃料のリスト化とリスクの評価、代替燃料や新技術の導入に対する障壁や既存の要件とのギャップの検討などを目的とする
    -指摘された問題点の一覧については本議事録P5を参照

 

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