ADR/RIDに基づくTank-Containerの水圧検査
ADR/RID
危険物の国際輸送については国連の専門機関により国際ルールが定められており、危険物輸送容器であるUN Portable Tank、IBC、MEGC、Tank-Container等を運用するうえでの一般的な規定のほか、デザイン・製造・試験・検査について細かく規定されています。
- IMDG Code(International Maritime Dangerous Goods Code):国際海上危険物規程
- ADR(Agreement Concerning the International Carriage of Dangerous Goods by Road):欧州危険物国際道路輸送協定
- RID(Regulations Concerning the International Carriage of Dangerous Goods by Rail):欧州危険物国際鉄道輸送規則
IMDG Codeには、陸上輸送限定のTank-Containerは含まれていませんが、代表的な輸送容器であるUN Portable Tankは、国際複合輸送容器として、海上輸送、陸上輸送共に認められています。
ADRおよびRIDにも、IMDG Codeと同様に(チャプター 6.7、以下IMDG/ADR/RID 6.7にて)、国際複合輸送容器としてUN portable Tankが含まれていますが、陸上輸送に限定したTank-Containerの 要求事項が別途(チャプター6.8、以下ADR/RID 6.8にて)定められています。

日本はADR/RIDの締約国ではないため、ADR/RID 6.8のTank-containerとしてのみ承認されているタンクは流通していませんが、IMDG/ADR/RID 6.7のUN Portable TankおよびADR/RID 6.8のTank-containerとして二重承認されているタンクは、多く流通しています。
今記事では、上記の二重承認されているタンク、特にADR/RID 6.8 Tank-Containerとしての5年定期検査時の水圧検査での注意事項について説明します。
ADR/RID 6.8 Tank-Containerの水圧検査
試験圧力・保持時間は、IMDG/ADR/RID 6.7のUN Portable Tankと同じです。
データプレートに表示されている試験圧力にて、タンクシェルとタンクシェルに恒久的に取り付けられている機器の耐圧試験を行いますが、一般的に試験圧力は液体・個体タンク(T1-T23)がMAWP(最大許容動作圧力)の1.5倍(MAWPが4 barの場合は6 bar)、液化ガスタンク(T50)ではMAWPの1.3倍です。
試験圧力の状態で15分以上、インシュレーションのあるタンクでは30分以上保持されることを確認します。
注意点は、水圧検査に使用される圧力計の精度等級(Accuracy)です。
UN Portable Tankの水圧検査では、精度等級2%以下(一般的に1.5%から2.0%)の圧力計が使用されていますが、ADR/RID 6.8ではEN 12972(European Standard 12972, Tanks for transport of dangerous goods - Testing, inspection and marking of metallic tanks)に規定されている測定器を使用することが要求されており、水圧検査に使用される圧力計の精度等級は1%以下となっています(下記参照)。

ADRの締約国は、ヨーロッパ各国、旧ソビエト連邦の各国およびアフリカ・南米の一部の国々に限られます(2022年4月現在)。
RIDの締約国は、ヨーロッパ各国およびアフリカ・中東の一部の国々に限られます(2022年7月現在)。
IMDG/ADR/RID 6.7のUN Portable Tankとしてのみ承認されている場合、ADR/RIDの締約国外での水圧検査の圧力計の精度等級は2%以下でも問題ありません。
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産業事業本部 椎葉 拓二郎
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