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WELL Building Standard評価項目の設定内容 ~水~

WELL Building Standard評価項目の設定内容 ~水~

2022年4月のBV MAGAZINEではWELL認証についてのコンセプトおよび評価項目「Air(空気)」について内容を確認しました。
今回は評価項目「Water(水)」について構成内容を見てみましょう。

目次

最終更新日:2023-07-05

WELL評価項目とポイント(点数)

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WELL v2 評価項目

 

評価項目「Water(水)」のコンセプト

評価項目「Water(水)」では、建物内の液体水の品質、分配、および制御の側面を取り扱います。評価項目には、飲料水の利用可用性および汚染物質の閾値に対処する機能、ならびに建材や環境条件への損傷を回避するための水の管理を目的とした項目が含まれています。
WELL では、水質の認識に加えて、インフラストラクチャの設計と運用改善をすることで、建物のユーザーの適切な水分補給率を高め、汚染された水と建物内の過剰な湿気のような健康リスクを軽減し、適切な衛生状況を提供することを目的としています。

評価項目の設計

Water(水)は8項目から構成されています。

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Water(水)は8項目から構成されています

 

評価設定内容

具体的に「W01:WATER QUALITY INDICATORS(水質指標)」について評価内容を見てみましょう。
評価内容は「目的」、「要約」、「問題」および「解決策」について記載されています。
以下にそれぞれの内容を示します。

■目的
テストしやすいパラメーターを通じて、人間が接触する水の品質を検証します。

■要約
WELL 評価項目は、建物の居住者と接触する可能性のあるすべての水について、濁度および大腸菌群の閾値を満たす水を提供し、オンサイトテストを使用して性能を検証する必要があります。

■問題
ほとんどの都市の給水システムでは、安全で完全な水を生産および供給するための広範な処理システムを使用しています。総大腸菌群と濁度の2つのパラメーターは、これらのシステムの有効性を評価するために一般的に使用されます。2つのパラメーターを評価することで、懸念される他の汚染物質の存在の可能性を簡単にテストできるため、「指標」として使用されることが知られています。大腸菌は環境中に自然に存在し、一般に無害と見なされています。しかし、一部の大腸菌群は糞便汚染に関連しており、摂取すると病気を引き起こす可能性があります。
濁度は水の濁りの尺度であり、それ自体健康上の懸念を構成するものではありませんが、粒子状汚染物質の存在、および水処理プロセスの問題に関連し、濁度の高い水は、審美的な懸念を提起するとともに、水処理技術の効果を低下させる可能性があります。

■解決策
水のろ過は濁りを減らすことができ、装置の種類によっては、バクテリアや汚染物質を捕捉することもあります。水の混濁度が低い場合は、使用時に紫外線(UV)光を使用して消毒すると、大腸菌群や病原性微生物を殺すことにのみ効果的である可能性があります。

 

水質指標の検証:すべてのスペース

プロジェクトに提供され、人間との接触を目的とした水(例:飲用、調理と食器洗い、手洗い、シャワーまたは入浴)は以下の閾値を満たす必要があります。


a.混濁度が1.0NTU、FTU、またはFNU(それぞれ、比濁分析の濁度、ホルマジンの濁度、またはホルマジンの比濁単位)以下である。

b.大腸菌群は100mLのサンプルで検出されないこと。

今回、10のコンセプトのうち「Water(水)」について解説いたしました。
残りのコンセプトについては、今後、技術監査事業部のコラムにてご紹介します。

技術監査事業部 佐々木 輝


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