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消費財

メルコスール(南米共同市場)の繊維製品のラベル表示に関する新しい技術的規制

2019-02-12

メルコスールはメルコスール技術規則の繊維製品のラベル表示についての決議を承認し、これまでのラベル表示法(GMC No. 33/07)を廃止すると発表しました。 この決議は2019年6月15日までにメルコスールの国々(*)の法令に組み込まれます。

(*)メルコスール(Mercosur、南米共同市場)は、アルゼンチン・ブラジル・パラグアイ・ウルグアイの4カ国を含みます。
合わせて約2億6千万人の人口と2兆4千億ドルのGDPを持つ、南米有数のマーケットです。日本との貿易も近年活発化しており、2018年5月に日亜経済合同安全委員会(日本商工会議所・アルゼンチン商工会議所)、7月に日本ブラジル経済合同委員会(日本経済団体連合会・ブラジル全国工業連盟)がそれぞれ会合を持ち、日本メルコスールEPA交渉の早期開始を求める報告書を採択しました。
(一般社団法人 日本経済団体連合会 報告書より)

今回の決議の要約は、以下のとおりです。

メルコスールの参加国で販売する繊維製品に対して、表示が必須となるラベル内情報

A. 消費国で登録された名称、商号、商標のうちいずれかと、国内メーカーもしくは輸入者(もしくは独占的に商標や社名を使用する者や商標を使用するライセンスを保持している者すべて)の納税者番号

B. 原産国名の前に、以下のいずれかの文言がなければならない
- "Hecho en" (Made in:~で作られた)
- "Fabricado en"(Manufactured in:~で製造された)
- “Industria”(industry:工業)
経済的ブロックの指定や国旗の表示は受け入れられません。

C. 繊維や糸の材質名、全体の組成割合を示した内容も表示する。(繊維・糸の材質の一般名称は、技術規制の附属書Aに記載があります。)

・「純粋な製品」や「繊維が単一の材質(100%)」と表示されている場合、許容範囲として最大2%までの差異は避けられない混合として許容されます。混合繊維(1種類以上が混合されている繊維)の場合は、許容範囲は各繊維それぞれに対して3%です。許容範囲は、ラベルに記載されている割合と組成分析による結果の差分で表されます。

・繊維の混合率が5%を下回る場合は、その繊維は“OTHER FIBER(その他繊維)”もしくは“OTHER FIBERS(その他繊維)”とパーセンテージ情報のすぐ前に表示してもよいとされています。

・2箇所以上に異なる素材が含まれている繊維製品には、部位ごとの組成もラベル表示しなくてはなりません。

・サポート・補強材・芯地・綴じおよび結合糸・みみ・ラベル・アップリケ・縁・刺繍がある端・ボタン・ポケット・肩パッド・詰め物・ゴム・飾り・非伸縮性テープは、組成ラベルに表示する必要はありません。

・2つもしくはそれ以上の繊維製品が1つのセットとして販売されている場合で、かつすべてが同じ組成の製品である場合は、必須表示はセットのうち1つだけに記載があればいいとされます。

D. 洗濯表示

・洗濯表示はNM ISO 3758: 2013に従ったものでなければなりません。シンボルもしくは文字、もしくはその両方で表示する必要があります。必ず含まれなくてはならない情報は、①洗い方、②漂白剤、③乾燥方法、④アイロン方法、⑤クリーニングにおける取り扱い方法です。これらは上記の順序で記載しなければなりません。

・洗濯表示は16平方ミリメートル以上の正方形に収まるサイズで、ばらつきがないように同じ大きさと色で、読みやすく明瞭に記載されなくてはなりません。洗濯表示シンボルに“×”(バツ印)がついた追加表示は、表示される繊維製品に対して実施が禁止されるものに使用されます(例:②漂白剤のシンボルの上に×がある場合は、漂白剤使用禁止という意味)。×のついた洗濯表示シンボルには大きさの指定はありませんが、洗濯表示のサイズの目安となる正方形に干渉しないようにしなければなりません。

※2016年12月1日から施行された日本のJIS L 0001も同じ国際規格(ISO3758)に準じているため、現在日本で表示されている洗濯表示と同じシンボルを今後はメルコスールも使用することとなります。

E. サイズもしくは寸法、製品に合った適切なものを選択

【追記】

・記載が義務とされる表示情報は、ラベル・印刷・シールなどに記載されますが、恒久的に印刷内容が固定されていて消えないような仕様でなければなりません。

・製品自体とそのパッケージの両方に表示する必須情報の字体(レタリング)は、色や大きさが均一で読みやすく、見やすく、消えないようなものでなければなりません。文字の大きさは、高さが2ミリメートルかそれ以上でなければなりません。

・ラベル表示は、記載されている他言語を害さないよう配慮しつつ、消費される国で使用されている現地言語でも記載しなければなりません。

・規制の附属書Aに、“製品の繊維と糸の指定名称と解説”のリストがあります。(全57種類の繊維と糸に関する記述)

・規制の附属書Bに、“規制範囲に含まれない製品”がリストされています。(例:おむつ・髪留め・ピンクッション・家具・履物・おもちゃなど60種類の繊維製品)

規制詳細 全文:MERCOSUR/GMC/RES. Nº 62/18 (スペイン語)

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消費財検査部門 坂倉 晴子

 


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