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消費財

米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、子供用折りたたみ椅子とスツールの安全基準を連邦公報にて発表しました

2018-02-13

2017年12月8日、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、子供用折りたたみ椅子およびスツールの安全基準、16 CER 1232を承認する決定を下しました。最終規則は、2017年12月15日に連邦公報にて発行されました。この最終規則は、2018年6月15日から施行される予定で、この日付以降に製造された、もしくは米国へ輸入された製品に適用されます。

今回の最終規則が定義する子供用折りたたみ椅子またはスツールは、サポートなしに座ったり、降りたりできる子供が一人用として使用することが想定された椅子で、座面の高さが15インチもしくはそれ以下のもの、ロッキング機能のある、なしに関わらず移動もしくは収納のために折りたたむことができる製品です。

背景 

2008年8月14日に発足した消費者製品安全改善法(CPSIA)の第104条(b)は、1)子供用の消費者製品の自主的な安全基準を効果的に検査、評価すること、2)子供用の消費者製品の安全基準を世間に知らしめることをCPSCに要求しています。これは、Danny Keysar児童用製品安全通知法の内容を反映しています。 第104条のもとで発行された基準は、適用される自主的基準と“実質上同じであるべき”もしくは製品によって発生する怪我のリスクをより下げるのに自主的基準が不十分であるとCPSCが結論付けた場合は、更に厳しい基準が適用されます。

CPSCは今回の子供用折りたたみ椅子及びスツールの安全基準を、CPSIAの 第104条(b)の指示に対する対策として発行しました。この基準は強制基準であり、いままでの自主的基準とは違い、義務となります。
これまであった自主的基準の中からCPSCが最終規則に採用したのは、最も新しい基準で米国材料試験協会(ASTM)が作成したASTM F2613-17a“子供用折りたたみ椅子及びスツールの消費者安全基準”です。

ASTM F2613-17a 

ASTM F2613-17aは2017年10月に発表された基準で、提案規則作成公示(a notice of proposed rulemaking (NPR))で議題となった問題に取り組むために強化された自主的基準です。その要求内容は、折りたたみ部分のパーツやかんぬき、または固定機能や蝶番を動かした際に、倒壊や裂傷、または挟み込みの事故を起こさないように設定されています。

ASTM F2613-17aは、製品に伴う警告表示は下記の文言を含まなければならないとしています。

  • 完全にロックされていないと、椅子が折りたたまれたり、倒れてしまうことがあります。可動パーツ部分で子供が指を切断する可能性があります。(Chair can fold or collapse if lock not fully engaged. Moving parts can amputate child’s fingers. )
  • 可動パーツに指を近づけないでください。(Keep fingers away from moving parts. )
  • お子様を椅子に座らせる前に、完全に広げた状態でしっかりとロックしてください。(Completely unfold chair and fully engage locks before allowing child to sit in a chair. )
  • お子様に椅子を折りたたませたり、広げさせたりしないでください。(Never allow child to fold or unfold chair. )

また、ASTM F2613-17aは、子供用折りたたみ椅子とスツールに関する以下の検査要件を含んでいます。

  • 尖った部分
  • 小さな部品
  • 塗料の鉛の含有量
  • 木製部品
  • 掛け金及びロック機能
  • 切断、せん断、挟み込み
  • 蝶番の隙間
  • 固い素材の丸穴
  • 表示
  • 保護素材
  • 強度
  • 安定性

最終規則の更なる詳細は、下記URLをご参照ください。

参照資料:子供用折りたたみ椅子およびスツールのための最終規則
https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2017-12-15/pdf/2017-26997.pdf

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消費財検査部門 坂倉 晴子

 


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