■ 新たにSVHC候補リストに追加された物質
欧州化学物質庁(The Eugopean Chemical Agency, ECHA)は2020年1月16日に高懸念化学物質(SVHC)候補リストを更新し、新たに以下の4物質を追加しました。今回の追加により、SVHC候補リストに掲載された規制物質は205物質となります。
SVHC候補リストは、REACH規則の対象となる化学物質を掲載したもので、年数回更新されています。ECHAが新たに有害と認めた化学物質をEU加盟国に諮り(パブリックコンサルテーション)、45日間の公告期間をへて、SVHC候補リストに掲載します。
今回SVHC候補リストに掲載された4物質は2019年9月3日から2019年10月18日まで諮問され、その後正式決定されました。
ある物質がSVHC候補リストに掲載されると、成形品中にその物質が0.1%を超える量が含まれている場合、生産者・輸入者・サプライヤーには、その情報を川下事業者や使用者(要求があった場合)に伝える義務が生じます。また年1トンを超える特定のSVHC物質を扱う企業は、ECHAへ届け出を行う必要があります。
2020年1月に追加された4物質:
| 物質名 | CAS番号 (EC番号) | 掲載理由 | 用途 |
|---|---|---|---|
| Diisohexyl phthalate フタル酸ジイソヘキシル | 71850-09-4 (276-090-2) | 生殖毒(第57c条) | REACH規制では用途は登録されていない。付属書15ではポリマーの密閉剤や可塑剤としての用途もある。 |
| 2-benzyl-2-dimethylamino-4'- Morpholinobutyrophenone 2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-4'-モルホリノブチロフェノン | 119313-12-1 (404-360-3) | 生殖毒(第57c条) | ポリマー製造過程で使用。表面塗膜やインクでの使用もある。 |
| 2-methyl-1-(4-methylthiophenyl)-2- morpholinopropan-1-one 2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン | 71868-10-5 (400-600-6) | 生殖毒(第57c条) | ポリマー製造過程で使用。コーティングや接着剤、インクでの使用もある。 |
| Perfluorobutane sulfonic acid (PFBS) and its salts パーフルオロブタンスルホン酸(PFBS)とその塩 | - (-) | 環境と人の健康に重大な影響を及ぼす懸念と同等レベル(第57f条) | ポリマー製造工程および化学合成過程での触媒・接着剤・反応物質として使用。(電子製品の)ポリカーボネートの難燃剤、金属のクロムメッキ、革・テキスタイル・カーペットなどの防水防汚剤としても使用。 |
■ 現在SVHC候補リスト掲載への諮問(パブリックコンサルテーション)が行われている物質
現在以下の5物質がECHAによって諮問されており、2020年4月17日に公告が締め切られた後、SVHC候補リストへの掲載の可否が正式決定されます。
諮問中の5物質:
| 物質名 | CAS番号 (EC番号) | 掲載理由 |
|---|---|---|
| 1- vinylimidazole 1-ビニルイミダゾール | 1072-63-5 (214-012-0) | 生殖毒(第57c条) |
| 2- methylimidazole 2-メチルイミダゾール | 693-98-1 (211-765-7) | 生殖毒(第57c条) |
| Butyl 4-hydroxybenzoate 4-ヒドロキシ安息香酸ブチル | 94-26-8 (202-318-7) | 人の健康に重大な影響を及ぼす懸念と同等レベル(第57f条)- 内分泌かく乱特性 |
| Dibutylbis(pentane-2,4-dionatoO,O')tin ジブチルビス(ペンタン-2,4-ジオナトO,O’)スズ | 22673-19-4 (245-152-0) | 生殖毒(第57c条) |
| Resorcinol レゾルシノール | 108-46-3 (203-585-2) | 人の健康に重大な影響を及ぼす懸念と同等レベル(第57f条)- 内分泌かく乱特性 |
ECHAの更新情報は、以下のサイトをご参照ください。
ECHA Weekly - 4 March 2020 & consultation page:
https://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/echa-weekly-4-march-2020
https://echa.europa.eu/substances-of-very-high-concern-identification
■ デクロランプラス(難燃剤)について
「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)にもとづき、2019年10月の検討委員会でデクロランプラスの危険性に関する詳細検討を進めることが決定されました。これを受けて、2020年2月、経済産業省は産業界に対して製品におけるデクロランプラスの含有状況に関する予備調査を要請しました。予備調査の結果、デクロランプラスが含有されている用途があった場合には、使用用途、含有量、代替技術の有無、代替化コスト等について、今年10月ごろに詳細な本調査が行われる予定です。
デクロランプラスは、環境中での極めて高い難分解性、生物蓄積性(vPvB)が認められている塩素系難燃剤で、欧州REACH規則では2018年1月にSVHC候補リストに収載されています。
→ 参考:「SVHC(高懸念物質)としてリストに追記された7つの新たな物質について」(2018年2月26日付ニュース)
ビューローベリタスでは、デクロランプラスを含む既存のSVHC205物質に加えて、現在EU加盟国にて諮問中の上記5物質の分析試験を実施可能です。
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