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建物劣化診断とは ~実施のタイミングや調査項目を徹底解説~

所有する建物を安全に長く使用するために、「建物劣化診断」を行なうことはとても重要です。しかし、建物劣化診断とは具体的にどのようなものなのか、いつ、どこに相談すればよいのかわからないという方が多いのではないでしょうか。

本記事では、建物劣化診断の概要と実施のタイミング、調査の対象や調査項目を詳しく解説します。費用の目安も併せて紹介しますので、参考にしてください。

 

建物劣化診断とは

建物劣化診断とは、建物や付属設備の劣化状況を詳細に把握し、修繕の要否やその仕様を判断するための診断・点検のことを指します。すべての建物が対象になりますが、一般的にはマンションの大規模修繕工事などの前に、重点的に補修を行なうべき箇所を調べるために実施されるケースが多いです。

建物劣化診断を行なうことで、限られた予算を特に修繕が必要な箇所に割り振れるようになるだけでなく、工事の優先順位が明確になり、不要・過剰な工事を避けることができるため、結果的に経費削減にもつながります。反対に、もう少し後に行なう予定の工事であっても、早急に修繕した方がよいとわかる場合もあります。

このように、建物劣化診断は工事内容や実施時期の見極めに役立ちます。適切なタイミングで工事を行なうためにも、まずは建物劣化診断を行ない、状況を把握しましょう。

 

建物劣化診断を行なうタイミング

建物劣化診断を行なう周期について、法令で定められているわけではありません。しかし先述のとおり、建物の劣化具合を詳しく把握するために、マンションの大規模修繕や建築物の大規模な改修の前に実施されるケースが多いです。なお、マンションの大規模修繕は、おおむね12年に一度の周期で行なわれます。

ただし、これまで建物劣化診断をしたことがない場合や、すでにクラック(ひび割れ)やチョーキング(外壁などに生じる白い粉)など、目視で劣化が確認できる場合は、気づいた時点で診断を受けることをおすすめします。必要な修繕や工事を先延ばしにすると、劣化が進んで思わぬ事故につながるリスクがあります。

 

建物劣化診断の対象部位と調査項目の例

建物劣化診断とは、具体的にどの部分を調査するのでしょうか。

対象部位と調査項目の一般的な例:

部位調査項目
躯体ひび割れ、き裂、爆裂、欠損、土台・柱の腐食、コンクリート中性化、コンクリート圧縮強度、鉄骨の錆び
屋上・屋根防水屋上・搭屋・ルーフバルコニーの防水層、塗装の劣化度
防水処理外部階段・廊下・バルコニー等の防水機能
外部塗装一般外壁や天井の浮き・剥離・割れ・欠損、付着力
鉄部塗装屋上・共用廊下・バルコニーなどの錆び
シーリング外壁・サッシュ周り・タイル打継目地
内部仕上げ床・壁・天井
共用設備エントランス・廊下・外部階段・バルコニーなどの天井・壁・床
外構塗装・フェンス・駐輪場・ごみ置場
電気設備幹線、非常設備、コンセント
給排水衛生設備給水・排水・消火設備、換気設備、衛生設備

目視や打診による調査はもちろん、見た目だけでは確認しにくい項目は、さまざまな検査器具を用いて詳細な調査が行なわれます。

 

建物劣化診断にかかる費用

建物劣化診断にかかる費用は、対象の建物の規模や検査項目などによって大きく異なります。

建物劣化診断の一般的な費用目安:

建物の規模費用目安
小規模マンション(30戸以下)20万円~40万円
中規模マンション(30~100戸程度)30万円~80万円
大規模マンション(100戸以上)50万円~100万円
商業施設規模により大きく異なる
工場規模により大きく異なる

上記の金額はあくまでも目安であるため、詳細の金額についてはお問い合わせください。
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まとめ

建物劣化診断は、適切なタイミングで建物の修繕を行ない、建物の長寿命化を図るために重要な調査です。劣化している部分を詳しく知ることで、不要・過剰な工事を避け、予算を効率良く振り分けることができます。

劣化診断の調査項目やご依頼の流れについては、お問い合わせください。

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