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ISCCの概要と日本市場に関する最新情報 

ISCCの概要と日本市場に関する最新情報 

ISCC(International Sustainability & Carbon Certification:国際持続可能性カーボン認証)について、東南アジアで一連のイベントが計画されています。皮切りとして2022年10月12日、日本でセミナーが開催され、そのなかで今後の見通しとして、次の内容が強調されました。

  1. 日本の化学業界は世界で4番目の規模*であるため、循環型およびバイオベースの原材料や製品に対する信頼性の高いサステナビリティ認証の重要性はさらに増していく。
  2. ISCC PLUS認証は、日本におけるISCCの前向きな発展の主要な推進要素であり、継続することが期待される。
  3. 発電については、日本のFIT(Feed-in Tariff:固定価格買取制度)が、サステナビリティ要件を満たす必要のある再生可能原材料の使用に対するインセンティブとなっている。
  4. ISCCは再生可能な資源による発電のための一部の原材料を対象とする認証基準を定めている。
  5. ISCCと協力している認証機関が日本で活発な動きを見せつつあることで、日本企業がISCCをさらに利用しやすくなる。

* 出典:https://www.statista.com/

2022年9月13日から12月12日までの期間に登録された認証書は41枚となっています。

再生可能原材料と認められるために、日本のFITで求められるサステナビリティ要件をどのようにクリアするのかが注目されています。持続可能なパームヤシ殻、パームトランクは2022年4月に経済産業省に認められていますが、サステナブルパーム油は現在も審議中です(図1)。

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ISCCセミナー資料_(図1)
出典: ISCC セミナー資料(2022年10月12日)

 

バイオベースや循環型材料への対応は今後業界として避けて通れない道であるため、化学業界と、その下流でフィルムや袋を製造する会社、扱う商社で認証取得が進んでいます。

どの環境配慮型のマーク(図2)を使うかの判断には、そのマークの認知度や取り組み、および使いやすさなどが複合的に影響します。ロゴマークの使用は、サプライチェーンの最下流であるブランド所有者と販売業者に適用されるライセンススキームの運用です。これらのロゴマークの認知度が上がり、信頼性が高いと消費者が理解すれば、そのマークを使用するブランドオーナーが増えて、デファクト・スタンダードとなり得ます。
 

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ISCCセミナー資料_環境配慮型ロゴマーク(図2)
出典: ISCC セミナー資料(2022年10月12日)

 

「マスバランス」の標準バージョン(図3)はさまざまな組み合わせが可能であり、今後ISCC 208文書「ロゴおよび宣伝文句」に記載される予定です。

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ISCCセミナー資料_(図3)
出典: ISCC セミナー資料(2022年10月12日)

 

ISCCライセンススキームは、サプライチェーンの最下流のブランド所有者/販売業者にのみ適用されます。また、ISCCライセンススキームはISCC認証とは異なります(図4)。
 

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ISCCセミナー資料_(図4)
出典: ISCC セミナー資料(2022年10月12日)

 

ISCCの審査員数が多くない理由は、当初はISCC認証が日本市場でスタート時期であったため、限られた認証機関だけでサービスを展開していたためとされていますが、現在は要望が増えているため、複数の機関が審査員を養成し、体制を整えているようです。

ビューローベリタスグループはビューローベリタスポーランドの認定を活用し、ネットワークとサービスレベルアグリーメントを締結し、審査員登録をして世界で認証を展開してきました。2023年1月後半より、ビューローベリタスジャパンとしてISCCの審査を開始しました。

システム認証事業本部 岡崎 久喜

 

【お問い合わせ】

ビューローベリタスジャパン(株) システム認証事業本部
TEL:045-651-4784(代表) FAX:045-641-4330
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