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木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要について

木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要について

令和4年10月28日、国土交通省のウェブサイトで、令和7年に改正施行が予定されている「木造建築物に対する基準案」についての情報が公開されました。
木造建築物における確認の特例制度の対象が「平屋建てかつ200m2以内」に縮小されることから、令和7年の改正施行と同時に、2階建てであれば確認申請に構造図や以下の壁量計算書の添付が必要となりますので、ご注意ください。

目次

1.    必要な壁量に関する規定(建築基準法施行令第46条第4項等関連)

重量化が見込まれるZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準等の建築物について、いわゆる壁量計算における必要な壁量を確認する方法として、下記の3種類のいずれかによることが示されました。

(1)個々の建築物の荷重の実態に応じて現行規定より精緻に検証する方法(新たな方法)

(2)現行の方法(新たにZEH水準等の建築物に対応する必要な壁量の基準を追加)

(3)構造計算により安全性を確認する方法

(1)個々の建築物の荷重の実態に応じて現行規定より精緻に検証する方法(新たな方法)

地震力に関する必要な壁量の基準について、当該建築物の荷重の実態に応じて計算により求める方法として、次式が位置づけられます。

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階の床面積当たりの必要壁量

出典:国土交通省「木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要の公表について

 

(2)現行の方法(新たにZEH水準等の建築物に対応する必要な壁量の基準を追加)

現行の令第46条第4項表2に、次の表のとおり、新たにZEH水準等の建築物に対応する必要な壁量の基準が位置づけられます。

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新たにZEH水準等の建築物に対応する必要な壁量の基準

出典:国土交通省「木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要の公表について

なお、現行規定では耐力要素として見込んでいない開口部まわりなどの腰壁・袖壁等(準耐力壁等)についても、一定の耐震性への寄与が期待できることから、(1)の検証の際に存在する壁量に算入できるようになるほか、一定の高い耐力を有する壁に係る壁倍率の上限を引き上げるよう見直されます。
また、平成13年国土交通省告示第1540号に定める枠組壁工法(いわゆるツーバイフォー)の基準においても、ZEH水準等の建築物の必要な壁量の基準を位置づけることとされています。

(3)構造計算により安全性を確認する方法

ZEH水準等の建築物について、構造計算(「木造若しくは鉄骨造の建築物又は建築物の構造部分が構造耐力上安全であることを確かめるための構造計算の基準を定める件(昭和62年建設省告示第1899号)」に定める構造計算)により安全性を確認する方法です。
この方法による場合は、令第46条第4項の必要な壁量の確認を省略することができます。

2.    柱の小径に関する規定(令第43条関連)

省エネ化等により建築物が重量化することに対応するため、令第43条第1項の規定に基づく柱の小径について、次の表のとおり、新たにZEH水準等の建築物に対応する基準が位置づけられます。

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令第43条第1項の規定に基づく柱の小径について、新たにZEH水準等の建築物に対応する基準

出典:国土交通省「木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要の公表について

なお、構造計算(「木造の柱の構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件(平成12年建設省告示第1349号)」に定める構造計算)により安全性を確認した場合には、令第43条第1項に規定する柱の小径の確認を省略することができます。

3.    設計上の留意事項

省エネ化等により建築物が重量化することを考慮し、床組等、接合部、横架材および基礎の検討については、住宅性能表示制度の評価方法基準における告示(平成13年国土交通省告示第1347号)に規定する方法による設計上の配慮をすることが望ましいとされます。

建築認証事業本部 技術課 丹波 利一


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