食品衛生法で定められた油脂劣化の指標「酸価・過酸化物価」の検査
食油で調理した食品や、バター・マーガリンを原材料に使っている食品を食べて「胸やけがした」「気分が悪くなった」と聞くことがあります。
油脂の精製度合いや加熱・調理回数での変化、酸化により油脂の劣化が進み、劣化した油脂を摂取したことによって嘔吐、腹痛、下痢の症状が出るなど体調を崩すことがあることから、厚生労働省は食品衛生法で、油脂劣化について「酸価・過酸化物価」の基準を定めています。酸価・過酸化物価は数値が高いほど劣化が進んでいることを示します。
●酸価(Acid Value:AV)とは
油脂に含まれる遊離脂肪酸の量を示す値。油脂の精製度や加熱による劣化の程度がわかります。
●過酸化物価(Peroxide Value:POVまたはPV)とは
油脂に含まれる過酸化物(油と酸素が結合して生じたもの)の量を示す値。保存状態や自動酸化による劣化の程度がわかります。
<酸化・過酸化物価の検査方法>
厚生労働省は油の酸化の指標となる酸価・過酸化物価の規格基準を食品衛生法で定めています。
油脂劣化の進行は温度、露光、保存期間が関係しています。夏場は日照時間が長く、気温も高いことから、油脂の劣化は進みやすくなります。冷暗所に保存し、できるだけ早く使い切る。揚げ物など油調に使用する油脂は早く交換することが油脂を使用した食品の劣化を防ぐための要素となります。
ビューローベリタスエフイーエーシーでは、酸価・過酸化物価の測定を迅速に行っています。
油脂を使用した食品の安全性の確認、クレーム時の劣化確認にぜひご利用ください。
参考リンク:
厚生労働省 酸価・過酸化物価に関する規定等
厚生労働省 即席めん類の酸価・過酸化物価試験法について
ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 検査部 理化学検査課 青山 理美
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