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残留動物用医薬品の検査

2023-04-10

動物用医薬品は、予防や治療のために使用されることはやむを得ないものですが、食品中に残留することで人体に悪影響を及ぼす可能性や耐薬品性の微生物等の出現が懸念されるため、薬剤の適切な使用が求められます。
動物用医薬品は使用目的により抗菌性物質、ホルモン剤および寄生虫用剤の3種類に分けられます。

 

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動物用医薬品

 

食品衛生法では残留基準値が設定されていない農薬・動物用医薬品を含む食品の流通を禁止しています。
原則としては使用禁止ですが、平成18年(2006年)にポジティブリスト制度が始まった事により一部使用を認める物質がリスト化されています。ポジティブリスト制度は原則として使用禁止の物質の中で一部使用を認める物質をリスト化する制度です。ポジティブリストの中で残留基準が定められていない物質は一律基準として0.01ppm以下となりました。

参考:公益財団法人 日本食品化学研究振興財団「ポジティブリストに掲載されている抗生物質・合成抗菌剤一覧

一方で、食品中に残留が認められない動物用医薬品もあります。分析には検出限界(定量限界)があるため、その値を上回る場合は食品衛生法違反となります。

名称

検出限界 (ppm)

イプロニダゾール

0.0001

オラキンドックス

0.001

カルバドックス

0.001

クロラムフェニコール

0.0005

ジエチルスチルベストロール

0.0005

ジメトリダゾール

0.0002

ニトロフラゾン

0.001

ニトルフラントイン

0.001

フラゾリドン

0.001

フラルタドン

0.001

マラカイトグリーン

0.002

メトロニダゾール

0.0001

ロニダゾール

0.0002

 

食品中に残留する動物用医薬品の分析では高速液体クロマトグラフ法(HPLC)、液体クロマトグラフ質量分析法(LC-MS)、微生物学的試験法などがありますが、現在は液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC-MS/MS)(図1)による測定が主流となっています。

 

(図1:弊社で動物用医薬品の測定に使用している液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC-MS/MS))

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図1:弊社で動物用医薬品の測定に使用している液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC-MS/MS)

 ビューローベリタスエフイーエーシーは動物用医薬品についても検査を実施しておりますが、より多くの物質の分析が行えるように検査開発を継続しております。
検査の詳細につきましてはお気軽にご相談ください。

参考ウェブサイト:
農林水産省「動物用医薬品」
公益財団法人日本食品化学研究振興財団「残留農薬」
関東科学(株)「食品中に残留する動物用医薬品の規制と分析法 堀江 正一」


ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 検査部 理化学検査課 高見 健治

 

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