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カバー画像(CO2)

GXリーグの概要

2022年2月1日、経済産業省から「GXリーグ基本構想」(GX:グリーントランスフォーメーション)が発表されました。GXリーグの概要についてご説明します。

日本の温室効果ガス排出量削減目標

政府は2020年10月に、2050年までに温室効果ガスの“排出を全体としてゼロ” にする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言するとともに、2021年4月、2030年度の温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すことを表明しました。

※二酸化炭素などの温室効果ガスの「排出量」-植林、森林管理などによる「吸収量」=「ゼロ」

世界の平均気温は2022年時点で工業化以前(1850~1900年)と比べ約1.1℃上昇しています。 このままでは、気温はさらに上昇すると考えられ、温室効果ガスの“排出を全体としてゼロ”とするための取り組みは待ったなしの状況といえるでしょう。

 

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日本の年平均気温偏差


出典:気象庁ウェブサイト

 

GXリーグとは

「GXリーグ」とは、持続可能な成長実現を目指す企業が、同様の取り組みを行う企業群や官公庁、大学と一体となり、経済社会システムの変革や新たな市場を作るための実践を行う場のことです。

カーボンニュートラルへの対応を企業の成長の機会と捉え、産業競争力を高めていくためには、国際ビジネスで勝てるような「企業群」が、自ら以外のステークスホルダーも含めた経済社会システム全体の変革(GX)を牽引していくことが重要です。

 

GXリーグの目指すもの

GXリーグ事務局は、「GXへの挑戦を行う企業が排出量削減に貢献しつつ、外部から正しく評価され成長できる社会(経済と環境および社会の好循環)を目指す」と目標を掲げています。
炭素の排出量削減への取り組みや、目標達成のための排出量取引などが重要な活動となります。

 

GXリーグの活動

2023年度以降の本格的な活動に向け、3つの取り組みの実証が行われています。

  1. 未来社会像対話の場
    未来の経済システムを「ビジネス機会」として描き、官民ルールメイキングや賛同企業の中長期の経営戦略・事業開発・研究テーマ開発などに活用できるものをまとめる取り組み
  2. 市場ルール形成の場
    新市場創造に向けた官と民でのルール形成の場として、ルールの設計から実証、世界に向けた発信等を目指した取り組み
  3. 自主的な排出量取引
    経済合理的なGX投資促進、カーボンプライシング政策等の観点から排出量取引(GX-ETS)の内容について検討する取り組み

 

GXスタジオ(自由な創発・交流の場)

上記3つの取り組みに向けて、連携や創発、共創を推進するための自由な交流の場としてGXスタジオが設けられ、月に1度テーマを定め、ディスカッションや情報交換が行われています。

 

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GX STUDIO

 
出典:GX LEAGUE ACTION 

 

GX-ETSの方向性

GXリーグでは、企業が自主設定・開示する削減目標設定に向け、排出量取引を導入し、発展させていくことを計画、各フェーズについて段階的な発展イメージを有識者が検討しています。

 

第1フェーズ(2023年度から2025年度):試行期間

  1. 国内直接・間接排出について、2030年度および中間目標(2025年度)の排出削減量の目標を設定。目標水準は各社が自ら設定。
  2. 国内直接・間接排出の排出量実績を算定・報告。排出量の算定結果に対する第三者検証導入。
  3.     排出量取引の実施。
  4. 目標達成状況および取引状況を「GXダッシュボード」上で公表。

第2フェーズ(2026年度から2032年度):排出量取引市場の本格化稼働

  1. 第三者検証機関が、政府方針と企業が設定する目標が合致するかを認証。目標超過削減分を取引対象とする。
  2. 制度濫用者に対する指導監督等の規律強化導入。

第3フェーズ(2033年度以降):さらなる発展

  1. 発電部門について、段階的な有償化(オークション)の導入。

関連記事:
GX-ETSの概要

 

今後のスケジュール

2023年2月

GX参画企業募集

2023年4月

GXリーグ参画企業締め切り

2023年秋

GXダッシュボード公開

2024年9月以降

2023年度排出量実績報告

GXリーグに関してはまだ検討段階にあります。今後も具体的な内容について情報発信していく予定です。

 

技術監査事業部 佐々木 輝

 

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