機能性表示食品制度と機能性成分について
今回は機能性表示食品制度の概略と、検査について説明します。
平成27年4月より「機能性表示食品」制度がはじまり、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品の3種類について、日本では機能性表示が許可されています。
機能性表示食品とは、「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的が期待でき、健康の維持および増進に役立つという食品の機能性を表示することができる食品です。
(消費者庁パンフレット「消費者の皆様へ『機能性表示食品』って何?」より引用)
① リコピン
トマトなどに含まれるカロテノイドの一種で、血中LDLコレステロールを低下させる機能が報告されています。
リコピンは熱には比較的安定ですが、酸化や光に弱いため、強い光を避け速やかに分析を行う必要があります。 リコピンを含有した商品も同様に酸化や長時間光に晒されると分解されてしまうため、製品が空気に触れる時間やパッケージ内の空気量を少なくし、遮光性の高いパッケージに入れて、場合によっては冷凍または冷蔵にて保管を行います。検査をご依頼の際も同様に輸送についてご注意ください。 |
② カテキン
お茶に含まれる抗酸化物質の一種で、血中コレステロールや体脂肪低減作用などが報告されています。
茶葉中にはエピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)の4種類のカテキンが含まれています。飲料に加工する際の加熱処理により、このカテキンの一部が以下のように変化します。
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このため、加熱加工を行なった製品は8種カテキンを含有しています。各カテキンを個別に測定することもできますので、ご依頼の際は商品の形体と製造工程を確認のうえ、検査項目をお選びください。
測定に使用している「HPLC(高速液体クロマトグラフィー)」
リコピンとカテキン以外の製品においても、製品に含まれる成分を安定した量で消費者に提供するための保管方法やパッケージを採用することで、劣化を最小限にとどめる工夫が大切になります。
出典:
文部科学省「平成20年度新たな健康の維持増進に関わる食品成分等に対するニーズ調査―第1章 機能性成分等新たな健康の維持増進に関わる成分の分析に対するニーズ調査」
消費者庁「機能性表示食品について」
ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 検査部 理化学検査課 菅原 悠
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