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長期優良住宅法の改正点

2021-12-10

長期優良住宅の認定促進等による住宅の質の向上に加え、既存住宅を安心して購入できる環境をさらに整備し、既存住宅流通市場を活性化させるための「住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案」が、2021年2月5日、閣議決定されました。
2022年2月20日より施行されます。

 

1.共同住宅の評価方法(住棟認定)

現行の共同住宅の認定における評価項目は、以下に分類されています。

  • 住戸ごとでしか評価できない項目
  • 住戸ごとでも住棟全体でも評価可能な項目
  • 住棟全体でしか評価できない項目

上記評価項目ごとに定められている「評価方法」については、これまでは「住戸ごとでも住棟全体でも評価可能な項目」を「住戸ごとに評価するもの」としていました。

今回、共同住宅の住棟認定の導入により、「住戸ごとでも住棟全体でも評価可能な項目」は、これまでの評価方法に加え『住棟全体での評価方法』でも評価してよいこととなりました。また、区分所有者が個々に認定を受ける仕組みは、管理組合が一括して認定を受ける仕組みに変更されます。

 

長期優良住宅認定基準の見直し案


出典:国土交通省「長期優良住宅認定基準の見直し案」 
 

改正前 改正後
住戸単位認定 住棟単位認定
建築前に分譲事業者が認定申請し、引き渡し後に各住戸の区分所有者と共同で変更認定を申請することが必要。
変更認定後の維持保全(*1)は各住戸の区分所有者が実施。
建築前に分譲事業者が認定申請し、引き渡し後に管理組合の管理者等(*2)が一括して変更認定を申請。
変更認定後の維持保全の実施主体は管理組合の管理者等となる。

(*1)維持保全:認定計画に従い維持保全担保のための措置に係る記録の作成および保存、所管行政庁による報告徴収報告、改善命令等への対応。
(*2)管理者等:管理組合の決議で選任された管理者(理事長)の他、管理組合法人の理事のことを指す(法第5条第4項)。

 

住棟認定に伴う認定手続きの合理化

住棟認定に伴う認定手続きの合理化

 
出典:国土交通省参考資料「住宅の質の向上及び円滑な取引環境整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律(概要)」

 

2.賃貸基準に係る基準の合理化

可変性

現行基準では維持管理更新をしやすくするため、専用配管を自住戸内に設置し、共用部分から横主管への経路を確保することが求められています。改正後は賃貸住宅のように1の所有者が建物全体を管理し、賃貸契約上、修繕や維持管理の際に住戸内に立ち入ることが可能な場合は、以下の基準を適用しないことになります。

 

維持管理・更新の容易性

現行基準では、間取りの変更等を一定の範囲内で実現するため居室の天井高さを2,400mm以上確保し、かつ、配管用のスペースとして二重床等を設けることができる高さとして躯体天井高が2,650mm以上であることとされていましたが、改正後は、賃貸住宅のように1の所有者が建物全体を管理している場合、床や床下空間も含めて変更等をすることが可能なため、専用配管の設置が可能な床下空間等の高さを含んだ躯体天井高さとすることができます。

可変性確保のために有効な高さ(合理化後)

出典:国土交通省「長期優良住宅認定基準の見直し案

 

3.良質な既存住宅を長期優良住宅として認定する制度の創設

現行の認定制度は建築行為を前提とし、建築計画と維持保全計画をセットで認定する仕組みのため、既存住宅については、一定の性能を有するものであっても増改築行為を行わない限り認定を取得することができませんでした。
改正後は、優良な既存住宅については増改築行為がなくとも維持保全計画のみで認定取得が可能となります。

参考:建築行為なし認定制度と現行制度の比較

長期優良住宅認定基準の見直しに係る検討の方向性

出典:国土交通省「長期優良住宅認定基準の見直しに係る検討の方向性

 

建築認証事業本部 茂山 文枝


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