食品中の糖質の求め方
糖質とは炭水化物に分類する三大栄養素の一つです。炭水化物には、糖質の他に食物繊維も存在しますが、食物繊維(セルロース、フコイダン、キチンなど)は人体の生体反応では消化されにくい成分であるのに対し、ブドウ糖に代表される糖質は生命活動に必要なエネルギー源として利用されます。
糖質の作用
エネルギーとして利用される糖質は、摂取不足になると脳や身体、免疫機能が低下し、疲れやすく病気にもかかりやすくなる状態になる危険があることから、定期的に摂取することが健康のために重要です。逆に糖質の摂取過剰になると、消費しきれなかったブドウ糖はインスリンによってグリコーゲンとして合成され、体内の脂肪となり蓄積されます。脂肪が過剰に蓄積すると、糖尿病などの生活習慣の起因となります。1日あたりの摂取量は成人の場合250g~325gが理想とされています。
食品中の糖質の求め方
食品は主に、たんぱく質・脂質・灰分・水分・炭水化物の5項目の成分からなります。炭水化物の重量は、食品全体の重さから炭水化物以外の成分4項目の合計を引いて求めます。次に炭水化物から食物繊維を差し引いた値が糖質の重量となります。
ある食品100gの5項目を検査したところ、たんぱく質6g、脂質10g、灰分5g、水分60g、食物繊維3gであったとします。下記の計算により炭水化物は19g、糖質は16gとなります。
2020年4月より、一般用加工食品は栄養成分表示が義務化されましたが、糖質は任意表示項目とされています。糖質は過剰摂取により肥満、成人病の原因となることからネガティブなイメージを持たれていますが、生体維持のためには必要な栄養素です。人々が糖質と上手につきあっていくためにも食品への表示掲載が増えていくべき項目であると考えます。
ビューローベリタスエフイーエーシーでは栄養成分検査の他にもさまざまな食品検査を行っておりますのでどうぞご相談ください。
参照文献
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書
ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 検査部 理化学検査課
奥井 大介