牡蠣

ノロウイルスについて

2020-10-12

ノロウイルスによる食中毒は、年間を通じて確認されますが、冬季に多く発生します。これからの時季、特に注意が必要です。ノロウイルスは環境耐性が強く、少ないウイルス量で感染するため、大規模な集団感染につながる怖いウイルスです。

ノロウイルスは一本鎖のRNAウイルスで、特徴は、他のウイルスより小さく30~40nm程で、外膜はなくカプシドと呼ばれるタンパクの殻で覆われています。光学顕微鏡では確認できないため、観察には電子顕微鏡を使用します。
ウイルスは、細菌や真菌のように自己増殖ができないので、エンドサイトーシスという方法で細胞内に侵入し、脱殻という作用でRNAもしくはDNAのみを宿主の核の中に送り込み、宿主の持つ遺伝子複製能力を利用して、自身の遺伝子を複製させて増殖します。
ノロウイルスの名前は、アメリカのNorwalkという町の小学校で最初の集団感染が起きたことに由来します。NorwalkのNorにラテン語の接続語の-o-を付け、Noro virusと呼ばれるようになりました。

ノロウイルスによる感染は、感染者の糞便や嘔吐物の飛沫などからの経口感染のほか、ノロウイルスに感染した魚介類を生で摂取することで起こります。ヒトの腸管で増殖し、嘔吐、下痢、腹痛などを起こします。ノロウイルスの感染を予防するには、入念なうがい、手洗いのほか、次亜塩素酸による調理器具などの消毒が有効です。また魚介類については、十分に加熱することでウイルスを死滅させることができます。

ノロウイルスは海水を大量に体内に取り込む二枚貝に多く蓄積することが知られています。
ノロウイルスは牡蠣の中腸腺に多く蓄積します。検査はまず、牡蠣を解体し、中腸腺を採取することから始まります。採取した中腸腺をリン酸バッファーで溶解し、ポリエチレングリコールと塩化ナトリウムを加えて、RNAを含むタンパクを沈殿させます。その後、市販のRNA抽出精製キットを用いてRNAの抽出精製を行います。RNA自体は不安定なので、一旦DNAの形にして、このDNAを鋳型にし、ノロウイルスに特徴的な配列を持つプライマーと呼ばれる短い塩基を用いてPCR反応を行い、ノロウイルスのDNAを増幅させます。そして、このDNA配列に選択的に結合するプローブをDNAに結合させます。プローブには蛍光標識が付いており、リアルタイムPCRという機械を使って、PCR反応と同時に増幅したDNAの測定を行うことができます。ノロウイルスにはGⅠとGⅡという遺伝子群が存在しますが、各々のプライマーを用いることで別々に検出できます。検査開始から測定まで、7~8時間を要します。

牡蠣のノロウイルスの検査の流れ

牡蠣のノロウイルスの検査の流れ

ビューローベリタスエフイーエーシーでは牡蠣だけでなく、一般食品全般についてノロウイルス検査を行っております。
食品製造施設や食堂の厨房で働く方からノロウイルス感染者が出てしまうと、製品による大規模食中毒発生の恐れもあることから、製品の安全性確認のためにもご活用ください。

その他さまざまな食品検査を行なっておりますので、検査のご依頼、検査に関するお問い合せをお待ちしております。

【出典】

 

ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 理化学検査課  高見 健治

 


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