建築図面

改正省エネ法の施行に伴う確認申請時の留意点

2020-10-12
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建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第4号。以下「改正法」という。令和元年5月17日公布)に係る政省令が令和2年9月4日に公布され、令和3年4月1日から施行されることとなりました。改正法施行後の確認申請に係る留意事項を概説します。

規制措置の対象について

基準適合義務(省エネ適合性適判が必要な建築行為)の対象となる特定建築行為の対象が拡大されます。

改正法施行後の規制措置(適合義務、届出義務、説明義務)の対象となる建築物の規模等は【表1】のとおりとなります。このうち法第11条第1項および令第4条において、基準適合義務の対象となる特定建築行為は、次の①から③までに該当するものと規定されています。

  • 特定建築物(非住宅部分の床面積(*)の合計が300㎡以上の建築物)の新築
  • 特定建築物(非住宅部分の床面積(*)の合計が300㎡以上の建築物)の増築又は改築であって、当該増築又は改築に係る非住宅部分の床面積(*)の合計が300㎡以上であるもの
  • 特定建築物以外の建築物(非住宅部分の床面積(*)の合計が300㎡未満の建築物)の増築であって、当該増築に係る非住宅部分の床面積(*)の合計が300㎡以上であるもの

新築の場合の判定フローを【図1】に、増改築に係る判定フローを【図2】に示します。

(*) 建築基準法上床面積に算入される部分より高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積

【表1 規制措置の対象となる建築物】

規制措置の対象となる建築物

出典:一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構「建築物省エネ法に基づく規制措置・誘導措置等に係る手続きマニュアル」

【図1 規制措置の判定フロー(新築)】

規制措置の判定フロー(新築)

【図2 規制措置の判定フロー(増築・改築)】

規制措置の判定フロー(増築・改築)

出典:国土交通省「改正建築物省エネ法オンライン講座テキスト」

住宅と非住宅部分を有する複合建築物の扱い

住宅部分と非住宅部分、それぞれの規模に応じて判断します。

住宅部分と非住宅部分を有する複合建築物の場合、それぞれの用途および規模に応じて適合義務または届出義務の対象かどうか、住宅部分について所管行政庁による指示等の対象となるかどうかを判断することが必要となります(図3~図7)。

なお、省エネ適判を要する複合建築物であって住宅部分(高い開放性を有する部分を除いた部分)の床面積が300㎡以上となり指示等の対象である場合であっても、省エネ計画の提出を受けた登録省エネ判定機関が住宅部分を含めた省エネ計画の写しを所管行政庁に送付することとされているため、別途届出を行う必要はありません。

【図3 判断フロー】

  判断フロー

【図4 300㎡以上住宅+300㎡以上非住宅】

300㎡以上住宅+300㎡以上非住宅

【図5 300㎡未満住宅+300㎡未満非住宅=床面積合計300㎡以上】

300㎡未満住宅+300㎡未満非住宅=床面積合計300㎡以上

【図6 300㎡未満住宅+300㎡未満非住宅=床面積合計300㎡未満】

300㎡未満住宅+300㎡未満非住宅=床面積合計300㎡未満

【図7 300㎡未満非住宅+300㎡以上非住宅】

300㎡未満非住宅+300㎡以上非住宅

出典:一般財団法人建築環境・省エネルギー機構「建築物省エネ法に基づく規制措置・誘導措置等に係る手続きマニュアル」を一部加工

 

建築確認における確認申請書の記入方法について

特定建築行為の建築主の基準適合義務は建築確認や完了検査の対象となります。確認申請書第二面第8欄 「提出不要」の欄にチェックする場合には、提出が不要である理由を記載してください。

法第11条第1項に規定する特定建築物の建築主の基準適合義務は、建築基準法第6条第1項に規定する建築基準関係規定とみなされ、同法に基づく建築確認や完了検査の対象となります。

申請に係る建築物が基準適合義務の対象となるものであるか否かを明らかにするため、確認申請書第二面第8欄に、建築物エネルギー消費性能確保計画が「提出済」、「未提出」又は「提出不要」のいずれであるかを記入する欄が設けられており、「提出不要」の欄にチェックする場合には、提出が不要であることが明らかな場合を除き、その理由を記入します。提出が不要であることが明らかな場合とは次の①から④までが該当します。

  • 床面積の合計が300㎡未満の建築物の新築
  • 増築又は改築後の床面積の合計が300㎡未満の建築物の増築又は改築
  • 増築又は改築部分の床面積の合計が300㎡未満の建築物の増築又は改築
  • 住宅部分のみの建築物や用途が法第18条及び令第7条に規定する用途のみの建築物の新築、増築又は改築

提出が不要である理由に係る記入内容等の例について

理由に応じて根拠となる図書の添付が必要となる場合があります。

新築の場合にあっては、前述①~④の場合を除き、「提出が不要である理由」に応じて、「記入内容」を記入し、特に必要がある場合には各階平面図や求積図等の下表の「理由の根拠となる図書」を添付してください(表2)。なお、増築または改築の場合にあっても下表に準じることとなりますが、平成29年4月1日において現に存する建築物(*)の特定増改築に該当する場合にあっては、その旨を記入し、特に必要がある場合には、増築または改築後の非住宅部分の床面積の合計や当該増築または改築に係る非住宅部分の床面積の合計を記入するとともに、当該床面積の根拠となる図書を添付してください。

特に必要がある場合とは、例えば、令第4条第1項において規定する、内部に間仕切壁又は戸を有しない階又はその一部であって、その床面積に対する常時外気に開放された開口部の面積の合計の割合が20分の1以上である部分(以下「開放部分」という。)があり当該部分の床面積の算定を要する場合など、特定増改築である旨の記入のみでは理由が明らかではない場合などが該当します。

(*) 現に存する建築物とは平成29年3月31日迄に対象となる建築物の検査済証が交付されている等を指します。

【表2 根拠となる図書の例】

根拠となる図書の例

出典:令和2年9月4日国住指発第1962号

経過措置等について

令和3年4月1日以前に届出または確認申請をしている特定建築行為は届出義務の対象となります。

基準適合義務は、令和3年4月1日以後に確認の申請等がされた特定建築行為について適用されます。

ただし、令和3年3月31日までに届出等がされた行為(令和3年4月1日以後に当該行為に係る建築物のエネルギー消費性能の確保のための構造及び設備に関する計画を変更しようとするものを含む。)については、基準適合義務の対象とせず、届出義務等の対象となります。該当する場合は、前述の確認申請書第二面第8欄「提出不要」に✔マークを記入し、2年以内施行日前に届出済である旨を理由欄に記載してください。

また、特定建築行為のうち、令和3年3月31日までに確認の申請等をしているものについても、届出義務等の対象となります。着工の21日前までに届出を行ってください(図8)。

なお、図中の「確認申請」とは確認申請の受付日となります。

【図8 経過措置】

経過措置

出典:国土交通省「改正建築物省エネ法オンライン講座テキスト」に加筆・変更

 

建築認証事業本部  宮舘 文

 


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