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食肉

おいしさの重要な要素のひとつである「食感」の検査

2020-06-10

食品検査には、“食の安全・安心” だけでなく、おいしさに関連する検査項目もあります。 人は食品を食べたとき、食感・味・におい等の要素によって、「おいしい」と感じています。今回は、おいしさの重要な要素のひとつである食感の検査について説明します。

感じ

食感は、食物を口の中に入れたとき、歯や舌を含む口腔内で受ける歯ごたえ・舌触り・喉越しのことです。例えば、コリコリとした歯ごたえやざらざらとした舌触り、つるりと滑らかな喉越しなどを感じることでおいしさを感じています。
おいしさの指標としてだけでなく、高齢者等の誤嚥による事故防止等の食の安全性の観点からも食感が重要な指標となっています。

検査方法

テンシプレッサー測定

食品の粘弾性を考慮に入れて、食品にプランジャー(義歯)で交互に逆方向に、すなわち振動しながら力を加えていく破断測定(動的粘弾性測定)を行います。これは、奥歯で咀嚼する時の動きを模しており、少しずつ食品を変形させていき破断が起こった時の測定値から、食品のやわらかさ、しなやかさ・柔軟性、噛みごたえ、もろさの評価を行います。

検査項目

1. やわらかさ(tenderness)

肉を破断したときの圧縮応力(下図:A点の圧縮応力)。
調理後の食品を前歯で噛んだときにどれだけの力で筋繊維を断ち切れるかを示す。
数値が高いほどかたい。

2. しなやかさ・柔軟性(pliability)

噛んだ時に反発して返ってくる力(下図:面積比(△ABC/曲面AEBC)。
数値が高いほどしなやか。

3. 噛みごたえ(toughness)

肉を噛むのにどのくらいの仕事量をしたか(下図:曲面AEBC面積)。
数値が高いほど噛みごたえがある。

4. もろさ(brittleness)

破断するまでにどれだけプランジャーが侵入したか。(下図:試料の厚さ/距離L)
数値が高いほどもろい。

もろさ(brittleness)

ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社では、今回紹介した食感に加え、ジューシーさ(水分/加圧保水力/伸展率/加熱損失/圧搾肉汁率)検査、食感総合検査、色調、遊離アミノ酸等24種一斉分析、糖類分析、核酸分析、K値分析、官能検査などで総合的に食味構成要素分析を行っております。食肉や魚肉等のご依頼を多く受託しており、新品種や飼育方法・給餌方法などによる肉質やうま味成分の違いを確認できるとご好評をいただいています。
検査内容によっては加工食品への応用も可能ですので、付加価値を見つける手段のひとつとして是非ご活用ください。ご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。

【出典】

  • 高橋 亮,西成 勝好:おいしさのぶんせき(2010)
  • 「食肉の理化学分析及び官能評価マニュアル」 編集:独立行政法人 家畜改良センター

ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 理化学検査課  山本 圭一

 


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