建築戸建

「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第4号)」についてのまとめ(2020年5月現在)

Jun. 10 2020

令和元年5月17日に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第4号)」(以下「改正建築物省エネ法」)の施行に関し、令和元年から令和2年までにすでに施行されたものと、令和3年に施行される予定で現在公表されている情報を整理、概説します。

オフィスビル等(非住宅建築物)に係る措置の概要

● 現状の2000㎡以上の大規模建築物に加え、300㎡以上の中規模建築物に対象を拡大【適合義務制度】

300㎡以上の建築物については、建築確認(省エネ適判)や完了検査において、省エネ基準への適合等の審査を受けることが必要となります。省エネ基準へ適合しない場合や、必要な手続き・書面の整備等を怠った場合、確認済証や完了検査済証が発行されず、着工や開業が遅延する恐れがありますので注意が必要です。
令和3年4月施行予定です。
なお、届出や確認申請の提出時期により、適合義務か届出義務かの規制が異なります。以下の図を参考に必要な手続きをお願いいたします。

オフィスビル等(非住宅建築物)に係る措置の概要

出典:国土交通省「改正建築物省エネ法の各措置の内容とポイント」

 

マンション等(住宅)に対する措置の概要

民間評価機関による評価書を提出する場合、現状着工の21日前の届出期限を着工の3日前に短縮 【届出義務制度】

300㎡以上の住宅については従来、着工日の21日前までに省エネ計画を所管行政庁に届け出なければなりませんでした。所管行政庁は、届出に係る計画が省エネ基準に適合せず、省エネ性能確保のために必要があると認めるときは、計画の変更等の指示・命令を行うことができます。
改正後は、民間評価機関より事前に省エネ計画を審査することで発行される評価書(住宅性能評価、BELS評価書等)を提出する場合、届出期限が着工の3日前に短縮されました。これによる所管行政庁の審査手続きの合理化を通じて、指示・命令等の監督体制が強化されます。 令和元年11月16日に施行されました。

小規模住宅および小規模非住宅建築物に対する措置

新制度の創設【説明義務制度】

300㎡未満の住宅および非住宅建築物の設計に際し、建築士から建築主に対して、以下の内容について書面で説明を行うことが義務づけられます。

  1. 省エネ基準への適否
  2. (省エネ基準に適合しない場合)省エネ性能確保のための措置

建築主に交付する説明書面は、建築士事務所の保存図書に追加される予定です。
令和3年4月施行予定です。

戸建住宅等(住宅)に対する措置

現状の建売戸建住宅に加え、注文戸建住宅や賃貸アパートに対象を拡大【住宅トップランナー制度】

以下の住宅事業者を対象にトップランナー制度の対象が拡大されます。

  注文建売住宅 賃貸アパート 建売戸建住宅
対象事業者 年間300戸以上
供給する事業者
年間1,000戸以上
供給する事業者
年間150戸以上
供給する事業者
目標年度 2024年度 2024年度 2020年度
外皮基準 全ての住宅が
省エネ基準に適合
全ての住宅が
省エネ基準に適合
全ての住宅が
省エネ基準に適合
1次エネ基準 省エネ基準▲25%
(当面は▲20%)
省エネ基準▲10% 省エネ基準▲15%

その他の措置

性能向上計画認定制度(容積率特例制度)の対象に複数の住宅・建築物の連携による取り組みを追加

単棟の住宅・非住宅建築物の省エネ性能向上の取り組みを想定されていましたが、複数の住宅・非住宅建築物の連携による省エネ性能の取り組みについても、容積率の特例が拡充されます。所管行政庁より認定される制度です。
令和元年11月16日に施行されました。

地域の自然的条件等の特殊性を踏まえて地方公共団体が独自に省エネ基準を強化できる仕組みを導入

省エネ基準が小規模住宅等にも適用されることになることを受け、自治体内で気象条件にばらつきがある市町村において、市町村内の一部のエリアで基準を強化することによりきめ細かな基準設定ができるようにするため、地方の自然的条件等の特殊性に応じて、条例で省エネ基準を強化できるようになります。
例えば、同一市町村内に平野部と山間部が存在するケースで、(暖房負荷の大きい)山間部について省エネ基準を強化したい場合等に活用が想定されます。
令和3年4月施行予定です。

省エネルギー基準地域区分の見直し

最新の外気温等を各地域の標高の影響を加味して補正したデータを基に、また、市町村の意見を踏まえて現状の市町村(1,719市町村)単位で地域区分の見直しが行われました。
令和元年11月16日に施行されました。

建築物省エネ法における現行制度と改正法との比較 【規制措置】

改正建築物省エネ法により規制措置、届出義務、努力義務は以下のように変更されます。

建築物省エネ法における現行制度と改正法との比較 【規制措置】

出典:国土交通省「改正建築物省エネ法の各措置の内容とポイント」

 

建築認証事業本部 省エネ判定部 江口 悠貴

 

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