食品検査

食物繊維の分析について

Apr. 10 2020

今回は、身体へのさまざまな効果が期待され、常に注目される栄養成分のひとつである、食物繊維について説明します。

食物繊維とは

食物繊維の定義は、必ずしも合意されていないのが現状ですが、栄養表示基準では、食物繊維とは、「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されています。
多くの種類がありますが、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維に大別でき、不溶性食物繊維はセルロース・ヘミセルロース・キチン・キトサンなど、水溶性食物繊維にはペクチン・グルコマンナン・アルギン酸・アガロース・アガロペクチン・カラギーナン・ポリデキストロースなどがあります。
(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)

食物繊維の生理機能

食物繊維は、保水性・ゲル形成能・吸着性・イオン交換能などの物理化学的性質を有しており、これによって、食物繊維はさまざまな生理機能を発揮します。

(1) 食べ過ぎの防止
不溶性食物繊維を摂取することで、咀嚼回数が増えて唾液分泌が多くなり、その食塊が水分を吸収して膨潤する。

(2) 血糖上昇抑制作用
水溶性食物繊維は、胃から小腸への移動を遅らせ、腸内でゲルを形成してグルコースの吸収を緩慢にする。

(3) コレステロール上昇抑制作用
水溶性食物繊維は、小腸でコレステロールを吸着して体外への排泄を促進する。

(4)大腸がんの発生予防
不溶性食物繊維は糞便量を増加させることで、発がん性物質の体外への排出を促進する。水溶性食物繊維は、発酵により短鎖脂肪酸や乳酸を生成し、腸内のpHを低くして発がん物質の生成を抑える。

(5) 血圧上昇抑制作用
一部の水溶性食物繊維は、イオン交換能により血圧の上昇抑制や低下作用をもつ。

食物繊維の検査方法

食物繊維の定量法として採用されている方法には、プロスキー法(酵素-重量法)と高速液体クロマトグラフ法(酵素-HPLC法)の2種類があります。
栄養成分表示を行うための分析方法を示した「食品表示基準について」の「別添 栄養成分等の分析方法等」では、「基本的にはプロスキー法(酵素-重量法)によって定量されるもの、すなわち熱安定α-アミラーゼ、プロテアーゼ及びアミログルコシダーゼによる一連の処理によって分解されない多糖類及びリグニンを食物繊維とする」とされています。
また、水溶性食物繊維であって、一連の酵素処理後、約80%のエタノールによって沈殿を生成しないためプロスキー法では定量できない成分については高速液体クロマトグラフ法で行うとされています。

平成27年4月1日に食品表示法が施行され、原則として、消費者向けに予め包装されたすべての加工食品と添加物(業務用加工食品を除く)に栄養成分表示が義務化されました。義務化された栄養素は、エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5つですが、表示を推奨される栄養成分として食物繊維が挙げられています。
ビューローベリタスエフイーエーシーでは食物繊維の検査も受け付けております。
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【出典】

ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 理化学検査課  勝部 穂乃花

 


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