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食品検査

食物添加物の役割と規制

2019-06-10

デパートの地下、スーパーマーケット、コンビンエンスストアなどで、日常購入している食品に含まれる食品添加物は、食品を保存・加工・調理するのに不可欠なものです。日本で、化学的に作られたものが食品添加物として使われるようになったのは、明治時代からです。
第二次大戦後の混乱も収まり始めた昭和22(1947)年に『食品衛生法』が制定され、食品や食品添加物、関連器具、容器などについていろいろな衛生上の法規が整備されましたが、化学的に合成した食品添加物は、原則として使用禁止でした。平成7(1995)年に食品衛生法が改正され、天然添加物も化学的に合成されたものも、国で許可したものだけが使えるように改められました。
現在、食品添加物の使用許可は、どのような形でされているのでしょうか?

厚生労働省の食品添加物に関する規制(安全性の確認) (食品添加物に関する規制の概要)

厚生労働省の食品添加物に関する規制(安全性の確認) (食品添加物に関する規制の概要)

「化学物質の同定」から「ADI(一日摂取許容量)の設定」までは食品安全委員会が行い、結果は評価書としてまとまっています。この結果を受けて薬事・食品衛生評議会が審議・評価した後、厚生労働省が「ADIを超えないように使用基準を設定」します。

厚生労働省 食品添加物よくある質問(消費者向け) Q3.より
 

食品衛生法第7条により、食品添加物には、指定添加物・規定添加物ともに食品添加物の規格・基準があります。食品添加物の純度や成分の安定した製品を確保する目的のためと、基準として、食品添加物をどのような食品に、どのくらいまで加えてよいかを定めるためです。 このように、食品添加物は食品の安全性確保のため、食品衛生法によって、添加量等は非常に厳しく決められています。それではなぜ食品添加物は必要なのでしょうか。

食品添加物の役割

食品添加物がなぜ必要なのか下記に表しました。
1. 食品の品質低下を防ぐ(保存料、酸化防止剤、防かび剤等)
2. 食品の品質を向上させる(調味料、甘味料、着色料、酸味料、香料等)
3. 食品の栄養価を高める(食品の製造加工・保存などで失われる栄養素を補充する目的)
4. 食品の製造や加工(食品の製造加工でなくてはならないもの)

食品添加物はごく少量で上記の作用があります。添加物の違反はすぐに健康障害を心配するものではありませんが、消費者の安心のため、違反を出さないことが最も重要です。十分な監視・検査体制を維持することが消費者の信頼を得る方法となります。

食品添加物について調べるために図書館へ行くと、関連書籍は非常に多数出版されています。その多くは食品添加物を毒のように扱い、危険なものとして紹介されていることに驚かされました。食品添加物は種類が非常に多く、また規制も大変複雑なため、十分な理解を得るのは難しいと思います。何かと嫌われる食品添加物ですが、私たちの生活に欠かせない存在でもあり、いくらかでも食品添加物に関する理解が深まれば、もっと安心して食生活を楽しむことができるようになります。

ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社では、食品中の食品添加物の含有検査も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

【参考ウェブサイト】
- 厚生労働省 食品添加物 よくある質問(消費者向け) Q3
- 大阪教育大学 Laboratory of Food Sciences食生活・食物・食教育などのポータルサイト 食品添加物(食品添加物の役割)
- 内閣府 食品安全委員会

【参考文献】
食品添加物を正しく理解する本 / 小見邦雄・山田隆・西島基弘 共著

食品検査事業部(ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 横浜事務所) 椛島 淳一

 


【お問い合わせ】
ビューローベリタスエフイーエーシー(株) 食品検査事業部 横浜分析センター
TEL:045-949-4664
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