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食品検査

果汁の異性化糖添加判別検査

2018-06-11

ビューローベリタス 食品検査事業部では、果汁の異性化糖添加判別の検査を提供しております。

果実飲料の日本農林規格(JAS規格)及び果実飲料品質表示基準では、果実ジュースとは『果実の搾汁若しくは還元果汁又はこれらに砂糖類、蜂蜜等を加えたもの』と定義されています。一方ストレートジュースについては、加糖は認められていません。そのためストレートジュースは濃縮果汁よりも輸入や保管にコストがかかり比較的高価で販売されます。

異性化糖添加判別検査は対象果汁に対して、通常の質量数の12Cと安定同位体である13Cの比率を分析することにより異性化糖の添加がないかを確認し、ストレートジュースとうたっているものに偽和がないかの判断に利用されます。

JAS規格で定められているジュースの原料であるオレンジやりんご等の植物は、光合成のタイプでいうとC3植物と呼ばれ、自然界に多く存在する植物です。一方、異性化糖の原料として多く使われるでんぷんは、とうもろこし由来のものが多く、とうもろこしは光合成のタイプではC4植物と呼ばれ、とうもろこしのほかさとうきび等一部の植物に限られます。C4植物は光合成の特徴から、C3植物に比べてわずかに安定同位体である13Cの割合が高く、12Cと13Cの比率(炭素安定同位体比)を計算することによりC3植物由来の原料だけを利用したストレートジュースに異性化糖が加えられていないか予想することができます(異性化糖の原料にはとうもろこしやさとうきび等のC4植物ではなく、イモ類等のC3植物が使用されている場合には異性化糖の混入物を検出することができません)。

ビューローベリタスではEU AIJNガイドライン及び弊社測定データによる100%果汁の炭素安定同位体比の基準により、異性化糖添加判別を行っています。

分析結果は下記のようにご報告します。

分析結果

 

EU AIJNガイドラインおよび弊社測定データによる100%果汁の炭素安定同位体比の範囲:-23.5‰~-29.0‰を基準に陰性・陽性を判定しています。
果汁の他にも蜂蜜の異性化糖添加判別検査も行なっておりますのでお気軽にご相談ください。

[参考文献]

  • 果実飲料の日本農林規格
  • 果実飲料品質表示基準
  • 炭素の安定同位体比による果実飲料の果汁含有率の推定
  • 佐藤 恵・越野昭一・藤本春彦・影山昭二
  • AIJN-European Fruit Juice Association

食品検査事業部  関口 道絵

 


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